ブラックフライデー。
アメリカでは11月第4木曜日が、
サンクスギビングデー。
感謝祭。
全米の小売業は休業する。
そして金曜日の朝から、
いっせいに大セールを展開する。
ウォルマート、ターゲット、
メイシーズ、ノードストローム、
クローガー、アルバートソンなどなど、
顧客は早朝から行列を作って、
その大セールを待ち望み、楽しむ。
だから黒字の金曜日となる。
Black Friday。
感謝祭の1週間は、
日本に喩えれば、
正月休みのようなもので、
ブラックフライデーは、
いわば「初荷」である。
その初荷の商品は、
1年で最大の特売特価だ。
新しい商品もずらりと並ぶ。
日本のブラックフライデーも、
一つの販促として定着してきた。
しかしそれはUSAのBlack Fridayには、
遠く及ばない。
それでも定着してきたイベントは、
どんどん活用すべし。
世界中がサッカーのワールドカップに湧く。
その潮流にも乗って、
イベントを企画し、それを楽しみ、
さらに収穫を得る。
商売のいいところだ。
ちょっと軽い感じかもしれないが、
商売は軽くて、柔らかくて、素早いものだ。
今日はその商売の哲人を訪れた。
東京・昭島の㈱エコス本部。
平富郎さんと対談。
今、83歳。
年を越して1月には84歳になる。
18歳の時に八百屋の引き売りから始めた。
会長室に写真がある。
「この時が一番儲かった」
26歳の時に会社を設立し、
36歳の時、その社長に就任し、
45歳の時に株式会社を設立して、
代表取締役社長に就任。
そして57歳で株式上場した。
「このときにやっと男になった」
その後、合併戦略を推進して、
現在、1348億円のスーパーマーケットとなった。
大きな時代の変化に耐えつつ、
平さんはそれを克服してきた。
その変化への向き合い方を聞いた。
いい話だった。
林信太郎先生、
川崎進一先生、
上野光平先生。
多くの先生たちからも学んだ。
平さんは毎年、
年初に書き初めをする。
今年の言葉は、
「健康第一主義」
現在もすこぶる健康だ。
私は平さんが71歳のときに、
一緒に富士山に登った。
経営は平邦雄社長、典子副社長に任せて、
悠々自適の日々だ。
多くの役職は後進に譲った。
「辞めるときは自分一人で決めて、
スパッと辞める」
その代わりに現在も、
隔週でゴルフをする。
70歳の2009年から始めて、
80歳の2019年に、
ホールインワンを達成した。
平成31年4月2日。
本厚木カントリークラブ。
7番ホール、130ヤード。
「宝くじは買わなければ当たらない。
ホールインワンは狙わないとできない」
これには私、学んだ。
それから応接室の骨董品。
香取秀真(かとりほつま)の逸品。
平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)の書。
「六十七十は
はなたれこぞう
おとこざかりは
百から百から」
平櫛田中はこのブログでもよく紹介する。
「きょうもおしごと
おまんまうまいよ」
平櫛田中は107歳まで生きた彫刻家だ。
たっぷりと話を聞いていら、
ランチをした。
ありがとうございました。
帰りは青梅線中神駅。
立川から南武線で川崎駅へ。
東海道線のホームが改装されて、
広くなった。
そのホームから立て看板が見えた。
がさがさ⇒ユースキン⇒すべすべ
平さんの言葉をずっと考えていた。
この複合危機のときを、
平さんは極めて前向きにとらえる。
平櫛田中のように、
百まで百まで。
六十七十ははなたれこぞう。
納得した。
ありがとうございました。
〈結城義晴〉