結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年11月23日(水曜日)

勤労感謝の日の「何かが、大きく、変わった。」

勤労感謝の日。

「日本の再建の基礎は労働と生産にある。
勤労をもっと尊重しなければならない」
戦後まもない「祝日法」の国会審議での発言。

毎日新聞「余禄」が取り上げた。

「生産感謝の日」や「感謝の日」などの案が議論され、
「勤労感謝の日」で決着した。

よかった。

戦前は「新嘗祭」(にいなめさい)の祭日だった。
新穀を神にささげる宮中行事。

島崎藤村の言葉。
「汗は人生の報酬」

同感だ。

コラムニスト。
「勤勉を美徳と考えてきたのが日本である。
一方、汗を流して働く国民は
警察官やスポーツ選手ぐらいという国もある」

カタールである。

「四半世紀前までは日本の援助を受けたが、
天然ガス開発で高層ビルが林立する
超近代的国家に変身した」

そのQatarでは、
「汗をかく仕事の大半は
人口の9割を占める、
出稼ぎの外国人労働者が担う」

この過酷な労働環境や人権侵害を、
欧米諸国は批判している。

もちろんQatarでも、
労働法の改正など改善の動きもある。

「だが、国民の間では福祉が充実しすぎて
若者の肥満や労働意欲の減退が
社会問題化していると聞く」

これはよろしくない。

労働意欲こそが、
国の根幹となる。

北海道新聞の「卓上四季」
タイトルは「エンヤコーラー」

「授業参観の教室で着飾った母親の中に
汚れた法被にもんぺ姿の人がいた」

「誰の親だ?」
ざわつく空気。

「駆け寄ったのは
貧しさゆえにいじめられていた児童」

「母は周囲の目も気にせず子の身なりを整え、
垂れた鼻水を口にふくみ取り除いた」

「ある日の下校途中、
建設現場で働くその人を見た」

「網に入れた重しを木組みで引き上げて落とす
地ならし作業」

「息子に友達ができたことが
うれしかったのだろう。
薄汚れた姿を隠すでもなく掛け声を上げた」

「ヨシオのためならエンヤコーラー」

美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」の
モデルとなった話。
その著『愛の大売り出し』に載っている。
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小学2年生だった美輪さんは思った。
「こういう思いやりの愛情が
たっぷりあるひとが一番偉いんだ」

「心に届く歌が洗練されたものとは限らない。
初めて披露した時、とっぴな労働歌に
最初は爆笑したお客が
最後はみな涙ぐみおえつした」

そんな名曲が1965年、
放送されなくなった。

「建設作業や貧しさを差別している」とされた。

肉体労働や貧しさの現実を知らない「有識者」こそ、
差別意識があるのではないかという反論は
かき消された。

美輪さん。
「言葉はハサミと同じ。
道具になるか凶器になるかは使う人次第」

コラムニスト。
「どんな仕事も必ず
誰かが必要としているもの。
その思いに自然と頭が下がる
勤労感謝の日である」

働くことの意義をかみしめ、
感謝する日としたい。

日本の「勤労感謝の日」の祝日が水曜日。
木曜日は欧米の「感謝祭」。

そして金曜日はBlackFriday。

商売にとっても、
感謝、感謝の1週間だ。

その日本の感謝の日の1日の最後に、
FIFA World Cup Qatar。
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歴史的偉業。
日本代表がドイツ代表に逆転勝ちした。

試合前から、ドキドキしていた。
ゲームの最中は集中した。

点が入ると、
思わず大声を出して、
飛び上がった。

昨日のこのブログで書いた。

「何かが、大きく、変わっている。」

「サウジの大金星は、
もしかしたら金星ではなく、
大異変の始まりを告げる予兆なかもしれない」

その通りだった。

FIFAランキング24位の日本。
同11位だがWカップを4度制覇したドイツ。

前半はPKで先制を許した。

アルゼンチン対サウジアラビアの展開と同じ。

森保一監督は後半に、
守備のシステムを、
4バックから3バックに変え、
次々と攻撃的な選手を投入した。

途中出場の堂安律が75分に左足でゴール。
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83分にはこれも途中出場の浅野拓磨が、
長い山なりの縦パスをうまく受けて、
ディフェンダーと並走しながら、
右足で見事なゴール。

E組の日本は勝ち点3。
27日にコスタリカ、
12月1日にスペインと対戦する。

何かが、大きく、変わった。

私の予想は的中した。

それでも汗は人生の報酬である。
これは変わらない。

〈結城義晴〉

2022年11月22日(火曜日)

FIFA World Cup 2022/サウジ番狂わせの「何かが大きく変わる」

11月22日は、
二十四節気の小雪。

雪が降りはじめるころ。
まだ、積もるほど降らないから、
「小雪」(しょうせつ)と名づけられた。

小雪の次は、「大雪」(たいせつ)、
大雪が降る季節。

そしてその次が「冬至」(とうじ)。

小雪の前が「立冬」。
そして「冬至」から「立春」まで。

寒い季節だが、
この流れはとてもいい。

立冬、
小雪、
大雪、
冬至。

冬至、
小寒、
大寒、
立春。

その小寒も三つに分けられる。
二十四節気がほぼ15日間区切りで、
それがさらに三つに分けられる。
「初候」「次候」「末候」。
それぞれほぼ5日区切りとなる。

「七十二候」(しちじゅうにこう)と呼ばれる。

小雪の初候は「虹蔵不見」。
「にじ かくれて みえず」。
虹が見られなくなる。

次候は「朔風払葉」。
「きたかぜ このはを はらう」
北風が落下した木の葉を払いのける。

真っ向は「橘始黄」。
「たちばな はじめて きばむ」。
橘の実が黄色くなり始める。

西洋にはない繊細な季節の区切り方で、
私はとても気に入っている。

さてそんな季節感はまったくないカタール。
FIFAワールドカップ。
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8グループごとに、
4チームで1次リーグが行われ、
その1回戦が展開されている。

日本はグループEで、
ドイツ、スペイン、コスタリカの組。

そのグループC。
3度目の優勝を狙うアルゼンチン。
対戦相手はサウジアラビア。

アルゼンチンは前半開始10分に、
世界のエースともいうべきリオネル・メッシが、
ペナルティキック。massi

ゴールキーパーと1対1。messi 2

キーパーの予測を完全にはずした。
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そして余裕のゴロゴロシュートを入れた。messi4

メッシはそのあとも縦パスから抜け出して、
見事なシュートを決めたが、
これはサウジの巧みな守備にあってノーゴール。
サウジはハイラインのオフサイドトラップをかけた。

それでもアルゼンチン代表チーム全体に、
「与し易し」の感、ありあり。messi5

前半、サウジアラビアは、
1本もシュートを打てずに終わった。

しかし後半、サウジアラビアは怒涛の反撃。

後半3分、縦パスを受けたサレー・アル・シェフリ。
俊足のミッドフィルダー。
ペナルティエリアを左側に、
回り込むようにドリブルで進んで、
左足シュート。

ツーバウンドでゴール右隅に決まって、同点。

さらに後半7分、
ペナルティエリア左側で、
こぼれ球を拾ったサレム・アル・ドサリ。
背番号10のエース。

マーカーをかわして、得意の右足シュート。
かすかにゴールキーパーの手に触れたが、
カーブをかけた一撃はゴール右隅に決まった。

スタジアムは熱狂。

アラーの神も応援したに違いない。

残り時間、アルゼンチンは猛攻をかけたが、
ゴールキーパーが立て続けにスーパーセーブ。
31歳のモハンメド・アルオワイス。

サウジはイエローカード6枚を受け、
サイドバックのヤーセル・アル・シャハラニは、
味方のアルオワイスのジャンプした膝が、
同じく飛び上がった顔面に入って、
担架で運び出された。

死力を尽くした防御で、
歴史的勝利を収めた。

アルゼンチンはFIFAランキング3位、
サウジアラビアは同51位。

番狂わせ。

何かが、大きく、変わっている。

アルゼンチンのメッシは、
ワールドカップ5度目の出場の35歳。
おそらく最後の大舞台になるだろう。

これまでメッシが唯一手にしていないのが、
ワールドカップ優勝。

それだけ、思いが深いはずだ。

そのメッシのコメント。
「このような形でスタートするとは
思いもしなかった。
非常に辛い打撃だ。
今、僕たちは
本当のグループであることを
示さなければならない」
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サウジアラビアのアジア予選は、
日本と同じBグループだった。
その予選を勝点23の首位で通過した。
7勝1敗2分け。

この1敗は日本に2対0で負けたもの。

日本は同22の次点だった。
7勝2敗1分け。
2敗はサウジとオマーンに負けた試合。

だからサウジは強い。

しかし「アジア勢弱し」の風評も根強くあって、
それをひっくり返してくれた。

ドイツは意外かもしれないが、
最新FIFAランキングでは11位だ。

1位 ブラジル
2位 ベルギー
3位 アルゼンチン
4位 フランス
5位 イングランド
6位 イタリア
7位 スペイン
8位 オランダ
9位 ポルトガル
10位 デンマーク
11位 ドイツ

そのドイツに挑むジャパンは24位。

アジア・オセアニア勢のランキングは、
20位 イラン
24位 日本
28位 韓国
38位 オーストラリア
50位 カタール
51位 サウジアラビア

ドイツ代表が優勝候補の一角であることは確かだが、
日本代表にもチャンスはある。

今月の月刊商人舎特集は、
何かが、大きく、変わる。
業態トップ企業たちの「成長フォーマット」開発スタディズ
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[Cover Message]
偶然の出来事が重なる。
それが人間の想像力を刺激する。
本号がそれだった。

「何かが、大きく、変わる」

イスラム圏でのWカップ開催もあって、
世界が大きく変わっている気がする。

イギリスのBBCは開会式を放映しなかった。
イングランドチームは、
開幕戦で片足をついて抗議した。

ウクライナ戦争が展開されている中で、
世界中がサッカーゲームに湧いている。

それでも、
何かが、大きく、変わっている。

サウジの大金星は、
もしかしたら金星ではなく、
大異変の始まりを告げる予兆なかもしれない。

期待は膨らむ。

いざ、ドイツ戦へ。

〈結城義晴〉

2022年11月21日(月曜日)

玉生弘昌さんと川野幸夫さんを訪ねて三栖右嗣を観る。 

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊼]

2022年第47週。
11月第4週。

今年も残すところ6週間。

2022年を噛みしめつつ、
それぞれの時間を大切にしたい。

「三千年紀の人類最大のテーマは、
時間である」
(拙著『コロナは時間を早める』より)
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倉本長治。
この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
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サッカーワールドカップが始まった。
第22回FIFAカタール大会。
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中東のアラビア半島は、
西の紅海と東のペルシャ湾に挟まれる。

その大半をサウジアラビアが占める。

南端にイエメンとオマーン。
その北側にアラブ首長国連邦(UAE)。

UAEの北側に小さな半島が突き出ている。
カタール半島である。
ここがカタールの国だ。

面積は1万1472k㎡で、
日本の秋田県と同じくらいの広さである。
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サッカーのワールドカップは通常、
欧州の各リーグ戦のオフシーズンに開かれる。
すなわち5月から7月の開催。

2002年の日本韓国共催大会は、
5月31日から6月30日まで行われた。

今回は11月から12月。

もちろんそれはカタールの暑さによる。

国土の大半が砂漠と岩の荒野。
雨は非常に少ない。

しかし三方を海に囲まれていて、
湿度は高い。

夏季の気温は45℃を上回る。

10月から5月は比較的過ごしやすい。
11月から12月は20℃から25℃だ。

だから例外的に、今どきの開催。

今回はAbemaTVが全試合を中継する。
もちろんNHKも主要な試合は放送する。

サッカー愛好者には、
眠れない日々が続く。

さて今日は午後2時に東京・浜松町。
駅前の文化放送ビル。IMG_71872
この3階に㈱プラネットがある。

そのオフィスで、
会長の玉生弘昌さんと会う。

それからバンのハイヤーに乗って、
遠足のような気分。

首都高から関越自動車道で、
川越インターチェンジへ。

快晴の東京、埼玉を、
快適なドライブ。

そしてヤオコー本社へ。
「サポートセンター」と名づけられている。
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玉生さんと一緒に、
川野幸夫会長に面談。
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川野さんと玉生さんは、
埼玉県立浦和高校の同窓。
川野さんが3年のときに、
玉生さんが1年生だった。

川野さん80歳、玉生さん78歳。
ついでに結城義晴70歳。

こういったときに、
自分の年を言っても、
「若いなあ」と返される。

しかし、実にゆっくりと懇談して、
いい話を聞くことができた。

玉生さんは絵画に造詣が深い。
美術評論もやる。

話は当然、
ヤオコー川越美術館のことにも及んだ。

三栖右嗣(みすゆうじ)記念館として、
その作品が展示されている。

私のブログでも紹介した。
ヤオコー川越美術館の「三栖右嗣専門店」は
ヤオコーそのままだ。
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その三栖右嗣の作品は、
ヤオコー本社内のすべての部屋に、
丁寧に展示されている。

懇談の合間に、
サポートセンター全館を歩きながら、
その全作品を見せていただいた。

執務中、会議中だった本部のみなさんは、
驚いたかもしれない。

川野会長に案内いただいて、
玉生さんと結城義晴が、
ぞろぞろと社内観光をしたのだから。

しかし三栖右嗣、
素晴らしい。

川野さんは語る。
「格好いい言い方で恐縮ですが、
みんなに、ときどき、
“本物”を観てもらいたい」

サポートセンターは、
伊東豊雄さんの設計だ。

天井がスケルトン、
壁もコンクリート打ちっ放し。

1辺約62mの正方形の広大なフロア。
吹き抜けの中庭が2カ所。
執務機能は2階と3階の2フロア。

このワンフロアの広さ、快適さによって、
部署を越えたコミュニケーションが生まれる。

2階の営業フロアには、
テストキッチンが2カ所併設されている。

ヤオコーの店舗にある、
キッチンサポートコーナーのようだ。

そのコンクリートの壁に、
三栖右嗣のリトグラフがよく映える。

もちろん会議室や応接室、
廊下などに飾られている油絵も素晴らしい。

私は川野会長室の絵画に感銘した。
一つは川野さんの母上の「トモ」さんを囲んだ、
一家全員が揃った絵画。
三栖右嗣さんが2年もかけて描いた。

お一人おひとりの表情が、
すべて違っていて、
よく特長が出ている。

それから川野さんのご長男、
故川野正登さんのポートレート。
小学校2年で亡くなられた。

静かで利発な少年の肖像画も、
三栖右嗣作。

最後にサポートセンターのロビーで、
三人の記念写真。
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川野さんの話では、
いつも小売業の「良さ」が強調される。

川野さんは今日、
リンカーンの言葉を教えてくれた。

調べると英文は、
You can fool some of the people all of the time,
and all of the people some of the time,
but you can not fool all of the people all of the time.

わずかな人をずっと騙し通すことはできる。
すべての人を少しの間だけ騙すこともできる。
だがすべての人をずっと騙し通すことはできない。

これが小売業の本質だ。

そしてヤオコーは、
このリンカーンの言葉を実践している。

ありがとうございました。
いい一日でした。

では、みなさん、今週も、
この一瞬を大切に。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年11月20日(日曜日)

ウォルマート「赤字」・アマゾン「大減収」・ターゲット「組織内盗難」

岸田政権の辞任ドミノ。

10月24日に山際大志郎経済財政再生相、
11月11日に葉梨康弘法務相、
そして11月20日に寺田稔総務相。

政権として見れば末期症状だ。

商人舎流通SuperNews。

米国チェーンストア。
第3四半期決算が発表されている。

ウォルマートnews|
第3Q営業収益1528億ドル8.7%増/US部門のシェア伸長

1月末が決算期のウォルマート。
10月31日で終了した第3四半期。

営業収益は1528億万ドル、
1ドル140円換算で21兆3938億円。
前年同期比で8.7%増。

売上げは好調だ。

しかし営業利益は26億9500万ドル、
3773億円で53.5%の減少。

「オピオイド訴訟」関連の示談金が、
33億ドルが計上されて、
純損失17億9800万ドル(2517億円)。

オピオイドは、
ケシから採取されるアルカロイドや、
そこから合成された化合物のことだ。

そのオピオイドを使った鎮痛剤が過剰供給され、
裁判所はそれに加担したと判断した。

ウォルマートだけでなく、
CVSヘルスとウォルグリーンの3社が罰せられ、
合計120億ドルの示談金を支払う。

全米のドラッグストアが加担したけれど、
圧倒的な量を販売した3社が罰せられた。

ウォルマートの部門別成績はいずれも良好。
ウォルマートUSは売上高1048億ドルで8.5%増、
営業利益は51億ドルで4.8%増加。

国際部門は253億ドルで7.1%増。
営業利益は9億ドルで1.1%減少。

サムズクラブは214億ドルで12.8%増、
営業利益は6億ドルで18.3%増。

インフレの影響は大きい。
高所得者層がウォルマートに流入して、
客層が拡大している。

アマゾンnews
第3Q営業収益1271億ドル14.7%増/プライムデー好調

アマゾン・コムの第3Q営業収益は、
1271億ドルで14.7%増。
17兆7940億円。

ウォルマートに対しては、
83.2%のスケールまで迫ってきた。

営業利益は25億2500万ドルで48.0%減、
純利益も28億7200万ドルで58.2%減。

北米アマゾンが売上高788億ドルで、
前年同期比20.3%増、
営業損失4億1200万ドル。

国際部門が277億ドルで4.9%減、
営業損失が24億6600万ドル。

インターネット販売は赤字だ。

しかしアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が、
売上高205億ドルで27.5%増、
営業利益54億ドルで10.6%増。

部門別売上構成比は、
北米が62%(前年同期59%)、
国際が22%(26%)、
AWSが16%(15%)。

プラットフォームを構築して、
そこに参加する企業にサービスをする。
そのサービス事業で利益を出す構造だ。

販売チャネル別の売上高は、
オンライン販売が535億ドルで7%増、
実店舗が47億ドルで10%増、
第三者セラーが287億ドルで18%増。

CVSヘルスnews|
第3Q総収入811億ドル10%増/小売部門は検査減で減益

総収入812億ドルの10.0%増で11兆3623億円。
営業損失39億3100万ドル、
純損失34億0900万ドル。
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こちらも「オピオイド訴訟」に合意して、
今後10年で52億ドルの示談金を払う。

それによる営業損失、純損失。

ターゲットnews|
第3Q営業収益261億ドル3.3%増/4億ドルの盗難で大減益

営業収益は261億ドル(3兆6571億円)で3.3%増、
営業利益は10億2200万ドル(1431億円)で49.2%減、
純利益は7億1200万ドル(997億円)の52.1%減。

増収減益。マイケル・フィデルクCFOの発言。
「店舗での組織的な盗難によって、
4億ドル以上を失っている」

通期では6億ドルを超える。

インフレに呼応して、
組織内盗難が急増している。
憂うべき現象だ。

インフレは顧客の足を、
ウォルマートやターゲットに向ける。
スーパーマーケットやドラッグストアも、
増収となっている。

しかし組織内盗難も急増する。

ターゲットは1946年から、
税引き前利益の5%を地域還元している。

5%クラブと呼ばれる。

そんな会社で大規模な盗難が起こる。
オピオイドを使った鎮痛剤の過剰使用も、
人々の心が荒廃している証拠だ。

「ドミノ辞任」は政治家の質の低下を意味するが、
それが国民に伝染しないことを祈りたい。

米国小売業にとって、
人心の荒廃は深刻な問題である。

日本にはそれがないことが、救いか。

〈結城義晴〉

2022年11月19日(土曜日)

「未来が過去を決める」と「本当に印象が深いとき」

朝日新聞は毎日、
家に届けられる。

拾い読みしかしなくなった。
けれどこれだけは目を通す。
「折々のことば」

その第2561回。
過去は新しく、
未来はなつかしいもの
なのかもしれませんね。
(佐治晴夫)

逆説的な言い回しだ。

佐治晴夫さんは1935年生まれの物理学者。
立教大学理学部物理学科を卒業し、
東京大学大学院物理学専攻。
理学博士。

東京大学物性研究所、松下電器東京研究所を経て、
NASA客員研究員や大学教授を歴任。
鈴鹿短期大学学長から同名誉学長へ。

「今が満たされた境遇でないと、
人はつい過去のせいにする」

「だが記憶は
その時々の心情によって
塗り替えられるもの」

「過去の評価も
これからの自分の身のふり方で決まる」

「つまり
“これから”が
“これまで”を決めるのだ」

未来が、過去を決める。

「だから無闇(むやみ)やたらと
過去にこだわるのではなく、
“これから”を見つめ、
一歩踏み出そう」

随想集『この星で生きる理由』から。
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これからが、これまでを決めると考えれば、
ずいぶん楽になる。

これまでに寄りかかって生きることも、
意味がなくなる。

未来が過去を決めると思えば、
未来に向かって生きることができる。

とてもいい。

さらに「折々のことば」
第2523回(2022年10月10日)

本当に印象が深い場合は
感想が出るより前にまず、
ポカンとするのではないか。
(内田義彦)

この感じ、わかる。
同感だ。

だから、
「そう簡単に感想を出してはいかん」のだ。

「何かを読んで、
深い衝撃を受けた時は、
それが意味するところを
すぐには掴(つか)めず、
むしろモヤっとなるもの」

何かを見たときも、
何かに出会ったときも、
ポカンとする。

「そういう気持ちを
従来の言葉で急いで表現せず、
その意味が見えてくるまで
モヤっとしたまま持ち続けることが大事だ」

最初にゴッホの本物を見たとき、
そんな感じがした。

最初にビートルズを聴いたときも、
ポカンとした。

最初に、アメリカに行って、
ハイウェイや、
ショッピングセンターや、
スーパーマーケットや、
チェーンストアを見たとき、
ポカンとした。

ありきたりの言葉では、
言いたくなかった。

1981年の講話「読むこと きくこと」
(『内田義彦の世界』所収)から。
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内田義彦さんは経済学者。
1913年、名古屋生まれ、1989年没。
経済学史、社会思想史。
『資本論の世界』『経済学の生誕』を著し、
アダム・スミス、カール・マルクスの研究で知られる。

この言葉は真理なのだと思う。

最初にオースチンに行って、
ホールフーズの店に入ったときも、
ポカンとした。

言葉では表せないと思った。

そんな未来型の店に遭遇したときにも、
未来が過去を決めることを実感する。

そんな店をつくってほしい。
そんな商品もつくってほしい。

私もそんな本を書きたい。

〈結城義晴〉

2022年11月18日(金曜日)

ベイシアの新フォーマット「Foods Park」の「トレードオン時代」

横浜の商人舎オフィスで、
来年のアメリカ研修の打ち合わせ。

いよいよ始まります。
よろしくお願いします。

まず、1月27日に出発して、
2月12日に帰国。

17日間。

楽しみです。
頑張ります。

打ち合わせが終わって、
東京駅へ。
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それからオフィス街を歩いて、
大手町プレイス内科。IMG_71702
今日は毎月の診察に加えて健康診断。

今年からこの病院でやることにした。
30分ほどでマンツーマンで、
診断が終わる。

しかも主治医の田嶼尚子先生が、
つきっきりで見てくれる。

ありがたい。

トモズで処方箋薬を出してもらって、
終わると外は暗くなっていた。

読売新聞ビルの裏のイルミネーション。IMG_71712

銀杏がライトアップされている。IMG_71742

それから丸の内ストリート・ギャラリー。
ここもイルミネーションで飾られている。

丸の内イルミネーション

とくに丸の内仲通り。IMG_71752
彫刻が並んで、それらにも、
ライトが当てられている。

箱根彫刻の森美術館から提供された作品群。

そのなかで、
ルイジ・マイノルフィ作「巨大な町」
1987年のブロンズ作品。
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マイノルフィは1948年、
イタリアのロトンディ生まれ。
第5回ヘンリー・ムーア大賞展の優秀賞。

古代イタリアからアイデアを得た、
青銅色(ブロンズ)のふくよかな女性像。
しかし近寄ると、
窓状の空隙が無数に施されていて、
古代の城塞か中空都市のようにも見える。
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夜には作品の内側から光が照らされ、
窓から光が漏れるような光景をつくる。

ティモ・ソリン作「日光浴をする女」
1995年、ステンレス・スティール製。IMG_71782
ティモ・ソリンは、
スウェーデンを代表する彫刻家・画家。
1947年、フィンランド生まれ。
やはりヘンリー・ムーアに感銘して、
独学で彫刻の作品を作り始めた。

この「日光浴をする女」は、
陽光の中に座っている女性像。
人生を積極的に生きる情熱と活力がある。image-top
それが夜のイルミネーションの中で、
正反対のイメージを醸し出す。

イルミネーションと彫刻。IMG_71792

ぶらぶら歩いていたら、
東京駅に戻っていた。IMG_71812自分の身体のケアをして、
精神もリラックスした。

ありがたい。

東京駅に降りたら、
ちょっと散策してみるのもいいだろう。

お薦めします。

さて商人舎流通SuperNews。

ベイシアnews|
新フォーマット「Foods Park」大田原店11/23オープン

㈱ベイシアが新フォーマットを開発した。
「Foods Park」(フーズパーク)

来週の勤労感謝の日11月23日(水)に、
第1号店をオープンする。
栃木県大田原市のFoods Park大田原店。

旧ベイシア大田原店を、
スクラップ&ビルドして開業した。

コンセプトは「食のテーマパーク」
だからFoodsのParkである。 beisiafoodspark2

店舗面積は3248㎡(984坪)。

たとえば青果部門では、
栃木県内の地場農家生産の「下野野菜」を販売し、
果物売場にはフルーツパフェを揃える。

鮮魚は東京の豊洲市場を中心に、
全国の市場から直送で丸魚を品揃えし、
顧客の要望に合わせて無料で下処理をする。
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精肉は独自の「ベイシア とろ牛」を初登場させる。
4等級の牛を一頭買いして、
赤身から霜降りまでの部位を揃える。

惣菜部門には幅約7m×2段に30種類のフライを揃える。
ベイシア史上最大規模のフライ売場。

カレーバイキングは約5年ぶりの復活。
カレーはご飯盛り放題。

ギガ盛り焼きそば&ナポリタンも復活。

ニュースリリースの表現から判断すると、
ヤオコーとロピアを足して割ったような店づくりか。

ヤオコーがフーコットを開発し、
ベイシアがフーズパークを始める。

我田引水で言わせてもらえば、
強い企業群が、
「トレードオン」する時代を迎えた。

あちらも立てて、
こちらも立てる。

ライフスタイル型と、
ディスカウント型を、
どちらも展開して、
マーケットシェアを高める。

ベイシアグループは、
ソリューション型ホームセンターの、
カインズを日本一にした。

さらにワークマンを、
ワークマンプラスに変えた。

ただし「トレードオフ」は比較的易しいが、
「トレードオン」はひどく難しい。

しかもトレードオフに慣れ切った組織が、
トレードオンを試みると、
失敗の連続が待っている。

ベイシアをFoods Parkにする場合にも、
担当者たちのトレードオンに対する、
意識の転換が一番の問題だろう。

〈結城義晴〉

2022年11月17日(木曜日)

万代渋川店の「明日のパン」とサミットTAKEYA1店の「常笑軍団」

万代知識商人大学の講義の日。
ランチはいつも、
万代渋川店の惣菜を購入する。

本部の下の旗艦店が、
渋川店だ。IMG_70922

一丁目一番地。
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青果の鮮度と品質が万代の売り物。
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秀島みかんが平台に積まれている。
IMG_70962

秋鍋の島陳列。
コーナーには4分の1カットの白菜。IMG_70972

鮮魚売場のコーナーにはサーモン。IMG_70982

10月に入ったらお節料理の予約。
IMG_70992

「おうちクッキング」のアイテムがずらりと並ぶ。
IMG_71002

平日の弁当売場。
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「おさかな屋さんの鮨」コーナーを始めた。IMG_70912

下段は「よろず牛」ブランド商品の3割引き。IMG_71042

それから人気のパンコーナー。IMG_71032

読売テレビの「秘密のケンミンSHOW」
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大阪のオカンは1日何度も、
「明日のパン」という言葉を口にする。

明日の朝、食べるパンを、
いつも気にしているらしい。

それがこの万代のパン売場のパン。
売場は広いし、品揃えも多彩。
しかも、よく売れる。

さて、東京の御徒町。
サミットストア御徒町TAKEYA1店、
オープン。
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商人舎流通SuperNews。
サミットnews|
11/16御徒町TAKEYA1店オープン/台東区初出店

御徒町で圧倒的な知名度の「多慶屋」。
業態は「ディスカウントハウス」。
1947年創業の総合廉売店。

その多慶屋がスクラップ&ビルドして、
新たに「TAKEYA1」をオープンした。

地上5階地下3階の建物。

多慶屋が1階から3階までを占め、
サミットストアが地下1階と2階。

長い行列ができた。
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サミットのフロア構成は、
地下2階に生鮮3部門と冷凍食品、
そしてグロサリー売場。

地下1階はベーカリー、惣菜、
さらにデイリー、酒など、
即食性の高い商品の売場。
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かつて三軒茶屋店で、
はじめて2層の店をつくり、
エスカレーターを設けた。

その伝統の2層店舗。

朝礼には服部哲也社長(後姿)も顔を出して、
みんなを激励した。
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店頭にはチンドン屋が出て、
気勢を上げ、盛り上げた。
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開店と同時に顧客が、
なだれ込むように入ってきた。open

店長の三上達士さんが、
「常笑軍団」と書かれた写真入りの紙を見せて、
店舗の方針と特長を示した。
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売場が1080㎡(327坪)、
バックヤードが881㎡(267坪)で、
サミットの加工能力が、
十分に果たせる機能を備えた。

300坪型でもセンターに頼ることなく、
インストアでつくり立てを提供する。
それがサミットの経営方針だ。

年商19億4000万円と発表されている。
坪当たり600万円に近い数字である。

この立地で多慶屋とシナジーを生むだろうから、
計画通りの店になるだろう。

「日本のスーパーマーケットを楽しくする」
それを常笑軍団が担う。

万代の「明日のパン」も、
サミットの「常笑軍団」も、
スーパーマーケットの本質を表している。

〈結城義晴〉

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