結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年12月29日(木曜日)

「送り手と受け手」「売り手と買い手」のトレードオンの時代

2023年のカウントダウン。
あと3日。

今年の夏には、
新型コロナ感染第七波がやってきた。
1日26万人超の新規陽性判明者が出た。

しかし政府や自治体から、
行動制限は発せられなかった。

ワクチン効果が出た。
飲み薬も開発された。
重症者が激減した。

この年末年始の帰省や旅行も、
制限はない。

昨年、一昨年に比べると、
まったく異なる年末年始。
しかしこれが当たり前の姿だ。

こうしてウィズコロナの時代に入っていく。
感染拡大防止と経済活性化が、
同時に行われる時代だ。

いわば「両利き」の時代。
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ほぼ日の糸井重里さん。
毎日エッセイを書く。
9月18日の「今日のダーリン」
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受け手と送り手。
消費者と生産者。
口説かれる人と口説く人。
教わる人と教える人」

近江商人は、
売り手と買い手に分けた。
そして言い切った。
売り手良し、買い手良し。

「子どものうちは、
受け身の経験をくりかえしているが、
社会に出ると、
両方のことをするようになる」

「服を買う人が、
アイスクリームを売っている。
電車に乗っている人が、
タクシーを運転している」

糸井さんのたとえ話、秀逸。

「送り手の経験を
しっかり感じている人は、
受け手になったとき、
送り手のことも想像する」

「受け手として
いろいろ感じている人は、
送り手になったとき、
受け手を想像して工夫する」

「それが、うまく循環していたら、
いろんなことがもっと
いい感じになっていくのだろうが、
なかなかそうはいかない」

上手く循環させることができるのが、
いい商人だ。

鈴木敏文さんは、
「お客の立場で考えよ」と説いた。
「お客のため」ではだめだと言った。

口ではお客のため、と言いつつ、
お客の立場に立って考えない。

そんな商人が多かったからだ。

つまり受け手の立場に立って、
送り手となる。

買い手の立場に立って、
売り手となる。

「あっち向きの〈→〉か、
こっち向きの〈←〉か、
同じ人のなかに
両方あるんだってことだけど、
どっちかにいるときには、
反対側のじぶんを忘れちゃう。
向こう側にも、
じぶんはいるんだよ」

向こう側に自分がいる。
それが向こう側の立場である。

「大人になると、じぶんが
子どもだったことを忘れちゃうし、

子どものうちは、じぶんが
大人になると思っていない」

じぶんが若いうちは、
年寄りは引っこんでろと言い、
年寄りになると、
若いものはなんにもわかってないと言う」

「もれなく、どっちにもなるんだってば!」

「こっちから
反対側だと思っているものは、

反対側からしたら
こっち側なんだってば」

「あっちと、こっちは、
どっちもなんだ」

カリフォルニア大学のリテール研究の権威、
故デルバート・J・ダンカン教授。
『マス★カスタマイゼーション』で、
故杉山昭次郎先生が紹介している。
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小売業マーチャンダイジングを説明する。
「製造業のマーケティングとほぼ
同じような意味を持たせて使うことが多く、
バイイング・アンド・セリングの内容が主体である」

すなわちマーチャンダイジングは、
「バイング & セリング」である。

マーチャンダイジングは、
買い手と売り手のそれぞれの役割を、
融合したものなのだ。

考えるのをかんたんにしたほうが、
わかりやすいけど。
あっちとこっちの間に
線を引いたほうが考えやすいけど。
おそらく線を引いちゃいけないんだ」

トレードオフのほうが簡単だし、
わかりやすい。

けれどトレードオフばかりではいけない。
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「受け手で送り手。
消費者で生産者。
口説かれる人で口説く人。
教わる人で教える人」

「&」で行ったり来たりさせてみたい。
この考え方を、もっと
とろりとろりと煎じ詰めてみたい。

私も来年のテーマを、
同じような内容にしている。

このブログや月刊商人舎は、
送り手であって、受け手でもありたい。
情報や知識の生産者であって、
消費者でもありたい。

受け手の達人は、
送り手のプロである。

生産や製造の玄人は、
消費の名人である。

ここはトレードオフではいけない。
トレードオンがいいのだと思う。

売り手であって、
買い手でもある。
どちらもわかる、そんな存在こそが、
世間なのだと思う。

それを忘れてはいけない。
ウィズコロナの「両利き」の時代だからこそ、
いつも自戒していたい。

〈結城義晴〉

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