結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年01月03日(火曜日)

「一陽来復」のときに「両利きの歌」を歌おう。

3が日は、年賀状でご挨拶。2023年賀状

「一陽来復」は、
冬が去って春が来ること。

転じて、
よくないことが続いたあとに、
良いことが巡ってくること。

考えてみると21世紀に入って、
それほどいいことはなかった。
一陽来復を祈念した。

2010年代はずっと一陽来復だった。
そして2020年代も一陽来復のようだ。

新型コロナウイルス・パンデミック。
それからウクライナ危機。
米中による新しい冷戦。

けれど2023年は一陽来復を信じたい。

この言葉の由来は、
中国「易経」だとされる。

儒教には基本書籍が5冊ある。
この5経典を「五経」という。
その筆頭にあるのが「易経」だ。

易経の本来の名称は「易」だった。
それが儒教の経典と位置づけられて、
「易経」と呼ばれるようになった。

「易」という字は、
「日」と「月」から成っている。

日は太陽、月は太陰。
陰と陽。

だから易は陰陽を表す。
ひとつの説だが、
妙に説得力がある。

その「易」の陰が深まると、
陽に変わる。

一つの陽が復びやって来る。
それが一陽来復。

「易」を代表する考え方のひとつだ。
そんな年にしたいものだ。

そして商人舎1月のメッセージ。
2023-01-Jan-GekkanShoninsha
「両利きの歌」

右利き? 左利き?
いいえ、両利き。
もともと左利きの人が、
両利きになりやすい。

コロナ感染拡大を抑えて、
経済と営業の活性化を図る。
ディスタンシングを堅持しつつ、
ホスピタリティを高める。

経費上昇要因に事欠かず、
利益増加要因は一本足打法。
コスト削減と粗利益増加。
その両立をあなたは求められる。

Ambidexterityは、
双面性、両利きの経営。
Compatibilityは、
両立性。

あちらを立てて、
こちらも立てる。
こちらを立てて、
あちらも立てる。

トレードオフは、
気楽で呑気な20世紀人。
トレードオンは、
強靭で思慮深い21世紀人。

右手のイトーヨーカ堂、
左手はセブン-イレブン。
左手を使って右手を叱咤するがごとし。
鈴木敏文の両利き経営。

成熟事業と新規事業。
リアル店舗とネット販売。
人間力経営とデジタル改革。
矛盾を包含し、かつ尊重する態度。

両利き経営の最大の課題は、
リーダーシップである。
トレードオンの最大の課題は、
胆力と論理性である。

あちらを立てて、
こちらも立てよ。
こちらを立てて、
あちらも立てよ。〈結城義晴〉

2023-01Message
陰が去って、陽が来る。
しかし陽はふたたび、
陰に向かう。

だから両利きができなければならない。
私たちは両利きにならねばならない。
それはトレードオンを意味する。
あちらを立てて、
こちらも立てよ。

保守だ革新だ、は終わった。
両利きの中道の時代だ。

労使の対立も終わった。
どちらの主張も正しくて、
それらを両立させる「トレードオン」の時代だ。

経営も商売も、
どちらかを切り捨てれば済む時代は、
もうやって来ない。

顧客は、消費者は、
「禁欲円」と「享楽円」を使い分ける。

どちらにも対応した商売を、
あるいはどちらにも応える経営を、
模索しなければならない。

今年1年、
両利きの歌を歌おう。

〈結城義晴〉

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