結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年01月07日(土曜日)

人日(じんじつ)の節句に「人時・人日」と「MM生産性」を思う

年賀状でのご挨拶も、
松の内まで。

一陽来復。
本年もよろしくお願いします。2023年賀状

1月7日、人日(じんじつ)。

人日は五節句の一つ。
七草の節句でもあって、
七草粥を食べる。

五節句は中国から伝わった。

古来の中国では、
正月の7日までを、
それぞれ動物の日として、
動物の占いをしていた。
そしてその日には、
その動物を殺さないようにしていた。
その日にはその動物を食べないということだ。

1日は「鶏の日」、
2日は「狗(犬)の日」、
3日は「猪(豚)の日」、
4日は「羊の日」、
5日は「牛の日」、
6日は「馬の日」。

そして7日目に人間を占って、
「人の日」として、「人日(じんじつ)」と呼んだ。
この日は犯罪者を処刑しなかった。

ちなみに8日は「穀」を占った。

面白い。

現代では「人日」と記すと、
「にんにち」と読んで、
作業量を表す単位のことを意味する。

人日は〈1人で1日にこなせる作業量〉のことだ。

この仕事は何人日かかると言えば、
1人でやれば何日かかるか、
1日で終わらせるには何人必要か、
を意味する。

小売業やサービス業では、
人時(にんじ)が一般的だが、
これは欧米から学んだ概念だろう。

日本の職人は「人日」だった。

さらに「人月」(にんげつ)の単位もある。
〈1人が1カ月にこなせる作業量〉のこと。

私は㈱商業界の食品商業編集長のころ、
「MM生産性」という概念を、
勝手に考え出して予算をつくった。
そして編集局長を説得していた。

「人月」と同じ考え方だ。

マン・マンス(Man Month)の生産性。
略してMM生産性。

商業界の給与体系は、
年齢給一本やりで、
男女の差はまったくなかった。

残業も月間40時間を上限としていた。

だから月刊誌の編集作業量を論じるには、
MM生産性がぴったりだった。

MM生産性で月間の粗利益を計算すると、
圧倒的に高い数値を弾き出した。

残念ながらこの考え方は、
編集部全体に普及もしなかったし、
編集局長もそれを採用しなかった。

私の提案は暗黙のうちに拒絶された。

もう30年以上も前のことだ。

アメリカの企業の給与体系は、
たいてい3種類に分類される。
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第1がマネジャーの給与で、
月給である。

第2が週40時間以上働くフルタイマーで、
彼らは時給である。
日本の正社員にあたる。

第3が週40時間未満のパートタイマーで、
彼らも時給である。

店舗などでは、
マネジャーは一握りしかいなくて、
ほとんどが時給労働者となる。

だからアメリカでは、
生産性を論じるときに、
マンアワーが普及した。
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把握しやすく、
確認しやすく、
計算しやすい。

日本はほとんどが月給である。
それが通常の給与体系の場合、
人月やMMも都合がいいと思うのだが。

もしかしたら、
「人週」もありかもしれない。

人日の節句の今日、
なぜか「MM生産性」のことを思い出した。

一方で、人日の節句は、
「七草の節句」でもある。

(まな)板の染(し)むまで
(なずな)打ちはやす

〈長谷川かな女〉

朝日新聞「天声人語」が取り上げた。

七草粥(がゆ)をつくるために、
青汁が出るまで薺をきざむ。

江戸時代には「薺打ち」の行事があった。
七つの調理道具を使って、
薺を打ち、囃(はや)す。

かな女は明治20年生まれの女流俳人。

コラム。
「七草の風習は、
時代とともに移ろってきた」

半世紀ほど前に提唱されたのは、
「近代七草」だったという。
私は覚えていないけれど。

三つ葉、春菊、レタス、キャベツ、
セロリ、ホウレン草、ネギ。

おいしく食べられそうだが、
どうも定着しなかった。

けれど七草粥はしぶとく生き残った。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、
ほとけのざ、すずな、すずしろ。
これぞ七草。
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「時代の荒波にもまれても、
正月の暴飲暴食と胃腸の疲れは
なくならなかった」
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胃腸の疲れをいやす七草の日に、
生産性の単位のことを考えてしまった。

今年1年は生産性との闘いだ。

ときどき七草粥を食べたほうがいいかもしれない。

〈結城義晴〉

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