Everybody! Good Monday!
[2023vol③]
2023年も、もう第3週。
今週金曜日の1月20日は、
二十四節気の「大雪(たいせつ)」となる。
雪が激しく降り始めるころ。
1年で一番寒い季節。
気象庁によると、
今週末は冬型の気圧配置が強まる。
北海道や東北北部はマイナス18℃以下の、
非常に強い寒気に覆われる。
日本海側は大雪や吹雪のおそれがある。
来週にかけて今冬一番の寒波が押し寄せる。
まさに大寒だ。
それでも温暖化が進んで、
太平洋側はそんなに寒くはない。
日本海側のみなさん、
お見舞い申し上げます。
頑張ってください。
さて、次々に、
ミュージシャンが亡くなっている。
私より年上だったり、同年配だったり。
ジェフ・ベック。
1月10日に逝去した。
1944年6月生まれの78歳だった。
世界三大ギタリストの一人と言われる。
エリック・クラプトンとジミー・ペイジ、
そしてジェフ・ベックだ。
クラプトンが45年3月生まれの77歳。
ペイジが44年1月生まれの79歳で、
一番年上だ。
しかしこの世代にはまだまだ、
凄いギタリストがいる。
ロック史上最高のギタリストは、
ジミー・ヘンドリックスと言われる。
1942年生まれだが、27歳で没した。
生きていれば80歳。
アフリカ系の父親と米国先住民の母親、
いわゆるブラック・インディアンだった。
ディアン・オールマンは、
46年11月生まれで、24歳で死んだ。
ジェフ・ベックと同じ年。
米国テネシー州生まれの南部人。
サザンロックの最高峰で、
スライドギターの天才だった。
キース・リチャーズは、
ローリングストーンズのリードギタリスト。
43年12月に生まれた名手。
ジョージ・ハリスンは、
ビートルズのギタリストで、
43年2月生まれのスーパースターだ。
レノン&マッカートニーに囲まれ、
いつまでも若いイメージが残るが、
生きていれば80歳。
2001年に亡くなった。
いずれも素晴らしいギタリストだった。
毎日新聞「余禄」
「英国では第二次大戦後も徴兵制が続いた。
廃止されたのは1960年。
この時に10代だった若者は兵役を免れ、
青春を満喫した」
大きな戦争が終わった時代の解放感が、
いいギタリストを大量に生んだのだと思う。
イギリスの本当に伝説的なロックバンドが、
「ヤードバーズ」だが、
クラプトン、ペイジ、ベックは、
このヤードバーズから次々に世に出ていった。
クラプトンはパワートリオ「クリーム」を結成し、
ペイジは伝説のレッド・ツェッペリンつくった。
結局、世界三大ギタリストは、
ヤードバーズ出身の三人ということになる。
ジェフ・ベックは後年、
エレキギターをフィンガー・ピッキングで演奏した。
親指のダウンストロークと
人差し指と中指のアップトローク。
クラプトンなどピックを神業のように、
素早く巧みに動かした。
けれどベックは指弾きを多用した。
独特の奏法が独特の音楽を奏でた。
猫を抱くようにして、ギターを扱った。
ご冥福を祈りたい。
もう一人は、
高橋幸宏。
1月11日に、
脳腫瘍から誤嚥性肺炎を併発して亡くなった。
70歳だった。
1952年、東京生まれのドラマー、
シンガーソングライター、デザイナー。
立教中学校から立教高校へ。
その高校在学中から、
スタジオミュージシャンとして活躍。
フォークの「ガロ」のサポートメンバーで、
『学生街の喫茶店』を大ヒットさせた。
その後、故加藤和彦から誘われて、
サディスティック・ミカ・バンドに参加。
ザ・フォーククルセダーズの加藤、
ドラマーのつのだひろ、
ギタリストの高中正義、
それにボーカルの加藤ミカ。
つのだが抜けて高橋幸宏が加入した。
さらに1978年からは、
坂本龍一、細野晴臣とともに、
Yellow Magic Orchestraを結成して、
世界的なテクノブームを巻き起こした。
坂本は高橋と同年の70歳。
天才的なピアニストで作曲家・編曲家。
細野は47年7月生まれの75歳。
伝説のバンド「はっぴいえんど」の中核メンバー。
その二人とのトリオでも、
ユキヒロの正確無比のドラミングは、
音楽の基盤を構築していた。
都会的でキラキラしたセンスは、
立教育ちらしくもあった。
1980年代は、
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代だ。
YMOは、経済繁栄がやがて、
非個性的で画一的な技術の時代に向かうことに、
皮肉を込めて警鐘を鳴らした。
高橋のデザインで、
メンバーは赤い人民服をまとった。
中日新聞の「中日春秋」が書いた。
ミカ・バンドの加藤和彦は、
ユキヒロを評した。
「空が青いと歌っただけで
悲しさを表現できる」
同年の天才、ご冥福を祈りたい。
では、みなさん、今週も、
いい音楽を聴こう。
お店に、いい音楽を流そう。
Good Monday!
〈結城義晴〉