10年に一度の大寒波で、
関西でも京都や滋賀、兵庫は、
急な雪に見舞われ、
それによって交通の乱れが生じた。
電車に10時間以上も閉じ込められた人もいた。
お見舞い申し上げたい。
昨夜、大阪にも雪が降ったが、
今朝は澄んだ青空が広がった。
会議棟の大ホール。
今日は万代知識商人大学7期、
大学院の最終講義と修了式。
万代知識商人大学は、
企業内大学である。
日本のスーパーマーケットでは、
一番初めに創設された。
世界で初めて企業内大学を創設したのは、
米国ゼネラルエレクトリックだった。
1956年のことだ。
ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所。
通称「クロントンビル」。
幹部教育と、
次世代のリーダー育成教育。
GEに続いて、
ゼネラルモーターズ、モトローラ、
コカ・コーラ、インテル、
ディズニー、マクドナルドなどが、
次々に企業内大学をつくった。
マクドナルドは、
有名な「ハンバーガー大学」を設立した。
日本で一番最初に企業内大学をつくったのは、
現在のイオンである。
1969年に「ジャスコ大学」を創設した。
私も勘違いしていたのだが、
小嶋千鶴子さんを偲ぶ会で知った。
それが今、
イオンビジネススクールへと、
発展している。
しかしスーパーマーケットでは、
万代知識商人大学が一番早い。
2016年に創設されて、
今期は第7期を迎えた。
今期までに210人を超える修了生がいる。
そして4人の取締役が誕生した。
最終講義の今日は、
7期生が全員、
各自のこれからの取り組みを発表する。
「すぐ役に立つことはすぐに役立たなくなる」
灘高校の教頭だった橋本武さんの言葉。
企業内大学の教育は、
すぐに役に立つことはほとんどない。
自分で考えることや考え方を教える。
会社の取締役になることを前提としている。
だからマネジメントの体系を教授する。
9時10分から、一人10分ずつの発表。
スライドを用意して発表する人、
何も見ずに自分の言葉で発表する人。
ホワイトボードを使う人。
どんな方法でもいい。
休憩に入ると、
商品部の面々が集まって話し合っている。
突然の雪によって、
センターからの配送が遅れ、
それへの対応がなされた。
昨夜の降雪で、兵庫県の一部の店舗、
京都エリアの店舗が影響を受けた。
今朝は物流の一部が滞っているようだ。
7期生は幹部候補生だけあって、
現場のトップとして仕事をしている。
修了式の最中であっても、
現場の課題を整理して、
次々に電話で指示を出していく。
朝9時から午後3時半まで、
29名の発表がなされた。
雪のために店舗から離れられない店長が、
3名欠席した。
本人たちがいちばん残念だったと思う。
それでも修了したことは間違いない。
1年をかけて学んだことをベースに、
調査を加え、考え抜いた内容を発表した。
これからそれをいかに実行していくか。
今日の発表はその決意表明だった。
GEのベントンビルの合言葉を贈った。
Big Thinker(ビッグ・シンカー)。
GEが望む人財こそ、
Big Thinker、すなわち、
「大きな考え方の人」
「大きな視野をもつ人」
そのBig Thinkerになるために、
考える習慣をつける方法を伝授した。
さらに今回は、
ミッションマネジメントとともに、
パーパス経営を説明した。
2019年に、
米国経済団体ビジネス・ラウンドテーブルが、
「パーパス経営」を提案した。
会社は社会のなかで、
どのような存在意義を有し、
社会に対してどのような貢献をするか。
それらを「パーパス」として掲げ、
その「パーパス」を軸に経営を行っていく。
それがパーパス経営である。
最期の言葉はドラッカー。
「未来を築くために初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを決めることである」
私のあとは、
取締役の皆さんからのメッセージ。
今期は1年間の講義に、
毎回参加して聴講し、
順番に講義してくれた。
初めに営業部門。
圓石一治取締役。
店舗運営・サポート部管掌。
コーポレート部門からは、
河野竜一取締役。
人事・総務管掌。
最後の最期は、
もちろん阿部秀行社長。
取締役の皆さんからのメッセージは、
7期生にとって実にいい財産になったと思う。
全員で、記念撮影。
アカデミックガウンは着ていないが、
万代の赤いジャンパーもいいもんだ。
今期は外部講師を入れず、
すべて取締役をはじめとした内部講師と、
学長の結城義晴の講義だけで完結させた。
大学院の位置づけだったからだ。
充実した企業内大学院だった。
事務局にも感謝したい。
受講生にも講師陣にも、
すべての人々に感謝したい。
〈結城義晴〉