月刊商人舎2月号。
発売しました。
2週間前に渡米するときに、
機中で最後の原稿を書き上げるつもりだった。
しかしそれができずに研修が始まり、
2班と3班の間の休息日に、
時間をつくって書き上げた。
アメリカの小売業を見ながら、
構想はさらに練られて、
いい原稿になったと思う。
特集は、
年末年始の「凄い売り」
「享楽円Merchandising」のための「ハレの方程式」
一応、目次をお披露目しよう。
内容の説明は帰国してから。
もうすぐ帰ります。
さて3年ぶりのアメリカセミナー。
ロピアのサンフランシスコ研修会。
1班から4班まで都合170名強。
最後の、そして8回目の講義の日の朝。
ロピアの理念と七大用語の唱和。
これも2023年米国研修最後の唱和。
福島道夫団長は最後の最後に、
進んで志願したふたりを選んだ。
いつも新しいアイデアが湧いてくる。
それがロピアの社風のひとつだ。
福島団長が率先して新しいことをする。
ふたりに先導されて、
元気よく唱和した。
「同じ商品ならより安く、
同じ価格ならより良いものを」
そして結城義晴最後の講義。
最後だからネクタイを締めてみた。
新しい幹部も参加しているので、
アメリカの大潮流なども、
丁寧に話した。
さらに業種、業態からフォーマット戦略。
そのフォーマットを完成させるための、
ポジショニング戦略を、
これも丁寧に語った。
米国チェーンストアの基本戦略であり、
ロピアの基本的な考え方でもある。
そのためコモディティ化現象と、
プライベートブランドに関しては、
説明しきれなかった。
1班から4班まで、
すべての参加者のご清聴に感謝したい。
講義が終わるとバスに乗って、
ゴールデンゲートブリッジを越える。
高級住宅地サンラファエル。
モーリーストーン。
浅野秀二先生お薦めの、
インディペンデント。
高級スーパーマーケット。
私は40年前の単独インタビューを思い出した。
ロサンゼルスのゲルソンズ。
当時のアラン・シャーンCEOのコメント。
今でも覚えている。
「私たちはこの、
ビバリーヒルズで生まれた企業です。
だからこんな店になった」
「もし私たちがロスのダウンタウンから、
商売を始めたらボーイズのようになった。
そしてボーイズよりも強い、
ディスカウンターになった」
ボーイズは当時のロサンゼルスの、
安売りスーパーマーケットだ。
モーリーストーズも、
ゲルソンズと同じ考えだろう。
その青果部門。
プロデュース・ブッチャーの売場。
その右端に絞り立てジュースのコーナーがある。
生のオレンジが詰められていて、
容器をセットしてボタンを押すと、
絞り出されたジュースがボトルに入る。
私が試していると、
団員も寄って来て、
嬉しそうに挑戦。
よかった。
料理コンテストも終わり、
理論武装もして、
売場を見る目に、
真剣みが出てきた感じだ。
私も最後にセルフレジで精算。
キャッシュレスが急激に進んで、
アメリカではコインは使わなくなった。
このライフスタイルセンターには、
ユニークなハンバーガーショップがある。
ゴッツ・ロードサイド。
Gott’s-Roadside。
高所得者の住むエリアの、
高級ハンバーガーショップ。
カリフォルニアバーガーが基本アイテムで、
15ドル99セント。
「インポッシブルバーガー」が大人気。
植物由来のベジタリアン向け。
13ドル99セント。
ん~、高い。
けれど人気の一品だ。
浅野秀二先生と福島団長。
このハンバーガーは全員分、
福島さん個人の奢り。
福島さんはとにかく、
ロピアの若手に食べさせる。
食べることで経験が蓄積される。
だから自腹で買ってでも、
何とか食べさせる。
昼はハンバーガーのはしご。
イン&アウトバーガー。
こちらはカジュアルハンバーガー。
しかしマクドナルドを凌駕している。
そのインストアオペレーションは見事。
団員たちは自分で注文して、
自分で購入し、自分で食べる。
そしてゴッツと比較する。
昼にハンバーガーを2回食べる。
これが福島流の勉強法だ。
70歳の私ももちろん食べた。
レタス包みのプロテインバーガーだが。
ここで余談のエピソード。
このイン&アウトバーガーの店長は、
カウンターで元気に接客していた女性だ。
私はこの店の中に、
リュックサックを置き忘れた。
このあとのスケジュールをこなして、
解散の時に気がついた。
情けない。
団員が自由行動に散ったあと、
バスでこの店を訪れて、
なんとか鞄が手元に戻った。
浅野先生にも、
ドライバーの水戸さんにも、
お世話をかけた。
若い女性店長が保管してくれていて、
ありがたく受け取った。
そして10ドルほど、
チップを渡そうとした。
しかし彼女は笑顔を絶やさずも、
頑として受け取らなかった。
これはアメリカでは信じられないことだ。
イン&アウトバーガーの規律は、
見事なほどだ。
ありがとう。
金門橋を渡って、
ダウンタウンに戻る。
そして最後の訪問。
ユニオンスクエアのそばの、
ビジネス センター「UNプラザ」
床はチェッカー模様。
ホールフーズマーケット。
500店を超える同社の最新店。
Now Openと横断幕がある。
天井が高い。
それは想像を絶する。
これからサンフランシスコを訪れたら、
ほぼすべての小売業人がやって来るだろう店だ。
息を呑むほどに美しい店だ。
これはカジュアルなトレーダー・ジョーとは、
また違ったポジショニングを極めている。
DAIRY売場。
リーチインケースに乳製品が並ぶ。
健康的な生活を提案し、
環境問題にも先頭を切って対応し、
しかも店舗の美しさは随一。
さらにアマゾン傘下に入って、
価格も少し下げ、
オンライン販売にも万全の態勢を組む。
ホールフーズは、
快調に進んでいる。
私はホールフーズファンでもある。
満足して、店をあとにする。
最後のスマイル。
このあと、団員たちは、
自由行動に。
多くがケーブルカーに乗って、
フィッシャーマンズワーフに出かけた。
思う存分、楽しむがいい。
自分らしく、ロピアらしく。
(つづきます)
〈結城義晴〉