今日から3月。
大学の1年先輩のよしあきらさんが、
「弥生三月は、突然、やってきます」
と歌にした。
そういえば2月28日から、
突然のように3月1日に変わる。
しかし鎌倉時代末期に生まれ、
室町時代まで隠遁生活を送った人は、
ゆったりとした時間の中にいた。
つれづれなるままに日暮らし、
硯(すずり)に向かひて、
心にうつりゆくよしなしごとを、
そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ。
硯は現代ならばパソコンか。
つれづれなるままに一日、
パソコンと向かい合って、
心に浮かんでは消える他愛のないことを、
とりとめもなく書きつけてみると、
不思議に気分が高ぶってくる。
そんな感じか。
私のブログと同じか。
高校時代の古文の授業は、
眠かったなあ。
でも今は、いい気分で読める。
同感できる。
その第79段。
何事も
入りたたぬさましたるぞよき。
よき人は知りたる事とて、
さのみ知り顔にやは言ふ。
どんなことも、
精通したような顔をしないのがいい。
立派な人は知っていても、
知ったかぶりをしないものだ。
片田舎よりさしいでたる人こそ、
萬の道に心得たるよしのさしいらへはすれ。
田舎者にかぎって、
万事心得たといった受け答えをする。
されば世に恥しき方もあれど、
自らもいみじと思へる気色、
かたくななり。
だからこちらが、
ひどく恥ずかしくなるほどの人もいるけれど、
自分がそれはすごいと思い込んでいるのは、
どうにも見苦しい。
よくわかる。
以て自戒とすべし。
そして第142段。
衣食尋常なる上に
僻事せん人をぞ、
真の盗人とは言ふべき。
「僻事」(ひがごと)は道理に合わないこと、悪事。
衣食が足りているのに、
そのうえで悪事を働く者こそ、
真の盗人と言うべきである。
現代の「盗人」は、
権力者である。
兼好ほどに達観はできぬが、
怒りがこみあげてくる。
兼好法師。
ときどき読んでみるのもいい。
さて商人舎流通スーパーニュース。
サミットnews|
3/1「サミット川口青木店」改装オープン/惣菜強化
1999年に最初のオープン。
2004年にヤオコー川口朝日店が開業し、
その際に改装を行った。
それ以来の二度目の改装。
当時、『食品商業』で、
「三つ巴の戦い」と題して、
山本恭広編集長が取材した。
私は商業界社長だった。
売場面積は575坪で、
今から考えると少し小ぶりだが、
当時は標準タイプだ。
今回の改装のポイントは、
生鮮部門へのグリルキッチンの増設。
サミットが掲げる「大総菜プロジェクト」の一環。
「部門横断型MDの実験店」の位置づけだ。
鮮魚部門が仕入れた魚介と、
日配部門が仕入れた卵を材料にしたアイテム。
それが写真の「とろほっけ店内手作り弁当」
「部門横断型商品」を拡大するために、
部門間の「マンアワー」のやりくりをどうするか、
「仕入れ原価」をどう組み立てるか。
それらの問題を仕組み化する。
その実験の場がこの店である。
岸本健店長による朝礼。
今回の改装に際して着任した。
岸本店長はこの店でチーフをやっていた。
しかも部門横断型オペレーションにおいて、
人の差配が得意な店長だ。
適任である。
今回の全員の掛け声は「ラブ&ピース?」
元気がいい。
一方、徒歩6分程度のところには、
ヤオコー川越朝日店がある。
ダブルコンコースを採用した「こってり型」。
客数は安定している。
レジ10台のうち7台が稼働していた。
さらにヤオコーから15分ほど歩くと、
ベルク中青木店がある。
標準的なタイプのベルクらしい店舗だ。
吊り下げPOPや価格訴求が強い。
お客もよく入っている。
今も「三つ巴戦」であることは変わらない。
ポジショニング戦略を、
強く意識するようにはなっただろうか。
そのなかでサミットは、
「部門横断型」を高いレベルにもっていけるか。
じっくりと実験に取り組むのがいい。
よき人は知りたる事とて、
さのみ知り顔にやは言ふ。
商人は 謙虚に仕事に取り組むのがいい。
〈結城義晴〉