昨年末から、
毎日欠かさず、
勉強をしていることがある。
3か月が経過して、
わかったことがある。
ドラッカーの薦めるフィードバック分析だ。
孔子も同じことを薦めている。
子曰、
「学而時習之、不亦説乎」
子曰く、
「学びて時に之(これ)を習ふ、
亦(また)説(よろこ)ばしからずや」
「習ふ」は一般には、
「反復練習する」と解釈されている。
しかし「身につくこと」と理解するのがいい。
学んでいると、
それが身についてくる。
なんとうれしいことだろう。
フィードバックする。
すると自分の「強み」がわかる。
なんとうれしいことだろう。
その私の強みとは、
「競争の中に身を置くことだ」
年をとってからも、
それが強くなっている。
ならば自分がやりたいと思う領域で、
どんどん競争の中に入っていこう。
そうすればまだまだ、
学ぶ意欲がわいてくる。
「学而時習之、不亦説乎」
その通りだ。
歴史的なことが次々に起こっている。
悪いこと、
良いこと。
良いことの中に、
藤井聡太の出現がある。
将棋の竜王。
その藤井がまた記録をつくった。
渡辺明棋王とタイトル戦を闘っていた。
5番勝負でここまで2勝1敗。
それでも最後の詰みは見事だった。
勝利して、タイトルを奪取した。
これで六冠となった。
竜王、棋王、王位、王将、棋聖、叡王。
史上最年少にして史上二人目。
もちろん一人目は羽生善治。
同じ日曜日のテレビNHK杯。
これも決勝戦だった。
藤井聡太竜王と佐々木勇気八段。
佐々木(28歳)は藤井が15歳のとき、
デビュー以来29連勝の新記録を成し遂げて、
そのあと30連勝に挑んだとき、
それを阻んだ若手の天才だ。
このNHK会決勝では、
9三角や7七との妙手を放って、
藤井が勝ち切った。
これで藤井は初のNHK杯選手権者となった。
プロの将棋界には八大タイトルがある。
竜王戦
名人戦
王位戦
叡王戦
王座戦
棋王戦
王将戦
棋聖戦
これ以外に4大一般棋戦がある。
持ち時間が短い棋戦だ。
全プロ棋士や女流棋士、
ときにはアマチュア強豪も、
参加することができる。
朝日杯将棋オープン戦
銀河戦
NHK杯戦
将棋日本シリーズ
藤井聡太は2022年度に、
こちらの4大棋戦で、
いずれも優勝してしまった。
八大タイトルは、
名人位と王座位が残っている。
名人位は渡辺明が保持していて、
王座のタイトルは永瀬拓也が持っている。
そのうちの名人戦は、
藤井聡太が挑戦者に決まって、
4月から7番勝負が実施される。
これに勝ったら、七冠。
羽生善治に次ぐ2人目で、
それも20歳で成し遂げてしまう。
しかし藤井の将来はどうなるのか。
逆に心配になる。
このまま圧倒的な強さを誇りながら、
三十代、四十代を過ごすのか。
意外に衰えが早くて、
三十くらいになると負け始めるのか。
それでも藤井も孔子に学んでいると思う。
「学而時習之、不亦説乎」
学んでいると、
それが身についてくる。
なんと嬉しいことだろう。
もっともっと高いレベルに自分をおく。
高みを目指す。
そしてそのために競争する。
そうすると、
さらに学んで、
それが身につく。
なんとうれしいことだろう。
大谷翔平も同じだ。
だから大リーグに挑戦した。
WBCにも真剣に取り組む。
世界最高の環境に身をおく。
「学而時習之、不亦説乎」
私は彼らに遠く及ばないが、
だれでも自分を、
逆境におくのがいいと思う。
それが人生だ。
〈結城義晴〉