結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年04月05日(水曜日)

サンエー・しまむらの本決算と渡辺明名人の「責任」

日本の誇り、奈良の吉野桜。IMG_2148

松本隆文さんから、
またまたお送りいただいた。
㈱マツモト会長。

ほんとうに、ありがとうございます。

桜の花もよく開いた。
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名勝、一目千本。
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山又山山桜又山桜
〈阿波野青畝(あわのせいほ)〉

「やままたやま
やまざくらまたやまざくら」

さて商人舎流通SuperNews。
次々に決算が発表されている。

そのなかで、
サンエーnews|
営業収益2135億円4.5%増・経常利益115億円13.8%増

㈱サンエーが新城健太郎新社長のもと、
2023年2月期決算を発表。
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営業収益が2135億円で、
前年同期比4.5%増。

営業利益は112億円で、
この営業による儲けが34.4%増。
立派なものだ。

経常利益は116億円(13.8%増)、
純利益は75億6900万円(13.6%増)。

増収増益。

今期のサンエーは外出機会の増加で、
衣料品の販売が増加した。

イトーヨーカ堂が、
総合スーパーを止めることを発表しているが、
それとは反対の結果を生み出している。

入域観光客数も前年を上回った。

昨日、田崎正仁専務と、
電話で話した。

田崎さんも代表権をもって、
新城社長を支える。

トップマネジメントは、
テニスのダブルス型でなければいけない。
ピーター・ドラッカー先生が言っている。

新城さんと田崎さんは、
まさにそれだ。

それぞれに「責任」をまっとうしつつ、
実にいいコミュニケーションをしている。

田崎さんは、
インバウンドの顧客が戻ってきたことを、
言っていた。

私も沖縄に行きたくなった。

決算に関してはもう1社。
しまむらnews|
年商6161億円5.6%増・経常利益7.5%増の増収増益

売上高は6161億円で5.6%増、
営業利益は533億円で7.9%増、
経常利益も544億円で7.5%増。

営業利益率8.7%、経常利益率8.8%。

主力のしまむら事業が4.9%増。

売筋商品の在庫管理は、
約40日で追加生産して再投入する仕組み、
「短期生産サイクル」を、
サプライヤーと連携して構築した。

都市部と郊外、寒冷地域と温暖地域など、
店舗立地に応じた商品管理を強化した。

またPBやJBは、
ブランド別の売場づくりをする。
在庫管理も徹底して、
値下げを抑制した。

PBは自社開発ブランド(Private Brand)、
JBはサプライヤーとの共同開発ブランドで、
Joint Development Brand。

総合スーパーのアパレルは、
このしまむらを研究するのがいい。

広告宣伝に関しても、
天候や商品の売行きに応じて、
機動的に配信した。
時期と広告量、配信メディアを見直した。

SNS販促にも力を入れて、
新規媒体を導入した。
ホームページやアプリもリニューアルした。

さらに販促は都市部限定、地域限定と分けて、
それぞれに展開を変えた。

ヤングカジュアルのアベイル事業は、
売上高600億円、10.2%増。

子ども用品専門店のバースデイ事業は、
売上高723億円、4.0%増。

雑貨と婦人ファッションのシャンブル事業は、
売上高146億円、10.4%増。

実質的な創業者の藤原秀次郎さんが、
取締役に復帰したのが2020年。
コロナパンデミックが始まった年だ。

その20年2月期決算は、
3期連続で減収減益となっていた。

5月15日付で取締役相談役に就くと、
しまむらはガラリと変わった。

藤原さんの復帰で、
「権限」と「責任」がはっきりした。

その藤原さんは、
1990年5月から2005年4月まで社長を務め、
05年5月から09年4月まで、
代表取締役会長を務めた。

現在、82歳。

実務をするわけではないが、
締役会の中での存在感が、
しまむらを蘇らせた。

トップマネジメントの機能を、
あらためて考えさせてくれる事例だ。

最後に、
将棋名人戦。
第一局が始まった。
渡辺明名人に、
藤井聡太竜王が挑戦する。
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渡辺は史上4人目の中学生プロ棋士。
竜王・王将・棋王と三冠に輝き、
その後、名人位を獲得した。

それらは今、藤井の手中にあり、
この名人戦で負ければ無冠となる。

38歳。

一方、20歳の竜王は、
羽生善治以来の七冠に挑む。

渡辺の弁。
「藤井さんがこれだけ勝って
七冠に向けて出ていくところで、
自分が名人を持っているという状況に
責任を感じます」

ここで渡辺が使った「責任」という言葉。
実に素晴らしい。

朝日新聞「天声人語」
「世代交代を阻むのか、
許してしまうのか。
将棋史に刻まれる対戦を見られる幸運を思う」

同感だ。

この責任の意味、
トップマネジメントの在り方につながる。

〈結城義晴〉

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