結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年04月23日(日曜日)

倉本聰「石油と水はどっちが大事か」とイオン「CO2ゼロのイチゴ」

今、とくに全国の地方新聞で話題にしている。
脚本家の倉本聰さんのMessage。

「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」が、
札幌市で行われた。

この会合に向けたメッセージだ。

あなたは文明に麻痺していませんか
石油と水は どっちが大事ですか
車と足は どっちが大事ですか
知識と知恵は どっちが大事ですか
理屈と行動は どっちが大事ですか
批評と創造は どっちが大事ですか

あなたは本質を忘れていませんか

あなたは己れの体内のエネルギーだけで
生きるということを忘れていませんか
己れのエネルギーの消費を抑えて
他のエネルギーに縋っていませんか

あなたは結局何のかのと云いながら
他所から奪いとったエネルギーの中で
我が世の春を謳歌していませんか

現境問題は 全てそこから発しています

地球環境を正常に戻すには
今の豊かさ少し犠牲にして
時代を戻すしか方法はありません

文明社会というこのスーパーカーは
プレーキとバックギアをつけ忘れました
こんなスピードは要りません
こんな眩しさも要りません

我々人類は今立止り
地上の植物、けものたちにならい
謙虚につつましく生きましょう

我が世の春を謳歌して、
豊かさを求めるのは止めましょう

 環境問題を解決するには
その道しかないと 考えます

〈倉本聰〉
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石油と水は、どっちが大事か。
車と足は、どっちが大事か。

知識と知恵は、どっちが大事か。
理屈と行動は、どっちが大事か。
批評と創造は、どっちが大事か。

どっちも大事。

どっちかを選んで、
他を切り捨てる行為は、
いけない。
それがトレードオフから、
トレードオンへの転換だ。

しかしそれでも、
どっちが大事かと言えば、
水のほうが大事だし、
足のほうが大事だ。

コロナ感染拡大防止と、
経済の活性化。

どっちも大事で、
どっちもやらねばならない。
それがトレードオンだが、
それでもコロナは直接、
人の命にかかわることだった。

だからコロナ対策が大事だ。
こちらが優先される。

そのなかから経済や消費の活性化の道を探す。

そうして今がある。
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日経新聞が日曜版の1面で記事にした。
「イオン、国内初のCO2ゼロ食品」

イオンは生産や運送過程などで実質的に、
二酸化炭素(CO2)を排出しない食品を売り出す。

凄い。

イオン子会社のイオンアグリ創造が、
島根県安来市と三重県いなべ市で、
生産過程でCO2を出さない構造の温室を建設。
2024年にイチゴを栽培する。

温室の冷暖房には、
冷媒を使ったヒートポンプを活用する。
これは化石燃料を使わないで済む。

低温時にはボイラーを使うが、
その場合は発生したCO2を集めて、
イチゴの葉にあてて吸収するシステムを作る。
ヒートポンプや照明などは、
太陽光などの再生可能エネルギー由来の電気を使う。

まず近畿や東海、中四国地方の、
マックスバリュなどで販売する。

生産量は当初年100トン、
10個前後入りで約100万パック分。

価格は既存のイチゴパックの321円に据え置く。

従来よりも生産量を3倍に増やす。
それによって価格を抑えつつ、
収益を確保して投資を回収する。

国内では初めての試みだ。

「脱炭素の流れが食品にも及んできた」   nav_11

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)。
世界の温暖化ガスを直接排出する割合では
農業・林業など土地を利用する活動由来が
24%にも上るとしている。

運輸が14%、産業が21%。

戦争は話にならないくらいナンセンスだが。

日本はこの面では、
ヨーロッパに遅れた。
イオンが先陣を切ることで、
農業や食品の脱炭素は加速する。

CO2ゼロ食品はイチゴを皮切りに、
今後、トマトなどにも広げる方針。

脱炭素食品は欧州が先行する。

仏カルフールはECサイトで、
プライベートブランドに環境ラベルを付ける。

ドイツのリドルや、
ベルギーのコルロイトなども、
同様の環境ラベルを導入している。

石油と水は、どっちが大事か。
車と足は、どっちが大事か。

どっちも大事。

どっちかを選んで、
他を切り捨てる行為は、
いけない。
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イオンのCO2ゼロのイチゴは、
トレードオンである。

環境も大事だし、
収益性も大事だ。

これらは小さく始めてもよろしい。

始めることが大事だ。
倉本聰さんもそう言っている。

〈結城義晴〉

2023年04月22日(土曜日)

スーパーバリュー杉並高井戸店改装オープンの「非食品のロピア化」

スーパーバリュー杉並高井戸店。
改装オープン。
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朝、オープン前に出かけた。
顧客が行列をつくっていた。

商人舎流通スーパーニュース。
スーパーバリューnews|
杉並高井戸店4/22改装/2F食品はロピアとコラボ

東京都杉並区の2層店舗。
1階がホームセンターで、
2階がスーパーマーケット。
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3月末から1カ月ほど休業して、
食品売場を根本的に変えた。

昨年7月、㈱ロピア・ホールディングスが、
筆頭株主となってから、
店舗改装ではロピアの売り方を採り入れている。

東京の杉並でこの食品430坪の売場面積があり、
駐車場は平面と屋上に300台装備されている。

2階に上がると、
カート置き場にイラスト。IMG_26173

大型カートはロピアの仕様。
100円硬貨を差し込んで抜き取るタイプ。

青果部門から始まる。
もうロピアそのもの。

天井からPOPが下がる。
「ただ安く売るより、
価値のあるものを安く売りたい」IMG_26183

行列をつくっていた顧客は、
9時の開店とともに2階に直行する。
入口では入場制限が行われている。

2階はすぐに混み始める。
青果部門は八百物屋あづま。IMG_26143

イチゴ4パック1000円が超目玉。IMG_26153

ロピアの事業部長たちが、
全部門に応援にやって来ていて、
ロピアの新店オープンのようだ。

鮮魚部門は日本橋魚萬。
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鮮魚も惣菜も「常に挑戦進化」IMG_26283

ウナギ弁当。1480円と1980円。IMG_26303

精肉部門は最強の「肉のロピア」。IMG_35773

食品売場は430坪で、
ロピアとしては狭いけれど、
生鮮と惣菜のスペースは、
レギュレータイプと同等の面積だ。IMG_26323

精肉は次々に売れていって、
冷蔵ケースは空になる。IMG_26333

グロサリーにも、
ロピアのアイテムが投入されている。 IMG_26213

そのグロサリー売場には、
列車の模型がセットされて、
これもロピアのアイデンティティ。IMG_26243

パスタは「値上げ反対」のPOP。IMG_26253

高級食パン専門店「どんだけ自己中」のコーナー。IMG_35813

私は売場と顧客の動向を観察していた。IMG_35852

一方、1階にも顧客が殺到。IMG_35863

POPはロピア仕様。
売り方もロピア方式。IMG_26353

非食品にもロピア流が導入されて、
売場は活気づく。IMG_26363

ペットショップとペット用品売場を、
店舗の奥にもってきた。IMG_26373

天井から癒し系のPOPが吊るされると、
この売場もロピアの印象に変わる。IMG_26393

改装前から顧客はついていた。
その顧客たちが喜んで戻って来てくれた。IMG_26403

屋外テントの園芸売場も人気だ。IMG_26433

レジには行列ができる。IMG_26463

「お客様の幸せを願って、
ただそれだけを考えて」IMG_26343
家電などを縮小して、
日常生活に必須の雑貨を増やした。
そして園芸とペットを充実させた。

まだまだ改革は進む。

非食品マーチャンダイジングのロピア化。
その可能性は魅力に満ちている。

1階でもレジには行列ができた。IMG_26413

岸本圭司スーパーバリュー社長と、
売場の改善について話し合った。
自信がわいてきている。
スーパーバリューの店長や社員にも、
そしてパートタイマーさんたちにも、
その自信は見られる。IMG_35913

その岸本さんと握手。IMG_35943

相川博史さんは、
ロピア・ホールディングス取締役で、
スーパーバリュー取締役を兼務。
改革の中核的役割を担う。
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内田貴之さんも、
スーパーバリュー取締役。
ロピア・ホールディングス取締役管理本部長。IMG_35973
いつものロピアの新店オープンの顔ぶれが、
スーパーバリューの改装に揃った。

そして順調に改革は進む。

スーパーバリューの店長たちも、
応援に駆け付けていたが、
その店長や幹部の人たちも、
手ごたえを感じているようだ。

会社の改革は、
人心の刷新から始まる。

それがこの改装から見える。

スーパーバリューnews|
年商678億円6.0%減・赤字幅拡大

スーパーバリューの2023年2月期は、
売上高678億円で前期比6.0%減、
営業損失16億円、経常損失15億円だが、
今期は大幅の改善が進みそうだ。

改装店舗にそれが表れていた。

〈結城義晴〉

2023年04月21日(金曜日)

高倉照和の「NetMarket事業」とイオンリテール「AIオーダー」

夜、 高倉照和さんと銀座で会食。
スーパーサンシ㈱専務取締役、
NetMarket事業本部長。IMG_3539-1

高倉さんには、
商人舎2015年4月号に登場していただいた。
特集は、
「ネットスーパー! 移動スーパー!!」
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無店舗食品販売「日本の草分け」
サンシ宅配サービスのすべて

もう、あれから8年。

ネットスーパーは進化を遂げた。

アメリカのウォルマートは、
この5年間に店数を減らしつつ、
7兆円を超える売上げ増を果たした。

それはすべてオンライン販売によるものだ。

高倉さんも大活躍。
スーパーサンシに新事業を立ち上げて、
いま、NetMarket事業本部長。

もう周知のことだが、
関西では㈱万代が、
関東ではサミット㈱が、
サンシのシステムを導入して、
ネットスーパーを展開している。

一昨年には、
フードストアソリューションズフェアに、
出講してもらった。

とてもいい講演だった。

食事をしたのは「銀座ふじやま」。
京料理を中心にしながら、
関西の食材を使った日本料理の名店。
ミシュランガイド一つ星を獲得している。

先付けは、
翡翠色の旬のエンドウ豆とハマグリの、
炊き込みごはん。
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海老とごま豆腐のすまし汁。IMG_3503-1

貝2種おろし和え。
器もひと品ずつ凝っている。IMG_3505.-1JPG

ヱビスの生ビールで始まり、
フルーティな新酒の大吟醸「佐賀の鍋島」をいただき、
次に私の好きな新潟の〆張鶴。IMG_3506-1

美味しい料理とお酒に舌鼓。
すっかり酔って、いくつかの料理を撮り損ねた。

このお皿には、旬の味覚が満載。
ホタルイカ、ぜんまい、サーモン、
フキノトウの点ぷら、おひたし、
そして小鉢。
絶妙の味わい。IMG_3507-1

白子、ん~、うまい。
プリン体も忘れて、いただく。IMG_3510-1

アワビのキャビア乗せ。IMG_3511-1

メイン料理は、
クレソンと和牛の花山椒のしゃぶしゃぶ。IMG_3514-1

板前さんがテーブルでつくってくれる。IMG_3522.-1JPG

最初にクレソンを投入して引き上げ、
たっぷりの花山椒を入れて、
それから和牛を投入し、
ミディアムレアに仕上げる。
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花山椒を巻いて肉を食べる。
絶品。
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KENZOの赤ワインにもぴったり。

〆のごはん。
縦長の土鍋。
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この土鍋で炊くと、ふっくらと甘く仕上がる。
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ごはんのおともは、焼魚、ちりめんじゃこ、
パウダー状にしたからすみ、おしんこと昆布。
ご飯はおかわりをしてしまった。

店内の設えもシンプルで粋。
壁に活けられた季節の花。
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デザートはお抹茶と抹茶ようかん。
さらに和紅茶。
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そして季節のフルーツ。
レッドルビー色のキーウイ。
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料理にもお酒にも大満足。
何より高倉さんとの情報交換がよかった。

それが冒頭の写真のこの顔です。
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さて、商人舎流通スーパーニュース。

イオンリテールnews|
AI活用の自動発注を5月より約380店に展開

イオンリテールの「AIオーダー」。
独自開発の需要予測・発注システム。
5月13日(土)から約380店舗に導入される。
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客数と商品の需要予測をもとに、
最適な発注数を提示するシステムだ。

さらにカレンダー情報から、
価格、気候、プロモーション、
そのうえカニバリ(類似商品)などの要素が織り込まれ、
各品目の推奨数量が導き出される。
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ただし現在の対象は日配部門の約1000品目。

既存システムでは、
発注時間は部門当たり1日平均90分かかる。
それが5割削減される。
前日発注調整時間は平均80分を要する。
こちらは4割削減となる。

発注精度はPI値予測で、
最大40%の改善となる。

実証実験店舗では特に、
消費期限の短い生菓子、デザート、練り物で、
改善幅が高くなった。

また、過剰発注を防ぐことで、
平均3割の在庫削減につながった。

この「AIオーダー」は、
既存の発注システムに埋め込む形になる。
ここがいい。

だから新たに使い方の教育をする必要がない。
投資コストも抑えられる。

2024年以降は他の食品部門、
日用品、衣料品への拡大を予定する。

システム企画本部の山村卓也本部長。
「こうしたデジタル化を、
発注から開発、製造、物流へとつなげることで
サプライチェーンのDX化を進めたい」

チャットGTPなどの進化は驚くべきものだ。
それをオペレーションに活用する。
需要予測に使う。

このイオンリテールの改革は、
ウォルマートやセブン-イレブンと共通している。

リアリティのあるイノベーションである。

商売のリアリズムと直結していなければ、
DXもあまり意味はない。

〈結城義晴〉

2023年04月20日(木曜日)

ユニバース三浦紘一さんの訃報とサミット方針説明会の「頂2025」

三浦紘一さんが亡くなられた。
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惜しい。

数えで85歳だが、満で83歳。
まだまだご活躍願いたかった。

㈱ユニバースの創業者で、
社長、会長。

㈱アークスも創業者のお一人で、
横山清さんが社長、
三浦さんが会長だった。

いつも、にこやか。
そしてじっくり考えながら、
ゆっくりとお話しされる。

しかし厳しい。

三浦紘一さんほど、
「商売に対してストイック」な経営者は、
日本中を探しても見当たらない。

それがユニバースの芯になっている。

そのユニバースの考え方は、
「Customers, our Priority」

「Customers(「顧客」)」とは、
「繰り返し、ご来店してくださるお客様」。

「Priority」は最優先する対象。

だからユニバースはいつでもどこでも、
何かを決める時にも、
日常の行動や新たな行動を起こす時にも、
「Customers, our Priority」を基準にする。

「いつでもどこでも顧客最優先」

コロナ禍でこの数年、
お会いする機会がなかった。

30年近くも前から、
東北CGCで講演をした。
そのときには三浦さんはいつも、
熱心に聴講してくださった。

ときどきドキッとするようなことを、
講師の私にもぶつけて、
私はいつも三浦さんの前で緊張した。

20年くらい前、
私が㈱商業界の社長のころ、
アメリカ研修にご参加くださった。

私がコーディネーターで、
三浦さんには団長になっていただいた。

そのとき三浦さんは一人、
先乗りしてダラスで待っていた。

自分だけでこの都市圏を一巡りして、
予習をしていたのだ。

驚いた。

そして旅の間ずっと、
私の一言ひとことを、
噛みしめるように聴いていた。

消費税増税の直前に、
月刊商人舎でインタビューをした。

2014年4月号。
タイトルは、

「真っ正直商法」&「大台価格セオリー」

「店にとって何が大事か、
企業にとって何が大事か。
価格政策はどうあるべきかと言えば、
価格を第一にして成立できる企業は、
ひょっとしたら日本中で、
1社だけになるかもしれない。
何十年かしたら世界中で、
1社だけになるかもしれない」

鋭い。

その方向に進んでいる。

「だから、価格を第一にというのは
当社にはできないことだし、
やるつもりはない」

「しかし、
スーパーマーケットができ上がったときから
価格は重要な要素だったし、
今でもそうです」

「安さは大事にしていかなければいけない。
だけど価格だけではだめだと思っています」

「Customers,our Priority」の姿勢を貫く。
それが唯一、変えてはならないもの。

変えてならないものは、
絶対に変えない。

しかし変えることに対しては、
誰よりも素早く対面して、
率直である。

それが三浦紘一の真骨頂であった。

これは残された者たちに、
貫かれなければならない。

心からご冥福を祈りたい。

私は昼過ぎに、
㈱寺岡精工本社へ。IMG_25433

川越(かわこし)純一さんを訪問。
私と同年で、
もう40年くらいの付き合い。

㈱九州テラオカ社長を経て、
今、寺岡精工本社の、
知的財産規格部コンサルタント。

その川越さんのオフィスは、
本社の地下にある。
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貴重な年代物の「秤」に囲まれている。IMG_25313

寺岡精工の発明品の数々。
初代・寺岡豊治さんの発明した秤。IMG_25303

レジスターもアンティーク。IMG_25333

まだ、使える。IMG_25343

秤博物館のようなオフィスで、
資料に囲まれて、
寺岡精工のアーカイブスを整理する。
それが川越さんの今の役目。

一緒に仕事することになった。

松井康彦さんとともに写真。
商人舎エグゼクティブプロデューサー。IMG_34473

それから東京・大手町。
パレスホテル東京。

サミット株式会社方針説明会。IMG_34513

服部哲也社長のメッセージが書かれていて、
服部さんと竹野浩樹会長の名刺が入っている。IMG_25453

その説明会に登壇するのは、
服部さんと竹野さんのふたり。

実にシンプルな会だ。

会場にはお取引先のトップ・幹部が、
ずらりと揃った。

服部さんの新年度の方針と、
中期計画の説明。

新中期計画のタイトルは、
「頂(イタダキ)2025」

頂はsummitのこと。

服部哲也らしく、
サミットらしく、
本当にわかりやすかった。

「良い会社」であること。
「強い会社」になること。
この二つの会社の要件を掛け合わせると、
「最強の会社」になる。

強い決意が込められていた。

創業60周年を迎えて、
変えないところは貫きつつ、
変えるところを大胆に変えようとしている。

変えないところは、
「良い会社」であること。
変えるところが、
「もっともっと強い会社」になること。

その心意気や、良し。
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服部さんの説明のパワポに、
『サミットスタディ』が出てきた。
びっくりした。
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私が編集長、山本恭広君が編集部員のときに、
食品商業から発刊した。
今、結城社長、山本編集長で、
商人舎は運営されている。

服部さんはいままた、
新たな「サミットスタディ」が必要だと言った。

それもいいことだ。

竹野さんはサミット会長にして、
住友商事㈱執行役員ライフスタイル事業本部長。
サミットとトモズ、
マミーマートを統括する。
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その立場から、
サミットのビジョンを語った。

創業60年を迎えるサミット。
100年企業も70年くらいで、
曲がり角が来る。

それは業態に制度疲労が起こるからだ。
だからそれを乗り越えるビジョンが必須だ。

正しい。

休憩が入って懇親会。
挨拶は星野郁夫さん。
取締役常務執行役員サイト開発部・店舗開発部分掌。
サミットの意志を明確に表明するスピーチだった。
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乾杯の音頭は、
為田耕太郎さん。
住友商事常務執行役員生活事業・不動産事業部門長。IMG_34853
「サミットは住友商事の宝です」
これはいい一言だった。

そして乾杯。IMG_34883

服部さんはコーネル大学ジャパン第1期生。
サミットの将来をいろいろと語り合った。IMG_34903

そして三人で写真。
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竹野さんとも久しぶりにお会いして、
話は弾んだ。
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ライフスタイル事業部の方向性は、
間違ってはいない。

それから星野さん。
最近の業界での企業交流の話をした。
とてもいいことです。
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中締めの挨拶は岡田崇さん。
取締役執行役員MD本部長。
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しっかりしたスピーチで、
取引先に正しくウィンウィンの関係を要請した。
私は感心した。

サミット方針説明会。

とてもよかった。

三浦紘一さんのことを考えながら、
良い会社×強い会社の在り方を思った。

合掌。

〈結城義晴〉

2023年04月19日(水曜日)

ユニクロ・ロゴ・ストア内覧会の佐藤可士和「店はメディアだ」

朝、新横浜から新幹線に乗って、
東京駅経由で高崎へ。

その高崎駅の「上野三碑」のレプリカ展示。
ユネスコ「世界の記憶」に指定された。

まず、多胡碑。IMG_24113

左の金井沢碑と右の山上碑。IMG_24123

とくに山上碑は、
飛鳥時代681年に建てられた。
完全な形で残っている日本最古の石碑。

その高崎駅に9時50分に着いた。IMG_24102

そしてベックスを探して、
コーヒーを買って着席。
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パソコンでオンライン会議に参加。
㈱True Data取締役会。
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1時間45分、丁寧な報告と、
意見の交換。

㈱プラネットとTrue Dataの、
コラボレーションで、
面白いDX事業が始まります。
社会貢献できる仕事です。

とくに製造業や卸売業の皆さん、
ご期待ください。

それからタクシーに乗って、
前橋南インターへ。

ユニクロの最新店の内覧会。
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名づけて、
ユニクロ・ロゴ・ストア。

商人舎流通スーパーニュース。
ユニクロnews|
4/21開業の前橋南インター店は「UNIQLO LOGO STORE」

隣の敷地にはコストコ。
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反対側にはイケアが2024年に出店する。
いま、建設中だ。
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そしてここはベイシアの本拠地。
だからカインズとベイシアの、
オープンモールのパワーセンターがある。 IMG_32803

それらの真ん中あたりにユニクロが出た。
計画されたショッピングセンターではない。
それぞれが至近距離に出て、
結果的に商業集積となった。

ユニクロの売場面積は、
ワンフロア750坪。

まったく新しい郊外型店舗に挑戦した。

到着すると記者会見が始まっていた。IMG_24313

マスコミは東京・銀座から、
バス2台で押し寄せた。

後列にはカメラクルーがズラリ。IMG_24293

クリエイティブディレクターは、
佐藤可士和氏。
この店舗の建築デザインを監修。

プレゼンテーションをして、
質疑応答に対応した。
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店長と広報室長と三人で、
最後に写真撮影。
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駐車場でも写真撮影。
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私はいつものように、
写真を撮る人たちを撮っていた。

それから店長に引率されて、
店内ツアー。
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7つの仕掛けが行われた。
それは月刊商人舎5月号に詳報する。

前橋に行かなくとも、
雑誌を見ればわかるようになっている。

記者会見場はすぐに売場に変わった。
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テレビクルーは独自の映像を撮影していた。IMG_33423

高崎の達磨が売られていた。
ご当地商品だ。
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この店は花売場とコーヒーショップが併設されている。
柳井正さんのアイデアらしい。

服と花。
そしてコーヒー。
とてもいい。
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外の花ショップからは、
カスミソウをいただいて、
1ショット。
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帰りは報道陣のバスに乗って銀座まで。

私は取材に来たのではない。
歴史的な店がオープンするときには、
その場にいることが大事だと考えている。

だから無理をしてでもやって来る。

それらの情報が、
体験として私のなかに蓄積されていく。

今日のユニクロ・ロゴ・ストア。
すべては顧客がやって来るか否かにかかっている。

それは売上げが上がるかどうか、
と言った意味ではない。

佐藤可士和さんが言っていた。
「店はメディアです」

その通り。

しかし店というメディアには、
顧客の存在が欠かせない。

多くの顧客が店にやって来ることで、
メディアとしての店の意義は高まる。

それを忘れてはいけない。

〈結城義晴〉

2023年04月18日(火曜日)

食品値上げの「2万品目」超えとセブン&アイ役員人事の「15人態勢」

今日は東京・小平。

第一屋製パン㈱の取締役会。
〈いつものように自撮りです〉
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3月の株主総会で、
取締役や監査役の顔ぶれも刷新されて、
若返った。

3月の実績は上々でいいスタートを切った。
私はスリムな組織であることを強調した。

JR武蔵野線新小平駅に着くと、
貨物列車が通過した。IMG_23893

EF66形電気機関車が引っ張る。IMG_23913

長いながい貨物列車。IMG_23923

西濃のコンテナ。IMG_23943

武蔵野線はもともと貨物線で、
神奈川から東京、埼玉、千葉を結んで、
首都圏の外環状線の役目を果たす。IMG_23963

旅客線としては、
東京の府中本町から千葉の西船橋まで、
さらに京葉線と結んで、
東京駅まで乗り入れる。IMG_23983

今、首都圏ではこの武蔵野線あたりに、
多くのショッピングセンターや店舗が開発されている。IMG_23993
外へ外へと開発は広がっていく。
それが首都圏の巨大さを示す。

さて、商人舎流通スーパーニュース。
帝国データバンクnews|
2万品目が値上げに/昨年より3カ月早く到達

「食品主要195社」価格改定動向調査。

飲食料品の値上げ品目数が、
4月18日までの判明ベースで、
累計2万3品目に達した。

昨2022年に2万品目到達は、
7月だった。

3カ月早い。

今後の値上げの予定は、
5月が793品目、
6月が2859品目。

このペースが続いた場合、
今秋にも年内累計3万品目の可能性がある。

値上げの季節は続く。

素早い対応が必須だ。

セブン&アイnews|
井阪社長続投の人事案発表/バリューアクト案に反対表明

㈱セブン&アイ・ホールディングスが、
注目の取締役の再任・異動人事を発表。

月刊商人舎4月号でも特集した。
202304_coverpage
[ドキュメント]
セブン&アイの行方
日本最大小売業の「明日はどっちだ?」

202304_contents

今日の発表はこの特集への答えでもある。

取締役会で決議されたのは、
井阪隆一社長を含む13名の再任、
さらに2名の新任取締役。

合計で15名。

ん~、多くないか?

こんなに取締役がいると、
取締役会での発言は制限される。

それとも3時間も4時間もやるのかな?

「もの言う株主」バリューアクトは、
井阪社長、後藤克也副社長ら、
現取締役4名の再任に反対している。

それへの解答で、
さらに2名を付け加えた。 seven_pp1
それぞれに立派な人たちだが、
バリューアクトとセブン&アイが、
手札を出し合って、
場にはカードが散乱している印象だ。
seven_pp2
商人舎4月号にも書いたけれど、
ステークホルダーは株主だけではない。

第一に顧客、
第二に従業員。
第三に取引先。

こんなに次々と取締役候補を出して、
顧客も従業員もどう思うだろうか。

イトーヨーカ堂など、
首都圏以外の地域の店は撤退する。

店長はじめ社員はどうなるのか。
パートタイマーさんたちはどうなるのか。

そんなときに、
取締役の顔ぶれだけは、
気前よく並べている。

ステークホルダーの他の一般株主は、
さらに世間はどう見るか。

伊藤雅俊さんの言葉を思い出す。
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「お客様は買ってくださらないもの。
お取引先様は売ってくださらないもの。
銀行はお金を貸してくださらないもの」

この心構えをもって商売に勤しむかぎり、
怖いものはない。
媚びる必要もない。

ただひたすら、
誰よりも「誠意」を尽くして、結果を待つ。
そして「信頼」を積み上げる。

伊藤イズムを忘れたら彼らは滞り、
これを思い出したら彼らは蘇る。

〈結城義晴〉

2023年04月17日(月曜日)

横浜ビブレに開業「ワークマン」新複合店舗の「初心忘るべからず」

Everybody! Good Monday!
[2023vol⑯]

2023年第16週。
4月第3週。

ゴールデンウィークが近づいてきた。

来週土曜日の4月29日が、
昭和の日。

昭和の天皇誕生日だった。

それから再来週の3日間が、
2023年黄金週間の本番。

5月3日(水)が憲法記念日、
4日(木)がみどりの日、
5日(金)がこどもの日。

土曜・日曜で5連休。

月曜の5月1日はメーデー。
すでに全労働組合が、
この日にデモをすることはないが、
労働者にとっては団結を確認する日だ。
だから一般の企業では、
仕事も休みになる場合が多い。

そうすると2日に休暇をとれば、
最長で9連休になる。

新型コロナウイルスの感染法上の分類は、
連休明けの5月8日から、
季節性インフルエンザと同じ5類に変わる。

それへの期待もあって、
今年のゴールデンウイークは盛り上がる。

書き入れ時だ。

このときを狙って、
チェーンストアの新店オープンや、
既存店の改装が相次ぐ。

商人舎流通SuperNews。
クリックして……
並んでいるバーのなかから、
「店舗」
を選んで、
再びクリック
すると、
ズラリと新店、改装店の事例が出てくる。

そのなかから拾うと、
ワークマンnews|
4/14複合型新フォーマット店舗を横浜ビブレに出店

横浜商人舎オフィスのすぐそば。
行ってみた。

横浜ビブレ。
IMG_23823

1978年10月6日、
横浜駅西口にオープンしたのが、
ニチイ横浜ショッピングデパート。
私は販売革新編集部員で、
新店初日に取材した。

その後、1985年4月、
マイカルはこの店を横浜ビブレへと、
業態転換した。

さらに2011年3月1日、
マイカルがイオンリテールに合併され、
2015年10月、大規模リニューアルした。
今、㈱OPAが運営する。

1階の入り口には、ナイキが入っている。
IMG_23803

その5階にワークマンがオープン。
第1が♯ワークマン女子。 IMG_23753

第2がWORKMAN Shoes。IMG_23743

新しいフォーマットをつくるときには、
収益性が安定した完成されたフォーマットを、
2つ以上結合させる。

これが第一のセオリーだ。

「Combine(コンバイン)」と呼ぶ。

コンバインさせた店を、
「コンビネーションストア」という。

その最大の成功例が、
ウォルマートのスーパーセンターだ。

ディスカウントストアと、
スーパーマーケットを、
コンバインさせて創り出した。

世界中のフード&ドラッグも、
日本の食品強化型ドラッグストアも、
コンバインの考え方で成功を収めた事例だ。

アメリカのセブン-イレブンでも、
期待の最新フォーマットは、
フードサービスとコンビニのコンバインだ。
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向こうの緑の☆のところがフードサービスである。
IMG_14419-448x336

このワークマンの新フォーマットは、
「Workman Colors」と、
ネーミングされるようだが、
大いに期待したい。

私も早速、買物をした。IMG_23783

倉本長治先生は新しい店に出会うと、
必ず何か1品でも購入して、
心の中で励ましたという。

「初心忘るべからず」と。
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私も今日、そうした。

「ワークマン・プラス」の登場は、
私の「ポジショニング戦略」を立証してくれた。
その意味で高く評価している。

次の単行本のCaseStudyのひとつになる。

今日の買物も大いに満足した。

新しい店、
初心忘るべからず。

では、みなさん、今週も、
初心忘るべからず。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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