Las Vegas。
最初の朝。
ホースシューの自室から見える景色。
今日もいい天気になりそうだ。
朝8時から10時半まで講義。
Basicコースでは毎日、
2時間半の講義をする。
事前テキストのMessageから、
はじめの言葉へ。
アメリカの小売業が大切にしているのが、
コンシューマードクトリン。
1962年のジョン・F・ケネディの言葉。
第1に、安全である権利、
第2に、知らされる権利、
第3に、選択できる権利、
第4に、意見を聞き遂げられる権利。
それから米国小売業の最新動向。
デジタル・シフトの話。
ミール・ソリューションの基本。
さらにインディペンデントカンパニーの優位性。
アメリカのデータ。
ラスベガスのチェーン別占拠率の説明。
そして初日に訪れた企業の解説。
時間はあっという間に過ぎていく。
2日目と3日目には、
7つの班に分かれて、
商品の価格とフェース数の調査を行う。
それをもとにPFグラフをつくって、
各社の戦略を分析する。
ザ・タウンスクエアの核店舗。
この商業集積は、
「ライフスタイルセンター」。
街を再現したショッピングセンターだ。
物販だけでなく、飲食店やシネマがあり、
噴水や公園などの憩いの場もある。
さらに試食と試飲も提供してくれた。
プロデュース部門では、
オーガニックオレンジの、
絞り立てジュースが供された。
次はシーフード部門。
ホールフーズはこの部門を独立させている。
これは日本と同じだが、
米国では唯一のスーパーマーケットだ。
そしてミート部門。
グラスフェッド(牧草飼育)牛の、
ブリスケットを試食させてくれた。
これも超美味。
Dairy(乳製品)部門。
ここでは説明の後に、
サンプルをいただいた。
ホールフーズはアマゾン傘下に入り、
取材アポもアマゾンの許可がなければ、
できなくなった。
しかし商人舎は毎年のように訪問していた。
それもあって許可が下りた。
そのうえ店の全部門で歓迎してくれた。
ありがたい。
店全体から歓待を受けて、
大いに満足した。
トレーダー・ジョー。
コロナ下でオンライン販売が加速した。
しかしここだけはリアル店舗販売にこだわる。
7つのカテゴリーを7班が調査する。
カテゴリーの中から、
商品を選んで、
価格と在庫、フェーシング数を調べる。
加工食品チームはアイテムが多いから、
何を、どう調べるかが焦点となる。
オーガニックスーパーマーケットは、
アメリカで定着している。
そのなかで、
オーガニック御三家ができ上がった。
ホールフーズとトレーダー・ジョー。
そして、
スプラウツファーマーズマーケット。
広大な青果部門を店の奥中央に配置し、
バルク売場をその前面に品揃えする。
トータルワインに行くと必ず、
これを確認する。
カルトワインの最高峰、
「スクリーミングイーグル」
1本1399ドルと1259ドル。
凄い。
そして再び、
ウォルマート・スーパーセンター。
調査のために2度目の2店目の訪問。
青果売場の1丁目1番地は、
ウォーターメロン。
柵で囲ったプレゼンテーションが面白い。
ウォルマートは内装を白と青に変えて、
明るくカジュアルなイメージになった。
メモリアルデーのプロモーションコーナー。
ウォルマートはこの4年間、
店舗数を減らしつつ、
9兆円の売上げ増を果たした。
オンライン販売による。
しかしリアル売場は依然以上に活性化された。
それがすごいところだ。
2日目の視察の最後は、
コストコ。
レイアウトから品揃えの考え方まで、
日本のコストコと全く変わらない。
これぞチェーンストアのお手本。
しかしアメリカのコストコを見ると、
その本質がよく理解できる。
不思議だ。
3ポンドのバナナが1.29ドル。
青いバナナは買ってからも日持ちがする。
そのバナナの長いながい陳列線。
そしてよく売れている。
全員での視察を終了し、
いったんホテルに戻る。
買物の荷物などを部屋に置いてから、
さらに希望者だけバスでイータリーへ。
ストリップ(大通り)のホテル、
パークMGMの1階に出店している。
ラスベガス店は2018年末にオープンした。
そしてパンデミックがやって来た。
市場と食堂と学校がひとつになった店。
しかしコロナ禍を抜けてから、
食堂の要素が強くなった。
市場の要素が減った。
ラスベガスの店はやや狭い。
それに観光客が圧倒的に多い。
だからレストラン機能が充実した。
イータリーを視察していると、
まったく偶然に㈱USEIの幹部と出会った。
社長の朝川康誠さん(左から2人目)と、
常務の嶋内仁さん(右から2人目)。
お二人は商人舎Webコンテンツに連載を執筆。
商人舎客員研究員だ。
朝川さんは立教大学大学院マスターで、
結城ゼミ3期生。
その隣の大津さんも立教大学院修了生。
パチンコホールのUSEIは、
定期的にラスベガスの研究をしている。
会社全体が「学ぶ組織」だ。
その一行と出くわした。
恐ろしい偶然。
何かいいことがありそうだ。
今日も1日、お疲れ様。
進化しない企業も店も、
時代に置いていかれる。
業種業態を問わない。
恐ろしいことであると同時に、
変わろうという意欲を持つ企業や店には、
大いなるチャンスが生まれる。
(つづきます)
〈結城義晴〉