アメリカにやって来て5日目。
今回はよく寝ている。
COVID-19の前は、
大抵、3時間くらいの睡眠時間で、
朝の講義とバスの中での講義、
夜の懇親と深夜のブログ執筆をやっていた。
しかし今回は夜になると、
いつの間にか眠ってしまう。
そして朝までぐっすりと眠る。
だから体調は比較的いい。
商人舎BasicコースLas Vegas。
5日目は商品調査のプレゼンテーション大会。
各班が2日間にわたって、
主要な9店舗の商品調査をした。
ウォルマートスーパーセンターから、
トレーダージョー、コストコまで。
作成したPFグラフをもとに、
各社の商品政策と価格政策を読み解いて、
発表する。
調査そのものも大事だが、
その解釈や分析が重要だ。
調査カテゴリーは7部門。
プロデュース(青果)、ミート、デアリー(乳製品)、
ベイクドグッズ、デリ、加工食品、ノンフード。
プレゼンテーション形式は自由だ。
一人が説明してもいいし、
全員がリレー形式で発表してもいい。
発表が終わると、質問タイム。
真っ先に手を上げて質問したのは、
㈱高山の日髙雄一郎さん。
ひとつのプレゼンと質疑応答が終わると、
結城義晴がまとめと評価。
調査の方法の是非、作表の間違いの訂正、
そして米国チェーンストアの戦略の違い。
ポジショニング戦略の本質。
この発表と質疑と結城の講評を順番に行う。
全粒粉の食パンを調査した。
これは調査が大変だった。
そしてF班はパワポでプレゼン。
PFグラフは各社の政策が表れたものだから、
どのカテゴリーでも企業ごとに同じ形になる。
発表の持ち時間は10分。
皆、語りたいことが多くて、
時間をオーバーする。
質問は商品内容から調査の仕方、
あるいは日本との相違点まで、
多岐にわたって投げかけられる。
プレゼンテーションのスタイルも、
独自性が求められる。
田子重から参加したのが、
学生アルバイトの杉山海哉君。
大谷翔平の兜姿で発表した。
調査内容を杉山君自身がスマホを使って、
ビジュアルに仕上げた。
6番目のD班は精肉。
初めに全員が揃って丁寧に挨拶。
これもオリジナリティあるプレゼンだ。
牛・豚・鶏の主要アイテムを調べて、
発表してくれた。
牛肉のストリップとリブアイ、
豚肉のバックスと鶏の胸肉。
調査も大変だったが、
たとえば牛肉ならプライムとチョイスに絞った。
これが良い判断だった。
最後にB班はノンフード担当。
洗濯洗剤を調べた。
これも大変だった。
発表は田子重の学生アルバイト、
望月駿磨くん。
田子重のふたりの大学生は、
とても優秀で誠実で、
実にいい味を出していた。
田子重に入社して、
活躍してくれることを願うものだ。
望月君をフォローするのは、
関西スーパーの許斐高志さん。
良い分析だった。
すべての発表が終わって休憩。
その間に私と事務局で審査をした。
優勝チームから3位までを表彰する。
意見は一致した。
ジャジャジャ~ン。
3位の銅メダルは、
ノンフードで洗剤を調査したB班。
品目も多くて、調査しにくい商品にトライした。
内容も充実していたが、
そのチャレンジ精神が良かった。
この分野はP&Gのガリバー状態に、
各社のプライベートブランドが挑戦している。
そのなかでもSDGs対応アイテムが増えていた。
3位の賞品は、
トレーダー・ジョーのサンケア商品。
人気のアイテムだ。
2位は、
ミートカテゴリーを調べたD班。
各社の商品政策だけでなく、
日米の消費の違いも発表してくれた。
分析の際には日本のロピアの品揃えを加えて、
それを比較した。
D班のメンバーに、
ロピアの精肉チーフが入っていたから、
こんなことも可能になった。
2位の賞品はトレーダー・ジョーのPB。
日焼け止めスプレーとスキンクリーム。
これもロングセラーの人気商品。
進行役は亀谷しづえ。
商人舎ゼネラルマネジャー。
じゃじゃじゃ~ん!!
第1位はベイクドグッズのF班。
パワポで作成したPFグラフは、
アニメーション機能で1社ごとに示された。
最終的にすべての企業をまとめ上げ、
実に見やすく仕上げた。
そのプレゼンテーションがすばらしかった。
さらにモーニングブレッドという、
ベイクドグッズの本命商品に挑戦した。
ウォルマートの政策、
コストコの戦略、
スミスとボンズの違い、
トレーダー・ジョーとホールフーズの差異。
良く表現されていた。
1本指を立てて笑顔の表情。
賞品はキッズ用の首枕。
動物の形をしている。
日本人の大人も使えるサイズだが、
もちろんお土産にもなる。
そして最後に、
理解度テストの優秀者を発表。
4日目の朝に、理解度テストを実施した。
昨夜、事務局が回答を精査して、
優秀者が決定した。
㈱マツモトから4名、
㈱関西スーパーマーケットから2名、
そしてレンゴー㈱から1名。
計7名が表彰された。
そのうち3人は100点満点だった。
賞品は月刊『商人舎』の年間購読。
一人ひとりに申し込み用紙を手渡す。
さらに精進してほしい。
7名の優秀者と記念写真。
表彰式のあとは、
結城義晴の総括講義。
事前テキストとメインテキスト。
371ページをほぼ完全に説明する。
プライス・フェーシンググラフは、
ストアコンパリゾンだけではなく、
自社の店舗の状態を分析するときにも、
大いに活用できる。
初めにその際の注意点を講義した。
それからプライベートブランドの知識、
オーガニックの日本の問題点などなど。
まだまだ話したいこと、伝いたいことが、
山ほどあるけれど、
きっかり11時45分に終わらせた。
すべての講義を終えて最後に、
JTBの佐藤公彦さんが
翌日の帰国に際しての注意事項を説明。
無事、全体研修が終わって、
団長の松本隆文さんと、握手。
「こんなに練り込まれたセミナーは、
ほかにないんとちゃいますか」
松本さんはそう評価してくださった。
ありがとうございます。
12時からは自由研修になる。
観光するもよし。
店舗視察もよし。
カジノで遊ぶもよし。
ショーを楽しむもよし。
アメリカンディナーを満喫するもよし。
全員が残りの16時間を楽しんだ。
気がつくと日本では母の日だった。
(つづきます)
〈結城義晴〉