5月20日の土曜日。
予定は皆無。
10時過ぎまで寝て、
ブランチを食べて、
昼すぎまで書き物をして、
それからソファに横になったら、
夕方の7時くらいまで、
うとうとと眠った。
溜まっていた疲れが、
少しずつ癒された。
もう、あまり、
無理はできなくなってきた。
亡くなった西端春枝先生から、
ずっと言われていた。
「無理はええけど、
無茶はあかん」
けれど、だんだん、
無理もきかなくなってきた。
そう、50、60までは、
無理もいいのかもしれない。
しかし彫刻家の平櫛田中。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ。
びんぼうごくらく、
ながいきするよ」
と言いながら、
100歳を超えても現役で、
創作を続けた。
平櫛田中(ひらぐし・でんちゅう)は、
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没。
107歳まで生きた。
そして言った。
「60、70は鼻たれ小僧」
やっぱり、
少しは無理もしなければ。
ただし今日のように、
休むときには休もう。
広島サミットが開催される。
朝日新聞「天声人語」
久しぶりにいい。
「あの原爆はいったい、
どこに落ちたのだろうか――」
それを忘れてはいけない。
雨空の広島。
G7各国の首脳たちがそろって
平和記念資料館に訪れた。
歴史的なことだった。
しかし、
「原爆はどこに落ちたのか。」
「それは日本に落とされた」
「過ちに満ちた苦難と惨禍を経て、
78年前、もう二度と戦争はごめんだと
誰もが思った」
「その国でいま、
安全保障政策の大転換が進む」
「原爆はどこに落ちたのか。」
「それはアジアに落ちたとも言える」
「ところが、隣国を見渡すとき、
そうした認識の共有は残念ながら見えない。
北朝鮮の危うい挑発はやまない。
中国は急速な軍拡を進めている」
「原爆はどこに落ちたのか。」
「それは世界に、
この地球に落ちたのだ。」
コラム。
「いま聞こえてくるのは
ロシアによる露骨な核の脅しである。
核を持つ国々はいずれも、
何ら軍縮に踏み込めていない」
そして、言う。
「バイデン米大統領もオバマ氏と同じく
“核のボタン”を広島に持ち込んだのだろう。
現実は重く、厳しい」
「”核なき世界”は必ずや実現する。
現実を直視しつつも、理想を掲げ続けたい」
同感だ。
「きのう慰霊碑の前で黙祷した首脳たちは、
しかと心に刻んだろうか」
私は思う。
原爆は、ヒロシマに落とされた。
それは、中国地方に落とされた。
それは、ニッポンに落とされた。
原爆はアジアに落とされた。
原爆は世界に落とされた。
私たちはそれを主張しよう。
そして岸田文雄総理大臣にも、
そのことを世界に訴えてほしいものだと思う。
土岐善麿(ぜんまろ)の歌。
明治から昭和の歌人。
遺棄死体
数百といひ数千といふ
いのちをふたつ
もちしものなし
〈結城義晴〉