昨日、大阪に入って、
定宿のシェラトン都ホテル大阪。
朝食は2階の日本食うえまち。
この朝定食には板前さんの気合がこもっている。
絶対に手を抜かない。
この朝ご飯をいただくために、
このホテルを定宿にしている。
ゆっくりと食事をして、
東大阪市の渋川に向かう。
隣接する2階建ての会議棟が、
万代知識商人大学の、いわば校舎だ。
2015年に始まったこの企業内大学も、
第8期となる。
延べ240人ほどの修了生を輩出。
幹部候補生を養成する。
だから万代の取締役会が、
総出で講師を務めてくれる。
今期も修了生から2人の取締役が誕生した。
和久正樹さんと吉田秀史さん。
今日は第8期の第2講。
ヒューマンリソースマネジメント。
1階の大ホールには、
店長やバイヤー、チーフなど、
選抜された30名が集う。
午前中は結城義晴の3講座。
初めに人間力の経営。
心の力、頭の力、技の力。
その掛け算の力。
ヒューマンリソースの本質を、
万代向けに結城義晴流に組み立てる。
最初に人材マネジメントの3段階。
ホップ・ステップ・ジャンプ。
現代は、
Strategic Human Resource Managementの時代だ。
戦略的な人的資源経営である。
そしてマネジメント理論の歴史。
重要だけれど難しいことを学ぶとき、
歴史から入るのがいい。
歴史には面白いことが盛り込まれていて、
その変遷を知ることによって、
そのテーマの今日的な問題点が浮かび上がる。
マネジメントの理論以前は、
勘と経験、気合と根性の時代だった。
そこにアダム・スミスの分業論が登場する。
それからフレデリック・テーラーの科学的管理法、
さらにヘンリー・フォードのフォーディズム。
そのなかで、「3S」の概念が生まれる。
単純化・専門化・標準化である。
1908年にヘンリー・フォードは、
オートメーションシステムを考案して、
T型フォードを量産した。
そのフォード一世は、
牛肉の解体処理工場の流れ作業を見て、
オートメーションラインを開発した。
牛肉の解体処理の工程を、
身振り手振りで説明する。
私は26歳のときに、
アメリカに2週間滞在して、
バーチカルに牛肉産業を学んだ。
フィードロットから解体処理のパッカー、
そしてスーパーマーケットとレストラン、
家庭にまで入り込んで、
最後の消費局面を体験した。
パッカーのカッティングセミナーでは、
自分の手で枝肉を卸した。
フォーディズムのあとは、
アンリ・ファヨールの管理過程論。
それが現代のMTP理論につながる。
しかしファヨール後に、
人間関係論や行動科学が登場して、
ヒューマンリソースの観点から、
経営管理は大きく現代化していく。
そしてドラッカーとミンツバーグが、
その到達点なる。
しかし日本のマネジメント教育は、
古典的規範論とも言われる、
ファヨールを踏襲したものだ。
そこに問題がある。
ドラッカーもミンツバーグも、
ハーバート・サイモンも、
厳しく批判している。
安易に陥りがちなマネジメント、
日本のチェーンストア理論のマネジメント。
それを改めるために、
こういった歴史を紐解く。
その上でドラッカーのマネジメント論を、
「使う観点」から解説していく。
午前中の最後は、
「責任の組織化」である。
事例を交えながら、
ここまで一気に講義した。
昼食後は、
河野竜一取締役人事担当の講義。
「労務管理の基本」。
労務管理の義務と責任、
労働安全衛生、労災問題について、
豊富な事例を提示しつつ講義してくれた。
河野さんの講義は、
論理的で丁寧でわかりやすい。
商人舎のミドルマネジメント研修会に、
ゲスト講師として迎えたいほどだ。
8期生の平均年齢は37歳である。
全員がミドルマネジメントだ。
労務管理の大切さを実感したのだと思う。
河野さんの講義は毎年、進化している。
それが何よりいい。
ありがとうございました。
夕方は再び、結城義晴の2時間講義。
ドラッカーの「自己管理による目標管理」から、
コミュニケーションとリーダーシップまで。
私の講義は「ドラッカーの使い方」である。
さらにリーダーシップでは、
デール・カーネギー、
ジョン・マックスウェルなどなど。
一番わかりやすいところを説明する。
ブランチャードは、
リーダーシップのスタイルを4つに分類した。
指示型、コーチ型、援助型、委任型。
自分自身はどのタイプか。
手を挙げてもらった。
圧倒的に多かったのは、
コーチ型と援助型だった。
しかしブランチャードの4スタイルを学んで、
部下の成長段階に合わせて適用すると、
より良いリーダーシップが発揮できる。
最後は、ドラッカーの2つの実践法。
「時間管理」と「フィードバック分析」。
いずれも世界的に有名な方法だ。
この講義の中で、
月刊商人舎2018年2月号を紹介した。
サミットストア王子桜田通り店の、
君和田貴信店長の物語。
第8期生諸君は、
この記事を読んでほしい。
「君和田店長は1時間を
20分単位に区切って行動する。
00分から20分間は売場チェック、
20分から40分までは
チェックした後の指示業務、
40分から00分までは店長としての
事務作業やミーティングの資料づくりに充てる。
それを1日繰り返す」
1時間を3つに割って行動する。
ここがいい。
ヒューマンリソースマネジメントの講義は、
5時半にすべての講義を終了。
講義を終日聴講してくれた和久正樹さんが、
取締役店舗運営部部長として、
取りまとめの講話をしてくれた。
現場に即した厳しい指摘があった。
すべての店舗運営をより良くしたいという、
意気込みが溢れていた。
阿部さんはいつも社員に対して、
わかりやすい言葉遣いで、
万代イズムを語る。
それはもうアベイズムとなっている。
人間産業のスーパーマーケットの中で、
万代は圧倒的な人間企業である。
3人で腕を組んでポーズ。
万代知識商人大学第8期第2講。
私は5時間、熱を入れて講義した。
疲れ切ったが、心地良い。
ありがとう。
〈結城義晴〉