結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年05月24日(水曜日)

結城義晴の新刊本キックオフと[万代渋川店]の定点観測

早起きして、
連載の原稿を書いた。
ゆっくりと眠った後の朝の時間の執筆は、
実に快適に進む。

午前中は10時から、
㈱True Dataのオンライン取締役会。

着々と新しいビジネスをつくっていて、
事業は好調に進捗している。

ゼブラ企業を目指して、
社会貢献と利益とを両立させる。

両利きの経営であるし、
トレードオンである。

昼過ぎに終わって、
横浜商人舎オフィスに出社。

午後2時に二宮護さん、来社。

もう50年の付き合いになる。
学生時代の後輩で、
フリーの編集者。

奇しくも誕生日が同じで、
一つ年下。
心から信頼できる人物だ。

学生時代には一緒にバンドを組んだ。
2011年12月には、
「ふたりのビッグショー」で共演した。

日本実業出版に入って編集長となり、
プロの編集者になった。

私の単行本は、
何冊も編集してくれている。

今日は二つの仕事をお願いした。
その一つが私の新しい単行本だ。

9月初旬の発刊だ。

いよいよ始まった。
2カ月余りの時間をかけて執筆し、
1カ月で編集、印刷する。

ご期待ください。
結城義晴のライフワークの一つとなる本です。

打ち合わせが終わってからも、
昔の仲間のことを話し合った。

定年退職した後、
行政書士の資格をとって開業した先輩。
すごい。

市会議員になった先輩は、
プロのミュージシャンだった。

みんな元気で、
亡くなった人はいない。

ありがたいことだ。

二宮さんと私はいまだ現役。
できる限り、続けたいものだ。

さて、昨日の万代知識商人大学。
講義の日のランチは、
本部の下の「渋川店」を定点観測する。
そしてお弁当や惣菜を購入して、
それを食べる。

万代カレッジの私の楽しみの一つ。

その万代渋川店。
旗艦店のひとつ。
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農産部門の一丁目一番地。IMG_41282

この大玉の新玉ねぎが凄い。
1玉38円、3玉98円。
来店客はほとんどが買っていた。
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商人舎の亀谷しづえGMは、
わざわざ購入して持ち帰った。

レタスも瑞々しい大玉。
良い商品だ。
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葉物売場も鮮度感にあふれている。IMG_41303

トマトの平台。IMG_41313

水産部門が万代の核部門だ。
縮小トレンドの分野で強みを発揮する。
それが模倣困難性となる。IMG_41323

コーナーではいつもお買い得品が提供される。IMG_41233

平台ではザル盛り。IMG_41223

旬のスルメイカ。
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6月1日は恒例の「大創業祭」だ。
朝8時から開催される。IMG_41333

店舗奥主通路の中央に惣菜売場がある。IMG_41343

昼時の売場には、
魅力的なアイテムがずらりと並ぶ。
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見ているだけで食欲がわいてくる。IMG_41363

私はこの「自慢の焼肉重」を買った。IMG_41183

8期生には全員に、
この唐揚げ弁当が配られた。
ボリューム感満点だ。

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「たまてばこ」弁当も楽しい。IMG_41203

精肉売場には「よろず牛」が並ぶ。
万代の「万」にかけたネーミングの独自ブランド。IMG_41373

店舗左翼が日配品売場。IMG_41393

最後のコーナーが平台のパン売場。
いつもインパクトのある企画が行われている。
今日は「大均一祭」で108円のパンが並ぶ。
関西随一の売上げをつくる。IMG_41403

そしてこの渋川店から、
セルフレジが実験導入された。IMG_41423

万代渋川店は必ず進化している。
商品も売り方もサービスも、
そして人も。

進化を止めないこと。
ゴーイング・コンサーン。

小売業やチェーンストア、
スーパーマーケットにとって、
何よりも大切なことは、
「日々進化」である。

そのためには、
現場の緊張感が欠かせない。

楽しい売場でいつも新しい。
そのうえで緊張感が保たれている。

顧客はそんな店を支持する。
「日々進化」の店。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2023年05月23日(火曜日)

万代知識商人大学第8期ヒューマンリソースマネジメント講義

昨日、大阪に入って、
定宿のシェラトン都ホテル大阪。

朝食は2階の日本食うえまち。
この朝定食には板前さんの気合がこもっている。
絶対に手を抜かない。
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この朝ご飯をいただくために、
このホテルを定宿にしている。

ゆっくりと食事をして、
東大阪市の渋川に向かう。

㈱万代本社。
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隣接する2階建ての会議棟が、
万代知識商人大学の、いわば校舎だ。
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2015年に始まったこの企業内大学も、
第8期となる。

延べ240人ほどの修了生を輩出。
幹部候補生を養成する。

だから万代の取締役会が、
総出で講師を務めてくれる。

今期も修了生から2人の取締役が誕生した。
和久正樹さんと吉田秀史さん。

今日は第8期の第2講。
ヒューマンリソースマネジメント。

1階の大ホールには、
店長やバイヤー、チーフなど、
選抜された30名が集う。
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午前中は結城義晴の3講座。IMG_49433
初めに人間力の経営。
心の力、頭の力、技の力。
その掛け算の力。

ヒューマンリソースの本質を、
万代向けに結城義晴流に組み立てる。

最初に人材マネジメントの3段階。
ホップ・ステップ・ジャンプ。

現代は、
Strategic Human Resource Managementの時代だ。
戦略的な人的資源経営である。

そしてマネジメント理論の歴史。

重要だけれど難しいことを学ぶとき、
歴史から入るのがいい。

歴史には面白いことが盛り込まれていて、
その変遷を知ることによって、
そのテーマの今日的な問題点が浮かび上がる。

マネジメントの理論以前は、
勘と経験、気合と根性の時代だった。

そこにアダム・スミスの分業論が登場する。
それからフレデリック・テーラーの科学的管理法、
さらにヘンリー・フォードのフォーディズム。
そのなかで、「3S」の概念が生まれる。
単純化・専門化・標準化である。
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1908年にヘンリー・フォードは、
オートメーションシステムを考案して、
T型フォードを量産した。

そのフォード一世は、
牛肉の解体処理工場の流れ作業を見て、
オートメーションラインを開発した。

牛肉の解体処理の工程を、
身振り手振りで説明する。

私は26歳のときに、
アメリカに2週間滞在して、
バーチカルに牛肉産業を学んだ。

フィードロットから解体処理のパッカー、
そしてスーパーマーケットとレストラン、
家庭にまで入り込んで、
最後の消費局面を体験した。

パッカーのカッティングセミナーでは、
自分の手で枝肉を卸した。

それと同じ工程をフォードが見ていた。
感慨深い。
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フォーディズムのあとは、
アンリ・ファヨールの管理過程論。
それが現代のMTP理論につながる。

しかしファヨール後に、
人間関係論や行動科学が登場して、
ヒューマンリソースの観点から、
経営管理は大きく現代化していく。

そしてドラッカーとミンツバーグが、
その到達点なる。

しかし日本のマネジメント教育は、
古典的規範論とも言われる、
ファヨールを踏襲したものだ。

そこに問題がある。

ドラッカーもミンツバーグも、
ハーバート・サイモンも、
厳しく批判している。

安易に陥りがちなマネジメント、
日本のチェーンストア理論のマネジメント。
それを改めるために、
こういった歴史を紐解く。

その上でドラッカーのマネジメント論を、
「使う観点」から解説していく。

午前中の最後は、
「責任の組織化」である。

事例を交えながら、
ここまで一気に講義した。IMG_49563

昼食後は、
河野竜一取締役人事担当の講義。
「労務管理の基本」。IMG_49603

労務管理の義務と責任、
労働安全衛生、労災問題について、
豊富な事例を提示しつつ講義してくれた。

河野さんの講義は、
論理的で丁寧でわかりやすい。

商人舎のミドルマネジメント研修会に、
ゲスト講師として迎えたいほどだ。IMG_49643

8期生の平均年齢は37歳である。
全員がミドルマネジメントだ。
労務管理の大切さを実感したのだと思う。IMG_49673

河野さんの講義は毎年、進化している。
それが何よりいい。
ありがとうございました。IMG_49693

夕方は再び、結城義晴の2時間講義。
ドラッカーの「自己管理による目標管理」から、
コミュニケーションとリーダーシップまで。
私の講義は「ドラッカーの使い方」である。IMG_49423

さらにリーダーシップでは、
デール・カーネギー、
ジョン・マックスウェルなどなど。
一番わかりやすいところを説明する。

最後はケン・ブランチャード。
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ブランチャードは、
リーダーシップのスタイルを4つに分類した。
指示型、コーチ型、援助型、委任型。
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自分自身はどのタイプか。
手を挙げてもらった。
圧倒的に多かったのは、
コーチ型と援助型だった。
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しかしブランチャードの4スタイルを学んで、
部下の成長段階に合わせて適用すると、
より良いリーダーシップが発揮できる。

最後は、ドラッカーの2つの実践法。
「時間管理」と「フィードバック分析」。

いずれも世界的に有名な方法だ。

この講義の中で、
月刊商人舎2018年2月号を紹介した。
サミットストア王子桜田通り店の、
君和田貴信店長の物語。
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第8期生諸君は、
この記事を読んでほしい。

「君和田店長は1時間を
20分単位に区切って行動する。
00分から20分間は売場チェック、
20分から40分までは
チェックした後の指示業務、
40分から00分までは店長としての
事務作業やミーティングの資料づくりに充てる。
それを1日繰り返す」

1時間を3つに割って行動する。
ここがいい。

ヒューマンリソースマネジメントの講義は、
5時半にすべての講義を終了。

講義を終日聴講してくれた和久正樹さんが、
取締役店舗運営部部長として、
取りまとめの講話をしてくれた。
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現場に即した厳しい指摘があった。
すべての店舗運営をより良くしたいという、
意気込みが溢れていた。
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最後の最後は阿部秀行社長の講和。IMG_50023

阿部さんはいつも社員に対して、
わかりやすい言葉遣いで、
万代イズムを語る。

それはもうアベイズムとなっている。

人間産業のスーパーマーケットの中で、
万代は圧倒的な人間企業である。IMG_49973

3人で腕を組んでポーズ。IMG_50073
万代知識商人大学第8期第2講。

私は5時間、熱を入れて講義した。
疲れ切ったが、心地良い。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2023年05月22日(月曜日)

広島サミット後の世界の「小売りサービス業が日本を救う」

Everybody! Good Monday!
[2023vol㉑]

2023年第21週。
5月第4週。

アメリカから帰国して、
1週間が過ぎた。

ご覧の商人舎公式ホームページで、
結城義晴のブログ[毎日更新宣言]のタイトルの、
右下にあるボタンが、
「1週間分をまとめて読む」です。
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ここを押すと、それこそ、
1週間のブログが新しい順に出てきて、
振り返ることができる。

便利です。

G7広島サミットが閉幕した。

ウクライナへの武器支援は、
すぐにでも行われて、
これは成果を上げた。

しかし様々な問題には、
すぐに手が打たれるのだろうか。

日経新聞巻頭コラム「春秋」

「リーダーたちが広島で直に
犠牲者を悼んだ光景が、
世界の記憶に残るのも確かだ。
核廃絶への新たな起点としたい」

「きょうから”広島サミット後”の世界だ。
岸田首相がギアをあげるのを見たい」

そのギアが、
衆議院解散選挙であるとしたら、
それは本末転倒だ。

世界中の人々の意識は、
核廃絶に向けて進んでいくのだろうか。

「広島市民」の考え方を、
共有できるのだろうか。

小売業やサービス業は、
核兵器のない社会でこそ、
その機能を存分に発揮することができる。

15年前、
商人舎発足の会の記念講演で、
私は訴えた。
「小売りサービス業が日本を救う」

今も、その考えに変わりはない。

心から平和を祈念するものだ。
そしてそのことに貢献したいと思う。

今日は商人舎オフィスに出て、
ランチのあと新横浜へ。

新幹線に乗って西へ向かう。

残念ながら富士山を見ることなく、
富士川を渡る。
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しばらくすると浜名湖。IMG_40953

名古屋を超えて関ヶ原を過ぎると伊吹山。

一度、登ってみたいと思った。IMG_40963

新大阪に着いて、
定宿のシェラトン都ホテル大阪へ。
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外国人顧客が増えている。
これに中国人の団体が加わったら、
いったいどうなるのだろうか。

ホテルに隣接した近鉄百貨店の「美濃吉」。
創業300年、この店は開業20周年。

㈱万代のトップの皆さんと交流。
万代知識商人大学の前夜食事会。IMG_49283

美濃吉のコースのはじめは、
兜の器と菖蒲の葉。IMG_49263
存分に懐石を楽しんで、
適度に焼酎を飲んだ。

アメリカ流通業の大きな変化、
日本のスーパーマーケットの経営、
新しいプライベートブランドの開発、
経営における人事の重要性、などなど、
多岐にわたる話し合い。

楽しいことこの上ないし、
私もとても勉強になる。

互いに信頼し合っているから、
話題はどんどん深まっていく。

いずれまた「万代スタディ第2弾」を、
つくろうかという話も出た。
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阿部秀行社長と両取締役。
和久正樹さんと河野竜一さん。IMG_49323

和久さんは今期から、
取締役に昇格して店舗運営担当。

万代知識商人大学8期には、
ずっと参加して講義もしてくれる。

よろしくお願いします。

最後の最後はいつものように、
阿部さんとツーショット。IMG_49353
明日は万代知識商人大学の講義。
「ヒューマンリソースマネジメント」

私が5時間講義し、
河野さんが2時間半語る。
そして和久さんと阿部さんが講和してくれる。

私の今年のタイトルは、
「人間力による経営」

人間力経営とは、
心の力、頭の力、技の力の、
三つの力の「掛け算の力」である。

いまから力がこみあげてくる。

では、みなさん、今週も、
日本を救おう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年05月21日(日曜日)

ゼレンスキーの「平和は今日、さらに近づく」

「平和は今日、さらに近づく」
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領。

フランス空軍の政府首脳専用機で、
サウジアラビアから日本に到着。
エアバスA330-200型。

アラブ連盟の首脳会議に出席したあと、
5月19日、極秘にフランス機に乗り込んだ。

日本到着後、広島市内へ向かうBMWの中で、
ツイッターでつぶやいた。
日本到着後の第一声。
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ウクライナの平和への一歩に、
日本で行われているサミットが貢献する。

G7広島サミットが終了して、
岸田文雄総理が議長国記者会見を行った。
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そのスピーチから。

「今日こうして、人類の生存を信じ、
平和を希求し、広島に集う、
各国のリーダーたち、世界のメディア、
明日を担う若者や子供たち、
そして先の大戦を知る皆さん、
我々は皆、”広島の市民”です」

「世界80億の民が全員、
そうして”広島の市民”となった時、
この地球上から、
核兵器はなくなるでしょう。
私はそれを信じています」

この「広島の市民」という表現は、
とてもよかった。

「長崎の市民」でもあってほしい。

「夢想と理想は違います。
理想には手が届くのです。
我々の子供たち、孫たち、子孫たちが、
核兵器のない地球に暮らす理想に向かって、
ここ広島から、今日から、
一人一人が広島の市民として、一歩一歩、
現実的な歩みを進めていきましょう」

そう、一人一人、一歩一歩。

「1945年8月6日午前8時15分。
77年と9カ月の月日を経て、
我々G7の首脳はこの地に集いました」

「時を隔てた広島の声と祈りを
我々は今、共に聴いています。
力による現状変更のための核兵器による威嚇
ましてやその使用はあってはなりません」

「”核兵器を使わない、核兵器で脅さない”
人類の生存に関わるこの根源的な命題を、
我々は今こそ問わなければなりません」

核兵器を使わない。
核兵器で脅さない。

そのとおり、まさに正論。
しかし正論は言葉で終わることが多い。

2021年1月22日、
核兵器禁止条約が発効した。
核兵器の開発、保有、使用を全面禁止する、
初の国際法規である。

世界の50カ国・地域が批准した。

しかしアメリカ、イギリス、フランス、
そして中国、ロシアの国連常任理事国、
そして核保有五大国は参加していない。

日本も韓国も、
アメリカの核の傘の下にあるという理由で、
参加していない。

中国や北朝鮮との緊張関係は増しているから、
当面、参加することは考えられない。

しかし、
核兵器を使わない。
核兵器で脅さない。

この岸田発言は、
核兵器禁止条約への一歩となる。

それは夢想ではない。
理想には手が届くのだから。

口先だけのものとしてはいけない。
ビジョンで終わらせてはいけない。
行動が伴わなければならない。

それが東京・渋谷生れながら、
広島出身の家系で、
広島を選挙区とする岸田文雄の責務だ。

平和は今日、さらに近づいたのだから。

〈結城義晴〉

追伸。
小売業は平和産業です。
岡田卓也さんのコンセプトに、
私も同感するものです。
核兵器とは正反対のところに位置する。
だから私たちは、
核と平和に敏感でなければならないと思います。

2023年05月20日(土曜日)

原爆はヒロシマに、日本に、アジアに、世界に、落とされた。

5月20日の土曜日。
予定は皆無。

10時過ぎまで寝て、
ブランチを食べて、
昼すぎまで書き物をして、
それからソファに横になったら、
夕方の7時くらいまで、
うとうとと眠った。

溜まっていた疲れが、
少しずつ癒された。

もう、あまり、
無理はできなくなってきた。

亡くなった西端春枝先生から、
ずっと言われていた。
「無理はええけど、
無茶はあかん」

けれど、だんだん、
無理もきかなくなってきた。

そう、50、60までは、
無理もいいのかもしれない。

しかし彫刻家の平櫛田中。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ。
びんぼうごくらく、
ながいきするよ」
と言いながら、
100歳を超えても現役で、
創作を続けた。
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平櫛田中(ひらぐし・でんちゅう)は、
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没。

107歳まで生きた。

そして言った。
「60、70は鼻たれ小僧」

やっぱり、
少しは無理もしなければ。

ただし今日のように、
休むときには休もう。

広島サミットが開催される。

朝日新聞「天声人語」
久しぶりにいい。

「あの原爆はいったい、
どこに落ちたのだろうか――」

それを忘れてはいけない。

雨空の広島。
G7各国の首脳たちがそろって
平和記念資料館に訪れた。
歴史的なことだった。
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しかし、
「原爆はどこに落ちたのか。」

「それは日本に落とされた」

「過ちに満ちた苦難と惨禍を経て、
78年前、もう二度と戦争はごめんだと
誰もが思った」

「その国でいま、
安全保障政策の大転換が進む」

「原爆はどこに落ちたのか。」

「それはアジアに落ちたとも言える」

「ところが、隣国を見渡すとき、
そうした認識の共有は残念ながら見えない。
北朝鮮の危うい挑発はやまない。
中国は急速な軍拡を進めている」

「原爆はどこに落ちたのか。」

「それは世界に、
この地球に落ちたのだ。」

コラム。
「いま聞こえてくるのは
ロシアによる露骨な核の脅しである。
核を持つ国々はいずれも、
何ら軍縮に踏み込めていない」

そして、言う。
「バイデン米大統領もオバマ氏と同じく
“核のボタン”を広島に持ち込んだのだろう。
現実は重く、厳しい」

「”核なき世界”は必ずや実現する。
現実を直視しつつも、理想を掲げ続けたい」

同感だ。

「きのう慰霊碑の前で黙祷した首脳たちは、
しかと心に刻んだろうか」

私は思う。

原爆は、ヒロシマに落とされた。
それは、中国地方に落とされた。
それは、ニッポンに落とされた。

原爆はアジアに落とされた。
原爆は世界に落とされた。

私たちはそれを主張しよう。

そして岸田文雄総理大臣にも、
そのことを世界に訴えてほしいものだと思う。

土岐善麿(ぜんまろ)の歌。
明治から昭和の歌人。

遺棄死体
数百といひ数千といふ

いのちをふたつ
もちしものなし

〈結城義晴〉

2023年05月19日(金曜日)

血液検査の「雨に唄えば」と北海道物流研究会の「全体最適」

渡米中に「セルコレポート」が届いていた。IMG_40383
表紙には佐伯行彦さんが出ていた。
セルコチェーン理事・相談役で、
㈱さえきセルバホールディングス社長。

特別対談のお相手は、
㈱ハローズ社長の佐藤利行さん。

私の連載は「艱難は商人を鍛える」IMG_E40413

夕方、東京駅へ。
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レンゴー㈱の縄田幸男さんにばったり会った。
デザイン・マーケティングセンター開発本部副本部長。

雨が降っているけれど、
雨の東京駅も趣きがある。IMG_40453

丸の内の歩道が濡れている。IMG_40563

5月の木々は妙に雨に映える。IMG_40593

生き生きとしている。
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歩いて大手町プレイスビル。
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大手町プレイス内科で、
いつもの検査と診察。
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ヘモグロビンA1cの数値が、
劇的に改善された。

ありがたい。

田嶼尚子先生のおかげだ。
言いつけを良く守り、
処方していただいた薬を、
渡米中も時間通りに飲んだ。

よく歩いた。
ゴルフもした。

成果が上がって、私は「雨に唄えば」。
I’m singing in the rain
Just singing in the rain
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What a glorious feelin’
I’m happy again
(写真がひっくり返っているのは、踊ってる感じを出すためです)
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さて商人舎流通SuperNews。
北海道物流研究会news|
イオン北海道、西友、トライアル、ラッキー等14社始動

北海道物流研究会が、
5月18日(木)に発足。

まず4社が賛同した。
イオン北海道㈱、北雄ラッキー㈱、
㈱西友、㈱トライアルホールディングス。

関東では3月6日にすでに、
「首都圏SM物流研究会」が発足した。
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月刊商人舎4月号で、
丁寧に特別企画として記事にした。

食品物流「全体最適」へ
世のため・人のため・社会のために「協調」する。
202304_butsuryu
同じことを北海道で始める。

物流に関する問題解決を、
企業横断型で検討する。

実にいい。

賛同企業は14社だが、
いまのところ4社だけ公表されている。

具体的政策として掲げられているのは、
①共同物流の実施に向けた
協議、実験取組み
②実験後に順次実験会社数を増やし、
本格稼働につなげる
③最終的に北海道全域での展開
視野に入れる。

文面だけ見るとこちらは、
「共同物流」の「本格的」な、
「北海道全域」での「展開」を目指すらしい。

どうも、そのあたりがキナ臭い気もする。

首都圏では、
日本スーパーマーケット協会が主催していた。
北海道はどこが主体となっているのだろうか。

だからなのだろうか。

肝心の㈱アークスの名が挙がっていない。

コープさっぽろはどう動くのだろうか。

北海道は三つ巴の闘いで、
シェア獲得競争をしている。

アークスとイオン北海道とコープさっぽろ。
いずれも年商3000億円を超えて、
3500億円のスケールを視野に入れる。

イオン北海道は168店。
2023年2月期売上高が3173億円、
営業利益83億4700万円。

アークスの北海道での展開は、
㈱ラルズ、㈱福原、㈱東光ストアと、
㈱道北アークス、㈱道南ラルズ、㈱道東アークス。
店舗数は約220店、年商は約3200億円。

コープさっぽろは、
2022年3月期事業高3097億円。
108店舗、41センター10デポを擁する。

北雄ラッキーは377億円で33店舗。

北海道のトライアルは26店舗で、
西友は9店舗。

これらがすべて参加すれば、
凄いスケールになる。

首都圏SM物流研究会に対して、
商人舎誌上では「結城義晴の述懐」を書いた。
タイトルは、
2兆円の「全体最適」の意義

北海道ならば、
1兆2500億円の「全体最適」となる。

今のところよくはわからないが、
そう遠くないところの視野は、
このスケールだろう。

ただし「共同物流」を前面に出すことができるか。

サプライチェーン全体の問題である。
競争は店頭で、
物流は共同で。

北海道は論理的思考をするトップが多いから、
最後には合理的な決断が下されるに違いない。

その方向に進むことを願うばかりだ。

〈結城義晴〉

2023年05月18日(木曜日)

西鉄の怪童・中西太の「何苦楚」と白幡小児童会の「チャレンジ」

訃報です。

中西太(なかにし・ふとし)。

旧西鉄ライオンズの不動の4番、サード。
背番号6。

90歳の卒寿を迎えたばかりだった。
自分でも満足した人生だっただろう。
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1952年、香川県の高松第一高校から、
西鉄ライオンズに入団。
私が福岡県の早良で生まれた年だった。

走攻守3拍子そろった逸材で、
「怪童中西」と呼ばれた。

高卒の新人が、
開幕戦からスタメンで出場。

このルーキーイヤーに、
中西はレギュラーに定着し、
新人王を獲得する。

身長172センチと小柄で小太りだったが、
俊敏でリストが強く、
無類の長打を誇った。

プロ2年目の1953年には、
本拠地だった平和台球場で、
バックスクリーンを越えた特大本塁打を放った。
推定飛距離160m。

「伝説」をつくった。

2年目には四番に座って、
打率3割1分4厘、本塁打36本、盗塁36。
今で言う「トリプルスリー」を達成した。
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もちろんその新人時代を私は知らない。
しかし周りの大人たちは、
中西太に熱狂していた。

しかもライオンズが強かったから、
九州人気質で熱烈な応援をした。

子供ながらに、
その九州人気質に影響されて育っていった。

ライオンズはその後、
鉄腕稲尾和久、策士豊田泰光、
仰木彬、大下弘、関口清治、高倉照幸ら、
個性的な強者たちがずらりと揃った。
監督は“知将”三原脩。

博多を本拠地にしたパリーグの“野武士軍団”は、
1956年から3年連続日本一を獲得。
私も少しずつわかり始めていた。

人気のセリーグで、
東京に本拠を置く巨人軍は、
水原茂監督が率いていた。

三原とは因縁の間柄。

それを破って日本一を達成すると、
九州は燃えた。

私はこの西鉄と中西から、
反骨精神を授けられた。

私にとって、
西鉄と中西はその反骨の象徴である。

だから草野球をやったときにも、
私の背番号はいつも中西の6番だった。

圧倒的な存在感で、
弱冠29歳でライオンズの監督を兼任。

1963年にはパリーグ優勝を果たした。
私は横浜に引越していて、
テレビで応援した。

中西は引退してからも、
日本ハムと阪神監督を務めた。

近鉄とオリックスでは、
西鉄時代の後輩仰木彬監督を、
コーチとして支えて、
リーグ優勝と日本一を達成した。

指導者としても優れていて、
バッティング理論では随一だった。
ヤクルトの若松勉、
オリックスのイチローなど、
特徴的な名選手を育てた。

現役時代は、
本塁打王5度、首位打者2度、打点王3度。
日本で初の三冠王は野村克也だが、
その前の時代、
三冠王を獲るのは、
中西以外にないと言われ、
幾度となくそのチャンスがあった。

現役通算1388試合、1262安打、
244本塁打、785打点、打率3割7厘。

凄いインパクトを残した伝説が逝ってしまった。

名選手名監督にあらず。

しかし名選手は教えることには、
誰よりも長けていた。

ご冥福を祈りたい。

私は横浜の商人舎オフィスに出て、
午後一でオンライン会議。

JTB大阪支社の商人舎担当のお二人。
小阪裕介さんと森川泰弘さん。

秋のSpecialコースの打ち合わせ。
レジェンド小阪は管理職となって、
現場の添乗から離れた。
代わりに森川さんが担当している。

いまのところ、
ドンタコス森川と呼ばれているが、
愛称は仕事ぶりで変わる。

頑張ってほしい。

Specialコースは、
10月10日から17日。
ダラスに2日間、ニューヨークに3日間。

Basicコースが基礎を学ぶならば、
Specialコースは応用を身に着ける。

是非のご参加を。

遅くとも5月中には募集を開始する。

そのあと私は夕方、
横浜市立白幡小学校へ。
IMG_40223

学校は木々に囲まれている。
校歌には「緑」という言葉がよく使われるが、
学校と緑はとても似合う。IMG_40253

校庭を見ると、
中西太もこんなグランドから、
野球を始めたのだと思った。IMG_40283

私はかつてこの小学校で、
PTA会長を務めた。IMG_40233

どんなときにも地域貢献をしていたい。
同じ考え方でいま、
白幡文化スポーツクラブの会計監査をしている。

今日はその監査の日。

監査を終えて役員の皆さんと交流。IMG_40293
令和5年度の児童会スローガン。
白幡小学校の児童たちがつくったもの。

希望、宇宙、チャレンジ。

希望とチャレンジはわかるが、
宇宙はわからん。

それでもスケールの大きなことを考えている。

中西太の座右の言葉は、
「何苦楚」だった。
「なにくそ」と読む。

人生は「何」ごとも「苦」しい時が
自分の基礎(「楚」)を作るのだ、という意味。

それは教え子に受け継がれている。
オリックス時代の田口壮、
ヤクルト時代の岩村明憲。
彼らも「何苦楚」を自分の言葉にしている。

今の子どもたちとも、
「何苦楚」はチャレンジでつながっている。

〈結城義晴〉

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