8月1日。
今日も一日、横浜商人舎オフィス。
単行本の原稿と入稿。
さらに月刊商人舎の原稿を手直しして、
タイトルをつけて入稿。
二つの仕事をやっている。
まあ、いつものこと。
頑張ります。
昨日の「徒然草」の続きが面白い。
昨日は「第四十五段」だった。
公世の二位のせうとに、
良覚僧正と聞えしは、
極めて腹あしき人なりけり。
僧正の寺のそばに大きな榎の木があった。
そこで人々は「榎木の僧正」と呼んだ。
そのニックネームが気に入らぬ良覚は、
榎木を切ってしまう。
人々は残った切杭(きりくい)を見て、
「切杭の僧正」と呼ぶようになる。
ならばと僧正は、
掘り返して切杭を捨てる。
すると大きな穴ができて、
今度は「堀池の僧正」と呼ばれるようになる
「榎木僧正」と呼ばれ、
「切杭の僧正」と言われ、
「堀池僧正」になった。
自業自得。
その次の「第四十六段」
柳原(やなぎはら)の辺(ほとり)に、
強盗(ごうとう)法印(ほういん)と号する
僧ありけり。
度々強盗にあひたるゆゑに、
この名をつけにけるとぞ。
「柳原町に強盗法印という坊さんがいた。
たびたび強盗被害に遭っていたので、
こんなあだ名を付けられたそうだ」
さらりと、これだけの話。
強盗法印も何か展開があるのかと思ったら、
たびたび強盗に遭うだけ。
なんとも拍子抜けするが、
そこが実に面白い。
さて、
そごう・西武の社長が交代した。
林拓二代表取締役社長は解任された。
私と同じ70歳。
〈そごう・西武ホームページより〉
商人舎流通スーパーニュース。
セブン&アイnews|
そごう・西武新社長に田口常務が昇格/西武出身
㈱そごう・西武のホームページには、
まだ林社長が写真入りで載っているし、
リリースでの発表はない。
セブン&アイ・ホールディングスが、
ニュースリリースで発表した。
「当社子会社の経営体制の変更について」と。
新社長は田口広人取締役常務執行役員。
その他に山口公義取締役が、
取締役副社長に昇格する。
実施日は今日の8月1日。
日経の記事によると、
現在の役員体制は8人で、
そごう・西武側が6人、
セブン&アイ側が2人だった。
新たにセブン側から3人の取締役が就任して、
今度はそごう・西武が5人、
セブン&アイが5人となる。
田口新社長は1985年、西武百貨店入社。
いわばプロパーの人材だ。
そして2014年、
セブンネットショッピング取締役常務執行役員、
16年セブン&アイ・ネットメディア社長。
セブン&アイグループに約10年間在籍。
そごう・西武は米国のファンドに、
売却が決まっている。
フォートレス・インベストメント・グループ。
しかしその手続きを巡って、
決着が遅れている。
もともとは2022年11月、
フォートレスと基本合意がなされた。
売却完了日は23年2月1日とされた。
しかしそれが「3月中」に延期され、
さらに再度延期されている。
そごう・西武労働組合は、
7月下旬にスト権を確立して、
勝手な売却は許さないという姿勢。
出店予定のヨドバシホールディングス。
行政の東京都豊島区と、
地権者の西武ホールディングス、
そしてそごう・西武労組。
そごう・西武経営陣と、
親会社のセブン&アイ。
このなかで林前社長は、
西武池袋本店の改装について、
慎重姿勢を示したらしい。
それが解任の理由であるようだ。
セブン&アイには、
誰か短気な人間がいるのか。
ここは慎重に粘り強く、
話し合わねばならない。
この解任は反発を強めるだろう。
行方が心配だ。
西武池袋本店は、
新宿伊勢丹、日本橋三越、
阪急梅田、高島屋日本橋などと並んで、
日本を代表する百貨店だと思う。
最新の売上高順位は、
1位 伊勢丹新宿本店3276億円
2位 阪急うめだ本店2610億円
3位 西武池袋本1768億円
この日本第3位の百貨店の地下1階と1階に、
ヨドバシカメラが入るのは、
いかがかと思う。
ヨドバシは上階でもいいと、
妥協しているとも聞く。
強盗法印とまではいかないが、
良くないあだ名がついてしまうかもしれない。
堤清二さんが育てた百貨店、
上野光平さんが新入社員として働いた百貨店。
NYのブルーミングデールのようなデパート。
じぶん、新発見。
不思議、大好き。
おいしい生活。
私の池袋西武を、
守ってくれ!
〈結城義晴〉