お盆の入り。
商人舎特任研究員から報告が入った。
東海地方のある総合スーパー。
普段はそれほどの集客力はない店だが、
異様なくらいに顧客が入っている。
お盆の期間と台風7号来襲予報が重なった。
皆さんお店はいかが?
素早く反応し、対処した商品部と店は、
こんな状況のなかで売上げを稼ぐ。
顧客がやって来ても、
商品が品切れしてしまっては、
元も子もない。
夏の日曜日。
私は自室でゆっくりと執筆。
まだまだ仕上げの原稿書きは続く。
朝日新聞「折々のことば」
第2818回。
なにもしないことは
なにもしないのではなくて、
悪いことをしているのだ
(佐橋滋の回想記『異色官僚』から)
「役人はそう観念すべきだ」
佐橋滋(さはし しげる)は元通商産業事務次官。
1913年生まれ、1993年没。
高度成長期の日本は、
官僚主導型政治システムの時代だった。
その典型的トップ官僚として知られる。
官僚ではあったが、
官僚らしくない官僚だった。
大胆さで有名だった。
城山三郎『官僚たちの夏』
主人公・風越信吾は佐橋がモデルだ。
「”無難””大過なく”というのは、
すべきことをして批判を浴びたり、
責任を取らされたりするよりも
マイナス点を稼がないようにするという保身術」
「これがトコロテン式人事を生んだ」
そしてこんな傾向は商業や小売業にもある。
前年対比の発想である。
佐橋さん。
「消防士は火の粉を被(かぶ)っても
現場に飛び込んで行く。
役人の職責もこれと同じだ」
商人も同じだ。
とくに台風のときには、
火の粉を被って現場に飛び込む、
消防士のような心構えは必要だ。
危険を冒せということではない。
元官僚の佐橋さん。
「誰も何もしなければ国は潰れる」
何もしないことは、
悪いことをしているのと同じだ。
前年対比で行動することも、
悪いことをしていると考えたほうがいい。
今日のブログは、
これでおしまい。
篠田桃紅さん。
107歳でご逝去。
「自由奔放に生きれば、
火に落ちて火傷する。
石橋を叩いてばかりだと、
荒ぶる水の河にさらわれる。
人間はどちらの河にも
落ちやすい」
「はい」
〈結城義晴〉