結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年09月30日(土曜日)

「人間関係は距離感の問題である。水くさくあれ」

9月最後の日。
朝晩は涼しくなった。
昼は息が苦しいほど蒸し暑いけれど。

バーベナが咲いた。
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上田隆穂さんから新刊本が送られてきた。
学習院大学経済学部教授。
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『グラフィック経営学入門』
大学の先生たちの共著で、
上田先生が編著者。

ライオン㈱という会社を通して、
経営学をわかりやすく論じる。

先生方は自分の専門領域の要点を、
ライオンの定量・定性情報を使いながら書く。

とくにライオンの役職員には、
役に立つだろう。

もちろんそれ以外の企業にも。

私ならばたとえば、
イオンを通して、
チェーンストアを論じる。
あるいはヤオコーを通して、
スーパーマーケットを説明する。

もっとも、
セブン-イレブンを通して、
コンビニエンスストアを解説するとしたら、
それだけでほとんどを論じてしまうことになる。

私の場合、
㈱商業界の社長の最後の仕事として、
『岡田卓也の十章』を発刊した。
20080516
工藤澄人君が担当して私が監修した。
それを岡田さんが最後に読んでくださった。

三人の合作だ。

あの本はイオンの岡田さんを通して、
商業界精神とチェーンストアの原則が描かれた。

この書き方は、ある。

さて、梁川憲太郎君。
商人舎の専属ライターとして、
流通スーパーニュースの記事を書いてくれていた。

9月いっぱいで退社した。

コロナ禍の2022年2月から今年9月末まで、
毎日毎日、本当に丁寧な記事を書いてくれた。

入社してすぐに体調を崩した。
そこで自宅でもできる仕事として、
スーパーニュースを担当してもらった。

記事の執筆は、正確で迅速。

「この1年8カ月のあいだは、
ほぼ毎日、ニュースを書いたり、
結城先生のブログを読んで過ごしていたので、
そこから多くのことを考えたり
学ばせていただきました」

「商人舎で培った経験を、
今後も活かしていきたいと思っております」

「みなさまの温かさは一生忘れません」

これからは本格的な「物書き」を目指して、
身体に留意して、
自分の世界を築いて、
頑張ってほしい。

最後に、
ほぼ日刊イトイ新聞のエッセイ。
「今日のダーリン」

糸井重里さんが毎日書く。

“人間関係”について考察する。
「なにより脳がエネルギーを消費する」ことが、
人間関係らしい。

最初に結論がある。
「”人間関係”の問題は、
だいたい”距離感”の問題である」

これが糸井さんの真骨頂。
素晴らしい。

一つだけのコンセプトを、的確に導き出す。

「あっちがそれほど親しいと思ってないのに、
こっちが親しすぎるふるまいをしたら、
関係はわるくなる」

「親しき仲にも礼儀あり」

「親しいと思っているどうしの間でさえ、
距離感は大事だ」

「”距離感”をじょうずにとれる人は、
相手をもラクにする」

「もうちょっと近くとか、
少し遠めにするとか、
互いが居心地のいい距離を
探してくれるのだから、相手だって、
それが気持ちいいにちがいない」

「基本的な法則」を二つ、
伝授してくれる。

ひとつは、
「距離にかかわらず
口から出すことばは、
できるだけていねいなほうがいい」

私もこれは徹底している。

もうひとつは、
「じぶんが想像した距離より、
少し遠めに距離をおいたほうがいい、
ということだ」

糸井さんはこれをモットーとして、
広告業界でトップを走ってきた。

そしてキメのフレーズ。
「どっちも、
“少々水くさくあれ”
ということになる」

「近づく関係なら、
いつかそれなりに近づくものだから。
やや遠めに距離をとっておけば、
迷惑にはなりにくい」

論理的だ。

「人間関係は、
むつかしいものかもしれないけれど、
へたなりの距離を守っていたら、
臆病にならないですむ」

「むつかしいことは、
“うまくやろうとしない”が
正解だよな」

上手くやろうとなど考えず、
自分らしくやろうとする。

それが人間関係問題の対処法だ。

むつかしいことも、
うまくやろうとなんか、
考えてはいけない。

自分らしくやれればいい。

梁川憲太郎、
頑張れ。

〈結城義晴〉

2023年09月29日(金曜日)

仕事と商売の「ダークパターン」の「不徳不義」

チェーンストア―産業ビジョン
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このホームページ巻頭に、
お知らせが掲載された。

[目次]は、
第一章 「一粒の麦」のチェーンストア
第二章 1.0 と 2.0、そして3.0 と4.0
第三章 「産業革命」なしに「流通革命」は起こらない
第四章 日本の産業革命とチェーンストア1.0
第五章 「流通革命」とチェーンストア2.0
第六章 ダイエーのチェーンストア2.0
第七章 業態チェーンストア
第八章 チェーンストア3.0 の時代
第九章 マーケティングとチェーンストアの関係

本当にお陰様で、
アマゾンのランキングでも、
[経営戦略]領域で上がってきた。

ありがたいことです。

商人舎にお申し込みの場合は、
ささやかな割引制度があります。

よろしくお願いします。

さて、
ラグビーワールドカップ2023。
フランスで開催されている。
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20カ国の代表チームが参加して、
4つのプールに分かれて予選を戦っている。

日本代表はプールD。
初戦はチリに圧勝、
第2戦はイングランドに完敗。

そして第3戦。

世界ランキング12位のサモアと、
同13位のジャパン。
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終始、押されながらも、
相手のレッドカード退場があって、
28対22の勝利。

最後の最後は、
ワントライ&ワンゴールで逆転、
という危ない局面になったが、
逃げ切った。

ただし私は安心して見ていた。

このジャパンは強い。

もう世界のベスト10に入っているだろう。

残すはアルゼンチン戦。
この試合に勝てばベスト8。

実に楽しみなことだ。

私は午前中は自宅で、
テキストづくり。

午後は商人舎オフィスで、
月刊誌10月号の入稿。

さて商人舎流通スーパーニュース。
第2四半期決算が次々に発表されている。

平和堂news|
第2Q増収増益/営収2080億円2.3%増・経常69億円24.2%増

営業収益が2079億6000万円で、
対前年増減率2.3%増。
営業利益は63億8600万円で32.3%増、
経常利益も69億1600万円で24.2%増。

部門別の動向は、
食品が2.7%増、衣料品が2.0%増、
住居関連品が0.1%減。イトーヨーカ堂が、
アパレルからの撤退を表明しているが、
このクオーターで平和堂は伸びた。

総合スーパーの「総合」に、
衣料品や住居関連は必須だ。

昨2022年の8月。
平和堂の「衣住ポジショニング」勉強会で、
2日間続けて5時間の講義をした。

平和堂本部のHATOC。
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ここに来ると、
故夏原平和さんのことが思い出される。
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そして一段と熱がこもる。
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衣料と住関連に対して檄を飛ばした。

少しずつでも効果が出てきたとしたら、
うれしいことだ。
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頑張れ。

山陽新聞の巻頭コラム、
「滴一滴」
ときどき地方紙にも目を通す。

「せいては事を仕損じる」
「急がば回れ」
「短気は損気」
日本のことわざ。

西洋の格言にもある。
「急ぎは失敗の母である」

「洋の東西を問わず、
焦ってしまう気持ちが結果的に、
良くない事態につながることは少なくない」

そんな心の焦りや心理などを巧妙に突く。
それが「ダークパターン」だ。

「商品やサービスを売るウェブサイトで、
利用者が気づかない間に、
不利な判断や意思決定をしてしまうよう
誘導する」

たとえば、
「”残りわずか”といった、
売り切れ間近のような表示」

消費者庁の「2022消費者意識基本調査」

「ネットでの予約や購入の際に、
ダークパターンを見かけたり、
経験したりしたことのある人は
約9割にも上った」

具体例。
「残りわずか」をはじめとして、
「◯人が閲覧中」
「◯人が購入済み」

「特典の有効期限を
カウントダウンで表示するタイマー」

顧客を焦らせて、購入を誘う。

コラム。
「漢字の”焦”の成り立ちは、
鳥を下から火であぶっている形との説がある」

コラムは注意を喚起する。
「ダークパターンにあおられ焦らぬよう、
用心、用心」

しかし商売をする側は、
知らず知らずのうちに、
「ダークパターン」を使っていることがある。

そちらの方が本当は怖い。

2021年。
米国カリフォルニア州は、
消費者プライバシー法で、
サービスの解約手続きにおける、
ダークパターンを禁止した。

オンラインビジネスにかぎらず、
顧客を焦らせて購買を誘うのは、
よろしくない。

倉本長治は言っている。
「事実を故意に隠す」のは、
「不正ではないが、
不徳であり、不義であろう」
倉本長治モノクロ

「不徳」は人としての道理に背くこと、
「不義」は人としての道理から外れること。

仕事や商売には隠された真実が多い。
「不徳不義」から無縁でありたい。

〈結城義晴〉

2023年09月28日(木曜日)

35期連続増収・10期連続増益「ハローズ」104店舗の「元気の素」

商人舎オフィスに贈っていただいた蘭。
ありがとうございました。

高木勇輔さんからメールがあって、
再度、写真を撮った。
㈱ロピアホールディングスが、
㈱OICグループと社名変更した。IMG_71803
ありがとう。

午後2時までオフィスで入稿の仕事。
山本恭広編集長の力作をデザイナーに送った。
それから東京・御茶ノ水へ。

新お茶の水ビルディングの18階から20階に、
井上眼科クリニックがある。
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見下ろすと眼下にニコライ堂。IMG_71823

ギリシャ正教の「東京復活大聖堂」。
ロシア人の大主教ニコライが、
1872年、定火消の役宅跡地を購入し、
1891年に竣工。

緑青(ろくしょう)のドーム屋根が特徴。
35mもある。
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井上眼科の富田剛史先生が、
私の目の主治医。

二度、三度と手術をしてもらった。

視野検査をして、診察。

右目の眼圧は18。
左目は12。

右目は緑内障で、
視野はひどく狭くなったが、
検眼で0.2の視力があった。

驚いた。

左目はレンズをつけて1.2。

私の右目は白内障と緑内障、
網膜剥離も患って、
四度、手術をした。

それはこのブログの、
「結城義晴・燃える闘病日記」で、
10回にわたって連載した。

アーカイブをご覧になる方は、
下から順に読んでほしい。

さて、商人舎流通スーパーニュース。
第2四半期決算が発表されている。

ハローズnews|
第2Q増収増益/955億円12.1%増・経常50億円16.1%増

2023年2月期決算で、
35期連続増収の記録。
10期連続増益。

この四半期も12.1%の増収で955億円。
経常利益は16.1%増で50億円。

営業利益率、経常利益率ともに5.3%。
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広島県福山市に本部を置き、
広島・岡山を中心に、
中国・四国・近畿6県の瀬戸内海沿岸部に、
「瀬戸内商勢圏」を形成する。

「全104店365日24時間営業」を貫いて、
絶大なる信頼を獲得している。

店舗網は広島県32店舗、岡山県27店舗、
香川県14店舗、愛媛県9店舗、徳島県9店舗、
そして兵庫県13店舗。

2023年2月期年商は1741億円。

ハローズnews|
年商1741億円6.6%増・経常利益4.9%増/積極出店を継続

「24時間営業」は、
顧客への信頼感をつくるだけではない。
アメリカのスーパーマーケット同様に、
ナイトオペレーションを可能とする。

社員・従業員は3交代で働く。

深夜に商品配送をして、
夜間に品出しをする。

しかも店舗は例外なく、
600坪型に標準化されている。
その前提のうえで、
サプライチェーンマネジメントを突き詰める。

マーケティングコンセプトの発展段階で言えば、
第一段階の生産志向コンセプトである。

佐藤利行社長は、
1949年1月生まれ、74歳。
〈ハローズホームページより〉
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同年の経営者は、
ファーストリテイリングの柳井正さん、
万代リテールホールディングスの加藤徹さん。

一六本舗とセブンスターの玉置泰さんも、
マツモトの松本隆文さんも、
そしてアメリカの浅野秀二先生も。

佐藤さんの長期ビジョンは、
「瀬戸内商勢圏180店舗3000億円構想」

ハローズの佐藤さんの信条は、
「時流に合った小売業」

そして「より良い品をより安く」
「High  Quality & Low Price Stores」を略して、
「ハローズ」。

佐藤さんは、
「元気が出る会社づくり」を標榜する。
実績が伴うことこそが、
元気の素である。

好循環が好循環を生み出す。

ジェイ・バーニーは、
「模倣困難性」を主張するが、
100店舗超のスーパーマーケットで、
365日24時間営業は、
今や模倣困難な水準である。

1991年から32年も社長を務める佐藤利行さんと、
じっくり話してみたいのだが。

〈結城義晴〉

2023年09月27日(水曜日)

将棋王座戦第3局の藤井聡太「相手に恵んでもらった幸運」

商人舎オフィス。

ありがたいことに、
狭いオフィスに蘭の花盛り。

㈱OICグループ社長の高木勇輔さんから。IMG_7168 (002)3

㈱寺岡精工会長の寺岡和治さんは、
ブログ16周年も祝ってくださった。IMG_7165 (002)3
まだまだ、やります。

日経新聞夕刊の「こころの玉手箱」
大久保恒夫さんの連載は、
2日目が「手帳とシャーペン」
コンサルティングの道具。
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手帳のカバーは、
ルイ・ヴィトンの黒のタイガ素材。
丈夫で長持ち。
シャープペンシルは100円など格安品、
どこかで必ずなくしてしまうからだ。

3日目は、
店舗巡回時に持っていたカバン」
これもルイ・ヴィトン。

カバンの中には、
パソコンと手帳、資料だけ。
だが丈夫で長持ち。

大久保さんらしくて、いいなあ。

あとの二つの玉手箱が楽しみだ。

さて、藤井聡太、21歳。
将棋の名人・竜王、七冠。

最後のタイトル王座に挑戦中。
永瀬拓也王座(31歳)と1勝1敗で迎えた、
第71期王座戦五番勝負第3局。
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永瀬はこのタイトルを防衛すれば、
永世王座の地位を獲得する。

永世位はどのタイトルも、
通算5期獲得して与えられる。
永瀬はその5期目がかかっている。

一方の藤井が奪取すれば、
将棋界のすべてのタイトルをとって、
八冠が誕生する。

もちろん史上初の偉業だ。

藤井がプロになり立てのころ、
永瀬は藤井に働きかけて、
「VS」(ヴイエス)を始めた。

versus。
一対一の練習将棋だ。

これによって藤井は強くなった。
もちろん永瀬も強くなった。

しかし互いにその思考法や、
強み・弱みを知ることとなった。

よく知る二人の対戦。

その第3局は藤井先番で、
永瀬は「雁木」(がんぎ)という囲いを採用した。

雁木は階段状の構造物のことだ。
雁(がん)の群れは斜めにジグザグに連なって飛ぶ。
これに見立てた建物構造を雁木という。

将棋では角と銀を雁木状に並べる。
それが雁木囲いという。

最近のプロの間で流行っているのは、
専門的に言えば「新雁木」である。

ただしこの作戦は難しすぎて、
私など指し熟(こな)せない。

将棋には有名な「矢倉囲い」がある。
これは金銀3枚で王を固く囲う。
雁木は角と金銀で囲うが固くはない。
柔らかい囲いだ。

使い熟すには技量がいる。

藤井は大駒の角を早々と交換して、
持ち駒にして戦う戦法を得意とする。
「角換わり」と呼ぶが、
永井はそれを避けて、
雁木に囲った。

予(か)ねて用意の作戦である。

そのうえ、さりげなく、
9筋の端の歩を突き越しておいて、
その端歩から仕掛けた。

見事に決まった。

藤井は永瀬の術中にはまって、
じわりじわりと追い詰められた。

そしてAIの評価では、
永瀬95%、藤井5%という、
永瀬の必勝形まで局面は進んだ。

しかし持ち時間は、
藤井10分ほど、永瀬1分。

最終盤に藤井は意を決して、
敵陣に王手で飛車を撃ち込んだ。
〈2一飛〉

金底の歩というが、
それを打って凌げば、
永瀬が勝っていた。
つまり〈3一歩〉

しかし永瀬は無類の受け将棋の名人。
深く読んで「飛車には飛車」で守った。
〈4一飛〉

藤井は一閃の角打ちで、
95対5を40対60に逆転させてしまった。
〈6五角〉
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この最高の棋士同士の対局で、
こんな逆転はそうそう生まれない。

そのあとは淡々と進んで、
81手で永瀬が投了した。

こんなに悔しそうな顔は、
見たことがなかった。

藤井はずっと下を向いていた。
勝つには勝ったが、
相手のミスに助けられた。

むしろ序盤・中盤のふがいなさに、
自分で自分を攻めているようだった。

「たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも、
自分で勝ちとるものでもない。
相手に恵んでもらうものである」
〈結城義晴著『Message』より〉
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仕事も競争も同じだ。

幸運は相手から恵んでもらうもの。
自分はひたすらIntegrityに徹するだけだ。

藤井も永瀬も、
真摯であった。

そして幸運は、
藤井聡太に傾いた。

仕事も競争も同じである。

〈結城義晴〉

2023年09月26日(火曜日)

若葉台のヤオコー・三和競合にロピア参入の「理論と実践」

東京都稲城市。
京王線の若葉台駅。
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タクシーに乗り込んで、
5分ほど。
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ロピア若葉台店。
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9月21日オープン。
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商人舎ミドルマネジメント研修会があって、
開業当日には訪問できなかった。

コープみらいの「コープ若葉台店」が、
今年3月19日に閉店して、
そのあとにロピアが出店。

開店前に到着して、
2人の店長と話をした。

それから開店前の店を見た。

オーソドックスなコの字型レイアウト。
青果部門は「八百物屋あづま」
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前面に並ぶのは、
旬のシャインマスカット。

それから精肉部門の「肉のロピア」IMG_70723

コーナーを曲がって、
鮮魚部門の「日本橋魚萬」と、
惣菜部門の「Gochisou Marche」IMG_70863
意欲的な商品が並ぶ。

ロピアの特長は、
この商品開発だ。

丁寧な説明を受けて、
その新しいアイテムを試食した。
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これらは売れる。

午前中、売場づくりや顧客の動きなど観察して、
管理本部長と話した。
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ロピア若葉台店、
順調な滑り出し。

木曜日にオープンして、
爆発的な売上げをつくった。
金・土・日と繁盛を極めて、
月曜日にも客数は落ちない。

しかし基本を外したら、
店はすぐにおかしくなる。
そして基本は強い論理性を有する。
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若葉台駅にとって返して、
駅に隣接する商業施設フレスポ。IMG_71323

1階にツルハドラッグ。IMG_71173

そしてヤオコー若葉台店。IMG_71183

2006年3月3日オープン。
東京都初進出の店舗だ。

売場面積2065㎡。
駐車場はSC全体で390台と十分だ。
駅側から時計回りのコの字型レイアウトで、
惣菜と青果がドッキングして始まる。

鈴木哲男命名の「こってり型」

随所にヤオコーらしさがある。
火曜日はポイント3倍セールで、
ロピアに対抗しているが、
それほど過剰に意識はしていない。

ただしピザは意識して控え目なのだろう。
ロピアはホール580円で売りまくるが、
こちらは長方形のヤオコーらしいピザだ。

川野幸夫会長は、
「うちのピザはおいしくなった」と言う。

それがヤオコーらしさだ。

この「らしさ」こそ、
ポジショニングのカギを握るものだ。

それがチェーンストア3.0の戦略でもある。

駅の向かいには、
スーパー三和若葉台店。IMG_71343
この店がこの地区で一番早く開業した。

しかし残念ながらチェーンストア2.0タイプだ。IMG_71373

ヤオコーとロピアの「フォーマット」に対して、
いまだ「業態」レベルの店で、
圧倒的な差をつけられている。

このあたりのことは、
『チェーンストア』を読んだらわかる。
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ただし駅の反対側の稲城市小田良地区に、
2020年3月6日、コロナ禍のなか、
ソコラ若葉台がオープンして、
スーパー三和の最新形が、
お目見えしている。

古い店はそのままの状態だ。

そこでヤオコーとロピアの対決の構図となった。

新しい店が市場に参入すると、
古い店々はそれに対抗する。

価格で対抗する場合もあれば、
ポジショニングで対峙する場合もある。

そしてそれまで最強だった店が、
より良く変貌することによって、
周辺の平凡な店があおりを食ってしまう。

これが競争のセオリーである。

ロピアが参入してヤオコーが変容し、
そのヤオコーから三和が打撃を受ける。

それがこの若葉台の競争である。

理論通りの趨勢に、
私はある種の感動を覚えた。

実践に先立つ理論はない。
しかし、
論理なき行動は暴走である。

それを実感した。

〈結城義晴〉

2023年09月25日(月曜日)

大久保恒夫さんの「こころの玉手箱」と「神は現場にあり」

Everybody! Good Monday!
[2023vol㊴]

2023年第39週。
9月最終週。

今度の日曜日から10月だ。
残すところ3カ月。

無呼吸泳法の全力疾走。
私自身はそんなことはできなくなったが、
若い人たちはできる。

倉本長治は言った。
「この一瞬の積み重ねが、
君という商人の全生涯」

今日はいい知らせが入った。

大久保恒夫さん。
昨日も一緒に立心の会で、
ゴルフをした。
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その大久保さんが、
日本経済新聞夕刊に1週間連続で登場。
連載「こころの玉手箱」

誰もが「こころの玉手箱」をもっている。
その箱にしまっている宝物を選んで、
その宝物にまつわる思い出を綴るエッセイ。

第1回目は、
「生き方を変えた本と勉強ノート」
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大久保さんの学生時代と、
社会人になり立てのころのことが、
よくわかる。

学生時代に出会った本が、
ウエイン・W・ダイアーの『自分の時代』
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「他人からの評価は関係なく、
自分を評価するのは自分だ」
それが大久保恒夫のIntegrityになった。

さらにイトーヨーカ堂に就職すると、
本棚を3つ買って、
それを一杯にするのを目標に、
経営書やマーケティング書を読む。

そして内容をノートに簡単にまとめて、
知識として蓄えた。

これは若い人にお薦めだ。

その本とノートが、
大久保さんの「こころの玉手箱」だ。
いい話である。

アルビン・トフラーの『第三の波』も読んだ。
それが人事部面接で役に立って、
1981年に経営政策室経営開発部に異動。

伊藤雅俊さんや鈴木敏文さんに、
直接、指導を受け、薫陶された。
根本は「現場を最も大切にすること」

神は現場にあり。

それは実に幸せなことだった。
今のイトーヨーカ堂の若い人たちには、
残念ながらお二人がいない。

今週の日経夕刊。
毎日、楽しみだ。

私は午前中、自宅で原稿執筆。

午後、東京駅へ。

丸の内北口の天井。
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レンガ造りの北口。
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日本の鉄道の表玄関。
東京駅。
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三沢厚彦さんの熊の彫刻。
作品Animal-2017-01-B2。
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横からの写真。
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地上27階の大手町野村ビル。
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そして大手町プレイスタワー。
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モニュメント。
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田嶼尚子先生の血液検査と診察。
ヘモグロビンA1cは6.6まで下がった。
高齢者の目標は6.5くらい。

CPKも58まで上がってきた。
クレアチンホスホキナーゼ(Creatine PhosphoKinase)

筋肉収縮の際のエネルギー代謝に関与する酵素で、
運動しているかどうかがわかる。

私は100を目指している。

成果は上がっている。
もう少しです。

いい気分。

どんなことでも、
成果が上がっている最中こそ、
モチベーションも高まる。

人間も一番成長しているときに、
一番努力する。

大久保さんの社会人のはじめのころ、
凄い成長だったのだと思う。

もちろん、現時点も、
経営者として脂が乗っている。

今週の私のスケジュールは、
取材と原稿執筆と検査。

頑張ります。

では、みなさん、
今週も、
神は現場にあり。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年09月24日(日曜日)

小津安二郎「古くならぬのが新しい」とドラッカーの「捨てるもの」

立心の会。
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今回は上総モナークカントリークラブ。IMG_70163

帝王ジャック・ニクラウスの設計。IMG_70153

暑さ寒さも彼岸まで。
秋分の日を境に、
急に涼しくなった。

最高のゴルフ日和。

ラウンドが終わってから、
そのニクラウス像と並んで、
記念写真。
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左が西友社長の大久保恒夫さん、
真ん中が中央大学大学院教授の中村博さん。

今回は中村さんに完敗。
脱帽です。
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ティーショットは芯にあたる。
アイアンはぴたりと決まる。
アプローチも寄る。
ロングパットがストンストンと入る。

素晴らしいゴルフだった。

初めて上総モナークをラウンドして、
80台を出すのは難しい。

次は私たちが挑戦者です。

さて朝日新聞「天声人語」

『ドラえもん』を出してきた。
「セワシくんはのび太の子孫である。
彼は22世紀の世界に暮らしているが、
あまり幸福そうには見えない」
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「未来人たちには
便利な道具がたくさんあるのに、
現代人と同様に、
ときに空虚な笑いを浮かべ、
妙に言葉にとげがある」

コラム子。
「ひとは便利な道具だけでは
幸せになれない。
のび太を幸福にするものは、
どこでもドアとかタケコプターではなく、
ドラえもんとの友情なのだ」

その通りだ。

しかし、
「科学の進歩で、
ドラえもんの道具に近いものが
次々と現実になりつつある時代、
便利の意味がよく分からなくなってきた」

アイフォーン15が発売された。
「スマホも家電も車も、
頻繁に買い替えを迫られる」

小津安二郎監督の言葉。
「古くならぬことが
新しいのじゃないですかね」

名言だと思う。

故人となってしまったけれど、
齋藤充弘さんの言葉を思い出した。
全日本食品㈱前会長。

商品が売れない3つの理由。
「悪い、古い、ない」

「古くならぬのが新しい」
小津安二郎の映画は古くならない。
すなわち、いつまでも新しい。

商品も店も、
これでなくてはいけない。

新しければいいのではない。
古くならないことが大切なのだ。

ピーター・ドラッカー。
「成果をあげるための秘訣を
一つだけ挙げるならば、
それは集中である」

そして、
「集中のための第一原則は、
生産的でなくなった過去のものを
捨てることである」

「古くならぬのが新しい」は、
生産的でなくなった過去のものを捨てることだ。

生産的な過去のものは残す。

過去のものが生産的であるのに、
それを捨てる必要はない。

生産的な過去のものこそ、新しい。

コラム。
「私たちはもう立ち止まれないのか」

そんなことは断じてない。

立ち止まったり、走りだしたり。
自分で決めればいい。

朝日新聞はこういったところがある。
長らく朝日に属していると、
人を脅すような言い方が身についてしまう。

「古くならぬのが新しい」

しかし生産的でなくなった過去のものは、
未来のために捨てなければならない。

それにこだわり過ぎるのが、
古いということだ。

セワシ君も、
古くならぬものに囲まれて、
それを自分で選ぶことができれば、
空虚にはならない。

〈結城義晴〉

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