阪神タイガースが、
日本シリーズを制して、
日本一となった。
その勝利に酔った。
アメリカでは、
テキサスレンジャーズが、
アリゾナ・ダイヤモンドバックスを破った。
初のワールドシリーズ制覇で、
USナンバー1となった。
今年の10月11日。
テキサス・アーリントンに行った。
レンジャーズの本拠地。
写真を撮ってレンジャーズを応援した。
そうしたら初のワールドシリーズを制した。
日本シリーズは第7戦。
オリックスバファローズと、
阪神タイガース。
第6戦は山本由伸の独り舞台。
3勝3敗のタイになった。
来年、由伸は米国メジャーに行ってしまう。
最終戦に岡田監督は、
青柳晃洋を先発投手に抜擢した。
今日本シリーズでは、
一度も投げていない。
川崎工科高校から帝京大学、
2015年のドラフト会議で、
阪神タイガースから5巡目で指名。
アンダースローは、
下から投げる。
サイドスローは、
横から投げる。
青柳はその中間。
岡田はこの変則投法の投手を、
とっておきの7戦に起用すると決めていた。
今年2023年の開幕投手だったが、
調子が悪くて出番が少なかった。
しかし2022年は投手三冠。
最多勝利、最優秀防御率、最高勝率。
13勝4敗、防御率2.05、勝率7割6分5厘。
サイドスローやアンダースローは、
オーソドックスではないと見られる。
しかしかつては大投手が球界を席巻した。
南海ホークスの杉浦忠は、
立教大学で長嶋茂雄と同期。
史上最高のアンダースローと言われ、
美しいフォームで投手五冠を獲得した。
阪急ブレーブスの山田久志は、
史上最高のサブマリンと言われた。
最多勝利3回、
最優秀防御率2回、
最高勝率4回。
阪急の足立光宏、
南海の皆川睦雄。
懐かしい。
セリーグでは、
大洋ホエールズの秋山登、
巨人から阪神に移籍した小林繁、
その巨人の斎藤雅樹、
ヤクルトスワローズの高津臣吾など、
主力投手がひしめいていた。
その系譜を引く青柳は、
5回途中まで、
バファローズを零点に抑えた。
これが最大の勝因だ。
岡田の采配は凄い。
人間のやる気を引き出す。
青柳が零封している間に、
4回に、バファローズ次代のエース宮城大弥から、
ノイジーの3点本塁打が出る。
低めのスライダーを見事に救い上げた。
ピンチには島本浩也が抑えた。
2010年、福知山成美高校から育成ドラフト2位。
そして伊藤将司がロングリリーフ。
横浜高校から国際武道大学、
社会人野球のJR東日本を経て、
2020年ドラフト2位。
3番ライト森下翔太は3安打して、
今年の新人ながら優秀選手。
1番センター近本光司は4安打でMVP。
やるべき選手がきちんと仕事して、
優勝を勝ち取った。
岡田彰布の勝利だと思う。
どんな選手、どんな人間にも特徴がある。
そして良い時と悪い時がある。
悪いときにもその人間を見つめていて、
その良いところに期待をかける。
失敗覚悟で抜擢する。
大きなミスを犯しても、
敗者復活の精神で、
また期待をかけ、
大舞台に起用する。
その岡田彰布のチーム経営が、
日本一を導き出した。
「選手としても日本一、
監督としても日本一。
よかったです」
岡田の人間観察と人心掌握が、
勝利をもたらした。
アレのアレに、
酔わせてもらった。
おめでとう、
ありがとう。
人の気持ちがわかる者が、
いい仕事をする。
商売も同じだ。
それが、うれしい。
〈結城義晴〉