結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年12月01日(金曜日)

倍賞千恵子の「トレードオン」と師走は「M&Aの季節」

今日から師走。

新型コロナウイルス感染症が、
第5類に分類移行したのが今年5月8日。

このときにコロナ禍が明けて、
ポストコロナ時代になったと考えていいだろう。

それから7カ月が経過して12月。
やっと正常な年末商戦となる。

しかし元には戻らない。

この12月をどう生きればいいか。

日経新聞「私の履歴書」は今日から、
倍賞千恵子。

女優、そして歌手。
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「二兎を追うものは一兎をも得ず」

倍賞千恵子は語り始める。
「諺とは裏腹に私は、
“歌”と”映画”を追いかけてきた」

両利きのトレードオン。

ご存じ、「寅さん」の妹役さくら。

「(寅さんの)関係者は私にとって
家族同然の大切な人たち。
渥美清さんをはじめ多くが
天国にすでに旅立ってしまった。
家族が少なくなるのは本当に寂しいこと」

そこで考える。
「死ぬって何なんだろう?」

「何年か前、答えが知りたくて、
知り合いの住職に質問してみたことがある」

「すると”死ぬとは、即ち生きることです”
と言われてハッとした」

(そうか。死ぬとは、
死ぬまで生きることなんだ。
死があるからこそ生がある。
生と死は密接につながっている……)

「ならば最期まで精いっぱい
生きればいいじゃない」

「そう考えたら肩の力がスッと抜け、
何だか穏やかな気持ちになった」

これが今年の12月の生き方だ。

朝日新聞「折々のことば」
哲学者の鷲田誠一さんが毎日、
いい言葉を教えてくれる。
今日はその第2926回。

細かいところから始めるのが、
アイロンがけのコツ。
(友人)

「アイロンの当て方については
角度や重心など教わってきたが、
中でもしっくりきたのがこれだ」と、
鷲田さんの友人。

「広い面からかけると細部にしわが寄る」

「同じように社会の矛盾や確執も
つねにマイノリティへの
しわ寄せとして現れる限り、
世界の隅で勝算の不確かな闘いを
続ける人々に心を寄せたい」

「アイロンは強権を連想させるので
例としてはよくないけれど、
と声を細めて」

細かいところから始めるのが、
仕事と商売のコツ。

12月はこれでいこう。

さて商人舎流通スーパーニュース。

イオンnews|
いなげやのTOBを終了、11/29付けで連結子会社化

イオンがいなげやの株式公開買い付けを完了した。
10月10日から11月29日まで。

イオンはいなげや株の51%を保有して、
連結子会社にした。

関東地方には、
U.S.M.Hがある。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス。
マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の、
ホールディングカンパニー。

ここにいなげやも加わっていく。
2023年2月・3月期決算では、
U.S.M.Hが8787億円、いなげやが2485億円、
単純合計で9572億円のチェーンとなる。
店舗数は決算時点で805店。

マルエツ、カスミ、いなげや。
私は46年も付き合っている。
感慨深い。

一方、
トライアルnews|
旧さとちょうを「トライアル」に初転換/12/1改装オープン

トライアルホールディングスは9月に、
青森の㈱佐藤長から18店舗を譲受した。
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佐藤長は6月26日に、
青森地方裁判所へ民事再生手続きを申請していた。

そのスーパーマーケット「さとちょう」を、
「トライアルスマートむつ新町店」として、
リニューアルオープンした。

同社はスーパーセンターを中心に4つのフォーマットを展開する。

その一つが
「smart(スマート)」のフォーマットだ。

スマートは小型のスーパーマーケットで、売場面積約1000㎡、約1万から2万アイテムを扱う。

イオンといなげやは、
公開買い付けによる子会社化だった。

トライアルと佐藤長は、
一部事業を承継する事業譲渡契約。

12月に入ったのに、
いや12月に入ったから、
こういったM&Aのケースも増える。

さらに、
セブン&アイnews|
オーストラリア「7-Eleven」の運営企業を買収

セブン&アイホールディングスの世界戦略。
オーストラリアの7-Elevenを買収する。
これまではエリアフランチャイズで展開していた。
運営主体は、
Convenience Group Holdings Pty Ltd。
その全株式を17億豪ドル(約1700億円)で買い取る。

オーストラリア最大のコンビニチェーンで、
751店舗を運営。

オーストラリアは2060年代半ばまで、
年平均人口成長率1.4%。

これはセブン&アイにとって、
じつにいいM&Aだ。

拍手拍手。

12月はM&Aの季節でもある。
商人の本籍地と現住所を忘れずに。

最期まで精いっぱい
生きればいい。

そして、
細かいところから始める。

12月もそれが仕事と商売のコツである。

〈結城義晴〉

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