日曜日になると、
口をついて出てくる。
植木等の「ウンジャラゲ」
月曜日はウンジャラゲ
火曜日はハンジャラゲ
水曜日はスイスイスイ
木曜日はモーリモリ
金曜日はキンキラキン
土曜日はギンギラギンの
ギンギラギンの
ギンギラギンのギン
日曜日はランラランラ ランラン
この歌は植木等ショーで、
紹介された。
クレージーキャッツの植木と、
作曲家の宮川泰が、
即興のようにして作った歌だ。
私はそのテレビ番組を生で見た。
1968年の7月から12月まで。
高校生だった。
半年で終わった番組だったが、
音楽性と思想性の高い内容だった。
今、YouTubeで一部を見ることができる。
(クリックしてみてください↓)
月曜日は休み明けで、
ウンジャラゲの気分。
火曜日はそのウンジャラゲが、
半分になってハンジャラゲ。
水曜日は仕事に慣れてきて、
スイスイスイ。
木曜日は週末に向かって、
モーリモリ。
金曜日は明日から半ドンと休みで、
キンキラキン。
(当時、土曜日は半日だけ働いた。
学校も半日の授業だった)
土曜日はもう、
ギンギラギンのギンギラギンの、
ギンギラギン。
日曜日はランラ ランラ ランラン♫
これで1週間。
しかしこのウンジャラゲ、
「商売繁盛の1週間」に、
置き換えることができる。
月曜日は日曜日のあとの、
ウンジャラゲの商売。
火曜日はさらに、
ハンジャラゲの商売。
だからイオンは、
火曜日を盛り上げようと、
「火曜市」を開催する。
万代は毎週火曜日に、
「大均一祭」を展開する。
ハンジャラゲの商売を、
盛り返そうとする。
水曜日はスイスイスイの商売。
スイスイとこなしていこう。
木曜日はモーリモリの商売。
週末に向かって元気が出てくる。
金曜日はキンキラキン。
Black Fridayも金曜日だ。
土曜日はギンギラギンのギンギラギンの、
ギンギラギンの商売。
商売繁盛、ありがたい。
そして日曜日は、
ランラ ランラ ランの商売。
これで1週間。
このウンジャラゲを、
4回やると1カ月、
13回繰り返すと、
四半期になる。
52回展開すると、
1年になる。
その1年の締めくくりが12月だ。
ウンジャラゲから、
ランラランラランで、
やり抜こう。
朝日新聞「折々のことば」
第2928回。
内容のある抽象的な観念は、
抽象的と感じない。
(岡潔)
「人間の思考は、
内容のない観念だけを相手にしていると
いずれ破産する」
江戸時代の関孝和と並んで、
日本史上最高の数学者と言われる。
世界は「わかりきったことほどわからない」し、
人も「大きな心配ほど心配しない」もの。
「その限界を越えたければ、
逆に手許(てもと)にある
個人の問題を離れてはいけない」
商売は典型的な、
手許にある問題だ。
「実際、自己の問題を
個性的に究めたものほど
人も”共感がもちやすい”」
文系的頭脳の歴史的天才、小林秀雄。
理系的頭脳の歴史的天才、岡潔。
一つ違い。
その雑談。
本の宣伝文句。
「日本史上最も知的な雑談」
小林秀雄は1902~1983。
東京生れ。
東京帝国大学仏文科。
日本の文芸評論を確立した。
岡潔は1901~1978。
大阪市生まれ。
京都帝国大学物理学科と数学科。
「多変数解析関数論」の難題を解いて、
世界的な数学者と認識されている。
二人の雑談の中の、
岡潔の言葉。
植木のウンジャラゲは、
抽象的だ。
しかし内容があれば、
イメージが広がって、
抽象的とは感じられない。
今日も明日も、明後日も、
ウンジャラゲから、
ランラランラランで、
1週間。
それが商売の本質でもある。
〈結城義晴〉