クリスマスイブ。
クレープ屋は結構流行っている。
いつもの花屋。
モンソーフルール。
この一角はパリの街角のようだ。
ベンチに座って本を読む人もいる。
暖かいクリスマスイブ。
花屋のクリスマスツリー。
店頭はカラフルなクレヨンケースのようだ。
しかし590円を中心に390円、490円の品揃え。
店内の主役は赤い薔薇。
Christmas Eve。
世界中の人たちが、
パレスチナとウクライナの平和を願っている。
朝日新聞「折々のことば」
今日の第2948回。
叱咤(しった)や批判で
変わる人はいない
〈斎藤環(たまき)〉
「患者と家族がどう変わるかは、
周囲の判断の”正しさ”とほとんど関係がない」
「医療チームとオープンに対話する中で、
患者と家族がいろんな意見を
自分たちについての”噂”として聞けることが、
自主的な選択に必要な”余白”となる」
「それは”断る余地”のある依頼のほうが
受け容(い)れやすいのと同じだ」
『オープンダイアローグがひらく精神医療』から。
斎藤環は筑波大学大学院修了の医学博士。
同大学医学医療系社会精神保健学教授、
オープン・ダイアローグの専門家。
そのオープン・ダイアローグは、
「開かれた対話」によって、
統合失調症に治療的介入をする手法。
フィンランドのケロプダス病院で、
1980年代から実践されている。
総合失調症は、
精神障害の一つで、
5つの症状がある。
➀妄想
②幻覚
③思考障害
④まとまりのない行動
⑤陰性症状
⑤の陰性症状は、
無表情、うつ病、活動低下、会話の鈍化、
社会的ひきこもり、自傷行為などの症状。
オープン・ダイヤローグは、
専門医療チームが、
患者および家族と、
開かれた対話を繰り返すことで、
治療する手法だ。
何事にも開かれた対話が有効である。
ウラジーミル・プーチンを、
叱咤しても批判しても、
彼は変わらない。
それはベンヤミン・ネタ二エフも同じだ。
平和のためには、
開かれた対話が繰り返されるしかない。
そして「断る余地のある依頼」こそが、
受け入れられやすいことを知るべきだろう。
店で顧客に何かを提案する。
何らかの商品、何らかのサービス、
何らかの生活、何らかの価格。
それは断る余地のある依頼である。
だから断る意思をもったときには、
顧客は買わないで立ち去る。
商売とはそういうものだ。
しかし押しつけがましく、
断る余地をなくした独りよがりの依頼は、
受け入れられないばかりか、
店から足を遠のかせる危険性をはらむ。
店は顧客との開かれた対話の場である。
ユヴァル・ノア・ハラリ。
「人間の愚かさの、
治療薬となりうるものの一つが
謙虚さである」
断る余地のある依頼には、
この謙虚さが込められている。
平和のためには、
互いの謙虚さが欠かせない。
叱咤と批判では、
人は変わらない。
問題は解決しない。
私はキリスト教徒ではないが今日は、
Merry Christmas!
〈結城義晴〉