横浜ベイホテル東急。
横浜の商人舎オフィスから、
タクシーで10分ほど。
オール日本スーパーマーケット協会の、
新年トップ経営研修会。
会場は地下2階、
クイーンズグランドボールルーム。
会員企業54社のトップ64名、
賛助会員企業を含め約580名が参集。
新年のトップを切って開催されるのがこの会だ。
冒頭のあいさつは田尻一会長。
元サミット㈱社長。
「失われた30年」について、
スライドを使ってていねいに説明。
1991年から2021年の30年間で、
小売店舗数は2.7倍に増加した。
売場面積は1.9倍、従業員数は2.3倍になった。
そして、売上げは1.1倍。
その間、人口は減少した。
当然の人手不足。
経営を変えなければならない時期にきた。
そんな内容だった。
続いて研修会。
テーマは、
「持続的な食料システムの実現に向けた
地域密着型スーパーマーケットの役割」
前段の特別講演は、
農林水産省の長久保牧衣子さん。
同省みどりの食料システム戦略グループ。
食料・農林水産業を取り巻く状況の説明、
そして課題提起。
さらにみどりの食料システム戦略の概要、
その取り組みの現状と今後。
続いてパネルディスカッション。
生産者、農業機器メーカー、
そしてスーパーマーケット経営者が、
それぞれの取り組みを報告した。
パネリストは講師の久保牧衣子さん、
生産者ではつむぎて農園杉山修一さん、
(株)関東地区昔帰りの会社長の小暮郁夫さん、
井関農機(株)顧問の鈴木良典さん。
コーディネーターは、
中村伸一郎常務理事。
会員スーパーマーケットからは、
㈱サンプラザの山口力社長。
サンプラザは大阪府南部を中心に、
スーパーマーケット36店舗を展開する。
別会社では惣菜工場を運営し、
学校給食の製造受託を行ったり、
植物工場の運営も行う。
1次産業から3次産業まで手掛ける食品流通グループ。
エコ農産物をはじめとした販売の実際から、
堺市に設けている植物工場での取り組みまで、
的確な報告だった。
休憩に入って、
セイミヤ社長の加藤勝正さん。
もはや最長老。
休憩後、中村常務理事から重要なレクチャー。
「技能実習・特定技能をめぐる状況」
その後、新入賛助会員の紹介。
今回は4社が新規加入。
ここまでで行事は終了。
あとはホワイエで賀詞交歓会。
私は控室に荒井伸也さんを訪ねた。
同協会名誉会長。
夫人の恭子さんが付き添う。
いろいろお話を聞いた。
「日本のスーパーマーケット産業は、
正念場を迎えています」
私が言うと、荒井さんは答えた。
「原則通りにやっていれば、
うまくいく仕事です。
スーパーマーケットは」
素晴らしい。
これです。
「商社などは原則がわからないから、
原則通りというのがない。
面倒な仕事です」
その通り。
六重苦だとか、
正念場だとか、
M&Aだとか。
言い過ぎたかもしれない。
原則通りにやる。
そうすればうまくいく。
故北野祐次さんも、
荒井伸也さんも、
その原則を唱えた。
AJSは原則主義を貫徹した。
それが忘れられている。
私はその原則の上に、
わが社らしさを加える必要があると思う。
そのまえに「原則通り」である。
コーネル大学のフォーマット論は、
基本業態の原則に、
ポジショニングをプラスする。
その原則をおろそかにしてはならない。
そんな話をしていると、
セブンスター会長兼社長の玉置泰さんが合流。
それからホワイエで第一屋製パンの面々に会った。
取締役副社長の小山一郎さん(私の隣)、
営業グループリーダーの平賀直樹さん(左)、
広域営業部長の吉田大作さん(右)。
期待しています。
マツモト社長の松本健司さん。
春に京都を訪れます。
17時20分からは懇親会。
乾杯は全農パールライス社長の中野吉庸さん。
私は一番前のテーブルで、
荒井さんの隣の席だった。
ヤマナカ社長の中野義久さんと、
話し込んだ。
今回、新規賛助会員となったのが、
㈱プログレスデザイン。
社長の西川隆さんと、
取締役営業部長の柳本浩三郎さん。
デリシア社長の萩原清さん。
いちやまマート社長の三科正嗣さんを、
ブルーチップ社長の宮本常一さんと囲む。
サミット社長の服部哲也さん。
服部さんに荒井さんの言葉を伝えたら、
「再現性が大事だと、
荒井さんから教えられました」と、
加えてくれた。
原則通りにやるから、
再現性が担保される。
それがスーパーマーケットの鉄則だ。
懇親会のおわりごろに、
マルイチ社長の高木大さん。
いつも元気いっぱい、
うれしくなる。
最後にサンプラザ社長の山口力さん。
パネルディスカッションは良かった。
そして最後の最後はこの人、
AJS会長の田尻一さん。
AJSをよろしくお願いします。
「スーパーマーケットは、
原則通りにやっていれば、
うまくいく仕事です」
すべての人を勇気づける言葉だ。
ありがとうございました。
〈結城義晴〉