池田勇人元首相によって創設された、
保守本流リベラル派の伝統の派閥だ。
いまは自民党岸田派と呼ばれて、
つい最近まで自分が会長を務めていた。
東京地検特捜部は、
安倍派、二階派だけでなく、
岸田派の元会計責任者も、
立件する方針だ。
それを受けての派閥解散宣言。
なんと政治センスのない政治家なのだろう。
「派閥とカネ」の関係を絶つ。
それはかっこいいように見える。
しかし他の派閥がそれに従って、
解散するはずもない。
自分の派閥からも、
反論が出るに違いない。
そして政治生命は危うくなる。
派閥が問題であることは確かだ。
しかし派閥政治はこんなことで、
なくなりはしない。
宏池会だけが衰退していく。
ニューヨーク滞在6日目。
ザ・ニューヨーカー・ウインズダムの朝。
ハドソンヤード。
ハドソン川沿いのエリアを再開発した。
マンハッタンでの過去最大級の複合開発だ。
商業施設やオフィスが立ち並ぶ、
いまや人気のスポット。
今日はロピアNY研修会の第2陣が到着する。
私たちはタクシーを飛ばして、
JFK国際空港へ。
11時過ぎ、
先に入国審査を終えたメンバーが、
ゲートに現れる。
インバウンドのサンプル調査のようだ。
第2陣のメンバー全員が調査に協力。
もちろん、結果は教えてくれない。
2023年1月期の売上高は、
6112億8900万ドル、伸び率6.7%。
100円換算で61兆1289億円。
140円換算では85兆円。
世界最大の小売業にして、
世界最大の企業。
団員たちは班に分かれて行動する。
そして視察後に学んだことを、
実務にどう活かすかを検討する。
帰国後、その発表の場が設けられている。
広いスペースを割いて、
バレンタインデーのプロモーションが展開される。
ウォルマートは徹底的に店内販促を実施する。
価格はエブリデーロープライスだからだ。
有人のレジ。
驚いたことに、この店では
プラスチックバッグの提供を完全に廃止していた。
有料でも配布しない。
環境対策の一環として実施している。
だから顧客たちは皆、エコバッグを持ってくる。
不平不満を言う者はいない。
出口ではレシートチェックをする。
この顧客は堂々と、
ライバルのターゲットのエコバックで買物。
プラスチックバッグの廃止は、
いずれ全小売業に広がっていくに違いない。
次にライバルのターゲット。
ウォルマートと同じビジネスモデルを展開する。
2023年1月期は1091億2000万ドル、
昨対2.9%増。
100円換算で10兆9120億円。
ウォルマートの6分の1の売上げだが、
総合スーパー業態チェーンは今や2社となった。
「複占」の状態である。
売場は天井を張って、
蛍光灯を施し、
赤を基調にしたデザイン。
この店はディスカウントストアとして、
食品は利便性の高いアイテムに絞って品揃えする。
だから先ほどのウォルマートの顧客のように、
ウォルマートとターゲットを使い分ける場合もある。
ターゲットはもともと、
デイトンハドソンという百貨店から発祥した。
だからアパレルは充実しているし、
センスもいい。
バレンタインプロモーションも、
センスのいいプレゼンテーションだ。
ウォルマートが男性的なら、
ターゲットは女性的。
その対比が、
それぞれのポジショニングを明確にして、
三番手の追随を許さない。
ドイツ発祥の小型ボックスストア。
店舗面積1万平方フィートに、
3500アイテムを品揃えする。
店長にインタビュー。
パキスタン出身の優秀な店長、ガラさん。
ウォルグリーンとCVSファーマシーの店長から、
アルディに転職した。
従業員を大事にするアルディに、
満足とやりがいを感じていると強調した。
店長を囲んで全員で記念写真。
とてもいいインタビューだった。
月刊商人舎で紹介しよう。
アルディと同じアルブレヒトファミリー傘下の、
トレーダー・ジョー。
このブルックリン店は、
もともと銀行の建物だった。
だから天井が高く快適な買物空間だ。
いつ訪れても大繁盛している。
レジ待ちの行列は2列になっていて、
店内をぐるりと巡るほど長い。
銀行方式のチェックスタンド設計で、
並んだ順に公平にレジに誘導する。
私たちもトレーダー・ジョーを存分に楽しんだ。
導入部の青果売場は、
見事なボリューム陳列とカラーコントロール。
シーフード売場。
アメリカではシーフードは、
ミート部門に含まれるが、
ホールフーズでは独立部門にしている。
しかも必ず精肉コーナーの前に、
レイアウトされている。
そのミート売場。
鶏肉や脂肪分の少ないビーフが中心。
グレンフェッドよりも、
グラスフェッドのほうが価値が高い。
ホールフーズの店づくりは、
デザイン性に優れている。
その面では他を圧倒する。
このブルックリンのマンハッタン寄りの地区には、
トレーダー・ジョーとホールフーズがある。
それは居住区としての価値を高めている。
すべての視察を終えて、
ホテルにチェックインし、
すぐに夕食会場へ。
事務局席でもカンパーイ。
一日中、車中で講義した。
喉を潤すビールはとりわけうまかった。
シーフードの盛り合わせの後に、
ポーターハウスステーキ。
テンダーロインとサーロインの両方を楽しめる。
赤ワインをいただき、
ステーキを堪能した。
疲れた体にスイーツが染みた。
最後まで大満足の夕食会だった。
ロピアNY研修2024、
第2陣がスタートした。
気力は充実、
体力も十分。
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
ニューヨークでもそれは変わらない。
(つづきます)
〈結城義晴〉