結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年01月19日(金曜日)

「ポジショニング」を求めてNew JerseyからBroadwayまで

ニューヨークはマイナス2℃。
東京はプラス5℃。

温度差がある。

その東京の自民党。
岸田派の宏池会につづいて、
安倍派の清和政策研究会と、
二階派の志帥会が、
解散を決めた。

安倍派は自民党内最大派閥。
福田赳夫元首相が作った派閥。

三つの派閥はパーティー券キックバック事件で、
会計責任者らが逮捕された。

安倍派は多額の裏金づくりが発覚して、
議員が検挙されたが、
二階派と岸田派は収支報告書への虚偽記載で、
会計責任者が立件された。

会長に責任は及ばないのか。

派閥を解消すれば、
その責任は消えてなくなるのか。

派閥は解消されても、
「裏金」は還流する。

そんなこと国民は、
先刻承知だ。

情けない。

さてロピア米国研修第2陣。
ニューヨーク視察は2日目。

朝は結城義晴の講義。

講義に先立って、
恒例のロピアの経営理念と7大用語の唱和。
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ロピアの経営理念、
「私たち『ロピア』は、
『食生活♡♡(ラブラブ)ロピア』をモットーに、
ロープライスのユートピアをつくることを
目標に生まれた会社です。
ユートピアとは、
楽しく感動して
いつも行きたいところです」IMG_1675

会議や新店オープンの際など、
みんなが集まるときには、
常に経営理念を唱和する。
そしてビジョンを共有する。

相川博史団長の朝の訓話。
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急成長するロピアには、
中途採用やスカウトの人材が多い。

ロピアの理念や経営方針を、
相川さんは具体的な事例と、
わかりやすい言葉で説明する。

結城義晴の初日の講義は、
相川さんの言葉を受けて始まる。
商人の「本籍地と現住所」。
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本籍地で学んだことを活かし、
現住所のロピアで活躍してほしい。

アメリカ視察のための、
基本的な態度から初めて、
経済や市場の基礎データを解説。
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どんな内容にも、
ロピアの事例を挟む。
ロピア仕様の講義である。IMG_1703

虫の目は全員が備えている。
だから鳥の目と魚の目を教える。
もちろん心の目を底辺に置いている。
一気呵成、2時間を語り切った。IMG_1694

講義が終わるとリムジンバスに乗り込んで、
ハドソン川をトンネルで越える。
隣のニュージャージー州へ。

そしてウェグマンズの郊外店。
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2500坪で1億ドルを売り上げる。
その市場のような青果売場。IMG_1753

ウェグマンズは多SKU のアソートメントが特徴だ。
そこでファミリーパックの大容量の品揃えもする。
これはコストコ対策だ。IMG_1717

定番商品のバナナ売場は広い。
1ポンド当たり49セント。
オーガニックのバナナは69セント。IMG_1721

対面のデリカテッセン売場。
スライスしたてのハムやチーズを提供。
いつも顧客が並んでいる。IMG_1728

店舗左翼に別棟仕立てで、
ワイン、リカー&ビールの店。
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買いやすく売りやすいテーブルワインから、
高級ワインまで品揃えする。
ウェグマンズは商圏内の需要を、
ごっそり奪い取る。
だから客層を広く設定する。

そのファインワインルーム。
ワインセラーだ。
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2018年オーパスワンは899.99ドル。IMG_1403

ここでリカー店舗の店長インタビュー。
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3種類のワインを試飲させてくれた。IMG_1772

ナビスコのOREO(オレオ)を模倣した、
ウェグマンズのPBを購入。

ウォルマートやアルディも、
同様のPBをつくっている。
それらを車中で試食してもらう。

ウェグマンズの価格は、
アルディと同じ2ドル49セント。
ウォルマートは2ドル58セント。
ウェグマンズは最安値。
グルメスーパーマーケットと、
勘違いされている観のある同社は、
こんなPB戦略をとっている。
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ショップ&ストップ。
ウェグマンズから5㎞ほどにある。
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オランダに本部を置く、
ロイヤルアホールドデレーズ傘下の企業。

このニューヨーク・ニューアーク地区では、
160店舗ほどを展開して、
2番目のシェアを有する。

スーパーストップ&ショップのバナーの大型店。
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天井を一部スケルトンにして、
対面売場を設けるなど、
最新の店づくりの要素を取り入れている。
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しかし対面売場はすでに機能していない。
店舗中央のシーゾナルスペースはガラガラで、
ポップアップセールは展開されていない。
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形だけ真似てもポジショニングがなければ、
コンベンショナルな業態からは抜け出せない。

アメリカのスーパーマーケットの多くが、
こうしたコンベンショナル型だ。

彼らにはもう衰退しかない。
ポジショニング戦略の難しさを、
痛感させられる。

ショップライト。
この地区で115店、19%のシェアをもつ。
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ただし資本の異なる企業が集まって活動する、
ボランタリーチェーンだ。

この店はそのショップライトの中で、
秀逸だ。
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部門やカテゴリーにブランドをつけて展開する。
対面売場のショップが積み重ねられた店だ。
これがこのショップライトの、
ポジショニング戦略である。

インストアベーカリーの中に、
「セレブレーション・ステーション」がある。
お祝い時のケーキを提供するコーナーだ。IMG_1825

ブランドにはそれぞれ、
オリジナルのデザインが施されている。
華やかなサインでも、
全体に調和がとれている。IMG_1839

早速、スモークショップで、
ブリスケットを購入するリーダー。IMG_1848
ロピアの米国研修はどんどん食べる。
それが特徴だ。

華やかな生鮮やデリ・ベーカリー違って、
広大なグロサリーはラックでの展開。
ここにはボランタリーチェーンの商品力が、
いかんなく発揮されている。IMG_1859

ショップライトとストップ&ショップ。
両社のポジショニングの違いは明らかだ。

そしてショップライトの至近距離に、
リドルがある。
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ドイツのシュワルツグループのボックスストア。
アルディと同じフォーマット。

入口のインストアベーカリーは、
独自の什器を使っている。
しかも安くて、そこそこにうまい。
黄色や赤で囲んだ売場は、
今週のプロモーション。
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導入部は青果。
アルディよりも青果、精肉は充実している。
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グロサリーはアルディ同様、
ダンボールカット陳列が基本だ。
その段ボールもプライベートブランドだから、
色指定をして売場に並べると、
カラフルなプレゼンテーションとなる。
「安売り屋」のイメージはない。
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店舗中央の平台には、
「売り切れごめん」の面白グッズが並ぶ。
ウィークリープロモーションコーナー。

結構な掘り出し物があって、
顧客は楽しみにしている。
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ウォルマートはエブリデーロープライス。
ウェグマンズはコンシスタントロープライス。
アルディはウィークリーマーチャンダイジング。

それがリドルのポジショニングだ。

ウェグマンズからリドルまで、
ニュージャージー州での視察を終えて、
マンハッタンへ。

途中でハミルトンパークに寄って、
記念撮影。IMG_1872

曇り空だがマンハッタンの摩天楼がきれいに見えた。
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マンハッタンに戻る途中、
消防車や警察車両が集まっていて、
交通規制。
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火事だったのだろうか。
周辺は一時騒然となった。
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この渋滞を潜り抜けて、
マンハッタンのアップタウンへ。
ブロードウェイ沿いを集中視察。

ゼイバース。
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550坪の2層の店舗で、
1階が食品売場、
2階がキッチン用品売場。

週に4万人が来店する大繁盛店だ。IMG_1898

チーズとデリ、スモークフィッシュ、
そしてコーヒーが有名。IMG_1886

対面売場を中心にしたグルメ専門店だ。
尖がりを持てば1店舗でも、
生き残ることができる。IMG_1892

ブロードウェイを5分ほど南下すると、
シタレラ。
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ニューヨークデリのお店。
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そして魚売場が圧巻。
だから対面の鮮魚コーナーは、
魚種も豊富で、充実している。
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隣には、
フェアウェイマーケット。
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こちらは八百屋出身のスーパーマーケット。
かつてはマンハッタンの王者だった。
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野菜の種類も多くて新鮮。

視察したロピアの団員たちは、
「やっちゃばの匂いがする」
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インストア加工のデリも人気。IMG_1916

店舗奥のブッチャーショップ&フィッシュマーケット。IMG_1927

氷を敷いた貝類のコーナー。
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驚いたのは、これ。
雑貨売場の一角の洗剤コーナーに、
網の扉が設けられて、
鍵が付けられている。
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万引き防止の鍵。
購入したい客はブザーを鳴らして、
店員を呼び出す。
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P&Gの「Tide」も万引きされるのだろう。

ニューヨークでは高額な化粧品などに、
こうした防犯対策を施すが、
洗剤にまでこの対策をとる。

コロナ前から万引きは大問題となっているが、
インフレが重なって、
深刻な状況となっている。

これは「セルフサービスの危機」である。

フェアウェイからさらに数分南下すると、
トレーダージョーとデュアンリード。
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地下1階・2階がトレーダー・ジョー、
地上1・2階をデュアンリード。IMG_1955

トレーダー・ジョーは、
いつ訪れても大量の顧客で賑わっている。IMG_1943

青果売場までレジの行列が伸びている。IMG_1945

地下2階の冷凍食品売場。IMG_1950

人気ナンバー1はマンダリンオレンジチキン。
少し甘い味付けのフライドチキン。IMG_1948

人気商品は冷凍ケースの底が見えるほど、
売れに売れている。IMG_1949

いつの間にかレジ待ちの行列は伸びて、
最後尾を示す旗を持った案内係が登場。IMG_1952

2日目の後半は、
ポジショニングの際立った、
地元スーパーマーケット3店舗。

それらにプレッシャーをかけ続けるのが、
トレーダージョーの大繁盛店。

朝の講義からニュージャージー、
マンハッタンのブロードウェイまで。
2日目の長くて充実した視察も、
無事に終了した。

それにしても、
派閥を解消して、
烏合の衆となってしまったら、
残った派閥から一本釣りで議員が、
刈り取られてしまう。

だから派閥と称することなく、
何らかのグループを維持する。

それは新しい派閥に他ならない。

ポジショニングを喪失した、
小売業の店舗のような政治家集団だ。

衰退していくしかない。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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