ニューヨークはマイナス6℃。
寒いけれど、澄み切っている。
かつてシベリアのハバロフスクで、
マイナス20度を経験したことがある。
外に出ると鼻毛がピリリと凍った。
今のニューヨークはそれほどではない。
ハドソン川が見えて、
その対岸のニュージャージーに、
陽が差している。
10日分の荷造りをして、
ロビーに降りる。
ホテルの外にリムジンバスが待っていて、
一路、ジョンFケネディ空港へ。
浅野秀二先生は一足先に、
午前3時半に発った。
マンハッタンを抜けるまでは、
団長の相川博史さんの最後のメッセージ。
それからサブリーダーお二人から、
伝達事項や感想を語ってもらった。
イースト川を超えて、
ブルックリンに入ると、
最後の車中講義。
エピローグ➀は、
「アワー・ポリシー」
スチュー・レオナードの「Our Policy」
Rule1 The Customer is Always Right!
原則1 顧客はいつも正しい。
Rule2 If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.
原則2 もし顧客が間違っていると思っても、
原則1を読み返せ。
つまりは顧客はいつも正しい。
この顧客こそロイヤルカスタマーだ。
親友のようなロイヤルカスタマーは、
いつも正しい。
一方、イータリーの「Our Policy」
1 .The customer is not always right.
顧客はいつも正しいわけではない。
2. Eataly is not always right.
イータリーもいつも正しいわけではない。
3. Through our differences, we create harmony.
顧客とイータリーの差異が調和を創り出す。
20世紀に最盛期を迎えたレオナードは、
生真面目に顧客をとらえる。
The Customer is Always Right!
21世紀に登場したイータリーは、
現実のものとして顧客をとらえる。
The customer is not always right.
レオナードは顧客との主従の関係を重視する。
イータリーは顧客との対等の関係を志向する。
主従の関係を「サービス」という。
対等の関係を「ホスピタリティ」。
いま、ホスピタリティの時代に変わった。
リッツカールトンのクレド。
We are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen.
私たちは、紳士淑女にご奉仕する紳士淑女です。
私たちと顧客は対等である。
紳士淑女という事実において。
その前提の上で、
私たちは顧客に奉仕する。
エピローグ②はInnovation。
ピーター・ドラッカーは、
イノベーションの事例を1000件、集めた。
そして多い順に分類した。
一番多かったイノベーションは、
「予期せぬもの」だった。
二番目は負のニーズ・ギャップ、
三番目は明らかなニーズ、
四番目は産業構造変化、
五番目は人口動態変化、
六番目は認識の変化、
そして七番目、一番少なかったのが、
発明・発見だった。
「イノベーション」の定義。
それは新しい、より大きな富を生むことである。
ここでいう「富」とは、「利益」ではない。
英語でwealth、価値。
いわば「幸せ」のようなものだ。
「イノベーションとは、
顧客にとっての価値の創造である。
それは科学的・技術的重要度ではなく、
顧客への貢献によって評価される」
「イノベーションの必要性を最も強調すべきは、
技術変化が劇的でない事業においてである」
商売の世界こそイノベーションが必要で、
それを高く評価すべきである。
イノベーションの5つの原理。
第一は、機会を徹底して分析する
第二は、自分の目と耳で確認する
第三は、焦点を絞り、単純なものにする
第四は、小さくスタートする
第五は、最初からトップの座をねらう
そしてイノベーションの三つの「タブー」
第一に〈凝りすぎ〉ること
第二に〈散漫〉になること
第三に〈未来のためだけに〉行われてしまうこと
イノベーションこそ、
我々の仕事である。
最後にマザー・テレサのことば。
Be careful of your thoughts,
for your thoughts become your words;
思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。
Be careful of your words,
for your words become your deeds;
言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。
Be careful of your deeds,
for your deeds become your habits;
行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。
Be careful of your habits,
for your habits become your character;
習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。
Be careful of your character,
for your character becomes your destiny.
性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから。
思考に気をつけよう。
それは言葉になり、行動になり、
習慣になり、性格になり、
最後に運命を決定づける。
最後の最後に、
人間を構成する4つの要素。
①Personality[個性・性格]
②Preference[好み・嗜好]
③Behaviors[行動・態度]
④Perception[認識・知覚]
➀と②は変えられない。
変える必要はない。
③はすぐに変えられる。
だからBehaviorsを変えよう。
すぐにも変えよう。
すると④が変わってくる。
自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
職場を変えることはできない。
自分が変わらねば、
売場を変えることはできない。
自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
社会を変えることは出来ない。
それが結城義晴のメッセージだ。
お世話になったガイドの富澤由紀子さん。
ありがとうございました。
そして第2陣の全員写真。
手でつくっているのはロピアのモットー。
♡♡ロピア。
〈結城義晴〉