日本は建国記念の日。
その3連休。
建国記念の日の祝日は、
戦前までは「紀元節」だった。
その紀元節は、
「日本書紀」で神武天皇が即位した日とされる。
神話の世界の話だが紀元前660年1月1日。
これは旧暦だから、明治時代になって、
グレゴリオ暦に変えて2月11日となった。
だから建国記念の日は、
中国などで行われる「春節」と近い。
春節は旧暦の元日である。
今年の春節は2月10日。
アメリカでも中国人の多いエリアでは、
春節をプロモーションテーマにする。
ザ・ニューヨーカー・ウィズダム。
今年のロピア研修会の宿泊ホテル。
ミッドタウンにあって、
ペンシルバニア駅があり、
マディソンスクエアガーデンがある。
メイシーズ本店も近くにある。
2階のホールで、
朝8時から最初の講義。
まず米国小売業から学ぶために、
知っておかねばならないことを説明する。
10時までの2時間講義。
ロピアの企業コンセプトや、
ストアフォーマットと絡めて、
結城義晴の戦略論を語る。
10時に講義を終えると専用バスに乗り込む。
ハドソン川をくぐって、
ニュージャージー州へ。
一丁目一番地の売場で、
強烈なファーストインプレッションを与える。
カットフルーツコーナーでも、
バレンタインがテーマ。
もう一つの販促テーマは、
スーパーボウル。
アメリカンフットボールのNFLで、
2023年シーズンの年間王者を決定する。
ウェグマンズの合言葉は「For the Win」
明日の2月11日に行われる。
全米ナンバー1のスポーツイベントだ。
58回目を迎えて、
すべてのアメリカ人が、
このイベントを楽しむ。
スタジアムで楽しめる人はほんの一握り。
大抵は家でTV観賞する。
その際のデリや調理済み食品、
スナックなどを品揃えする。
サンドイッチの大容量サイズ。
大きな丸型容器に、
花が開いたように盛り付ける。
ミールキットメニューを揃える。
焼くだけ、あるいはオーブンに入れるだけ。
しかも、ファミリーパックサイズ。
スナック売場のスーパーボウルの仕掛け。
足元はフィールドコートの演出。
店長はいわく、
「今、トレンドはビールのカクテル」。
それを試飲をさせてくれた。
車内ではオレオクッキーと、
オレオ仕様のウェグマンズのPBを試食。
ショップライト。
ボランタリーチェーンだが、
この店はその中でも最高峰。
入口を入った導入部ではやはり、
スーパーボウルのプロモーション。
「Great For Game Day」
サンドイッチやチキンウィング。
スーパーボール向けのカップケーキ。
丁寧な商品づくりだ。
青果部門はウェグマンズほどではないが、
力の入った品ぞろえだ。
私はランチにスモークブリスケットを、
ハーフポンド注文した。
スライスしてもらって、
イートインスペースで寿司と食べた。
醤油をかけたらうまかった。
ショップ&ライトの向かい側に、
リドル。
ドイツのボックスストア。
リミテッドアソートメントストアで、
アルディのライバル。
格安のプライベートブランドを開発する。
さらに入ると、
バレンタインのブーケ。
ボックスストアでも、
プロモーションテーマをしっかり打ち出す。
売場の導入部にあるのが、
インストアベーカリー。
オリジナルの什器で販売する。
団員たちは購入して試食。
今週のお買い得品コーナーで、
バレンタインチョコの展開。
アルディよりも生鮮が充実している。
店の真ん中には平台の非食品売場。
水曜日に新商品が届く。
それらはすべて、
売り切れ御免のポップアップ販売。
これがリドルの特長だ。
さらに、
ストップ&ショップ。
東海岸のローカルチェーン。
オランダのアホールドデレーズに買収された。
ニューヨーク市では、
ショップライトに次いで、
2位の市場シェアをもつ。
しかし売場には割引セールのPOPが氾濫。
1個買えば、1個タダでもらえる販促。
コンベンショナルなスーパーマーケットが、
ほかにやることがないから展開する売り方だ。
エブリデーロープライスの後ろでは、
セール、セールのPOP。
自己矛盾。
こちらの売場は、
カテゴリーごと欠品だらけ。
補充もされていない。
コンベンショナルなスーパーマーケット視察も、
とんがりの意味を考えるときに役に立つ。
マンハッタンに戻る前に、ちょっと観光。
対岸の摩天楼が見えるハミルトンパーク。
マンハッタンに戻って、
アッパータウンへ。
ブロード沿いの店舗を見て回る。
ゼイバース。
たった1店舗だけだが、
常連顧客に支えられて繁盛している。
チョコレートコーナー。
棚に赤いハート形のモチーフを飾るだけ。
シンプルだ。
バレンタインもスーパーボウルも、
あまり意識していない。
いつものゼイバースだ。
2階にキッチン用品などの雑貨を品揃えする。
階段の踊り場では、
ゼイバースブランド商品を陳列。
エコバックやマグカップ。
団員たちも、
お土産としてずいぶん購入していた。
隣接しているゼイバースカフェ。
ここでも団員たちが行列している。
魚屋出身とあって、
魚種も豊富だ。
もちろん対面販売。
団員からは「値段が高い」の声。
その通り。
アッパータウンの高所得者層を、
メイン顧客にして生き残る。
店舗の外側、道路に面して、
簡単な囲いを付けて、
お買い得品コーナーを設ける。
フェアウェイは青果が強い。
しかし10年前に比べると、
ずいぶん商品陳列量が減った。
対面のデリ売場。
シタレラとも違う、
独特の味付けで競い合う。
棚には商品がぎっしり。
ニューヨーカーの多様なニーズに応える。
シタレラが高所得者狙いなら、
フェアウェイマーケットは幅広い客層を狙う。
地下1階・2階の2層店舗。
トレーダー・ジョーが出店して、
周辺のスーパーマーケットは、
大きな影響を受けた。
このエリアの一番店だ。
ベーカリー売場のバレンタインコーナー。
チョコやクッキーなどが並ぶ。
壁面のイラストが変わった。
それでも一番人気は欠品させない。
「殿堂入り」したマンダリンチキンオレンジ。
ゼイバースもトレーダー・ジョーも、
スーパーボウルやバレンタインの販促は、
控えめだ。
隣のデュアンリード。
ニューヨーク発祥のドラッグストアチェーン。
現在はウォルグリーン傘下。
アメリカのドラッグストアは、
日本のコンビニエンスストアの役割を兼ねる。
1階のコンビニ売場には、
ちょっとだけバルーンを揚げて、
バレンタイン販促。
視察研修2日目はニュージャージーから、
マンハッタンまで。
今日は最高気温が15度で春のような陽気。
視察日和だった。
夜は団長の井上裕一さんを囲んで
日本食レストランで会食。
井上さんはロピア九州営業本部長。
コーディネーターの浅野秀二さん、
現地ガイドの富澤由紀子さんと、
商人舎GM亀谷しづえの5人。
朝の講義から始まって、
車中講義を続けた、長い1日だった。
少し疲れた。
それでも充実したロピアNYC研修。
一人ひとりが目に見えるように成長している。
〈結城義晴〉