ロピア2024ニューヨーク研修第3陣。
視察も最終日。
朝8時から恒例の結城義晴の講義。
全員が集まったら時間前でも始める。
井上さんは商人舎の海外視察にも、
何度も参加している。
ニューヨークで学んだことを、
一つでもいいから、
現場で実践してほしいとエール。
ロピアは中途採用者やスカウト組が多い。
つまり異なる本籍地をもつ者が多数在籍する。
「人材の多様性」が特長の組織である。
それぞれの本籍地で学んだことを大切にしつつ、
現住所のロピアで躍動してほしい。
2日目の講義は、
ロピアの経営戦略の根幹となっている理論を、
ロピアの事情に合わせて語る。
レース型競争とコンテスト型競争、
寡占・鼎占・複占と範囲の経済。
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
フォロワーとニッチャー。
そして業種・業態とフォーマット。
ポジショニング戦略。
アメリカの現物を見せた後で、
理論を説明すると、
日本で講義をするよりも、
はるかに理解が進む。
第3陣だから三度目の講義だ。
しかし同じ話を三回繰り返すわけではない。
それぞれにチームの理解度を測りながら、
強調するところ、繰り返すところなど、
ポイントを変えて講義をする。
ホールフーズの元副社長ウォルター・ロブの言葉。
「私たちはマーケットシェアの概念の代わりに、
マインドシェアを使っています。
マインドシェアとは顧客の心の中に占める、
ホールフーズの占有率です」
これこそロピアの戦略だ。
最後の最後は、
ポジショニング戦略10の決め手。
その第1の決め手。
「変化が激しくなるほど、
変わらないものの価値は上がる」
遠くに自由の女神が見える。
9・11メモリアル。
ワンワールドトレードセンター。
2001年の世界貿易センターの同時多発テロでは、
ツインタワーにいた3000人ほどの人が亡くなった。
グラウンドゼロの慰霊プールには、
犠牲になった一人ひとりの名前が刻まれている。
短い観光を終えて、
向かったのは、
ウェマンズ。
ワナメイカー百貨店跡地のビル。
1階と地下1階が売場の2層店舗。
昨日はウェグマンズの郊外店を見た。
今日はマンハッタン進出1号店、
大都市型の店舗を学び。
真っ先に「SAKANAYA」責任者の、
エイドリアンさんにインタビュー。
日本の魚屋をマンハッタンで再現した。
彼は本当に勉強熱心で、
ウェグマンズで働くことに、
強い使命感をもっている。
いつも違ったエピソードを交えて、
面白く話してくれる。
団員の質問にも丁寧に答える好青年だ。
休日の今日はマグロの解体ショーが行われる。
エイドリアンさん自ら包丁を握り、
ショー化されたプレゼンテーションを展開する。
みごとな完全養殖の本マグロが、
解体ショーを待っている。
今夜は全米ナンバー1のイベント、
「スーパーボウル」が開催される。
食品を買って自宅でTV観賞する人、
スポーツバーで応援する人。
昼にもかかわらず、
自宅派の買い出し客でレジには長蛇の列。
車中では店舗を見た後の解説講義をする。
これによって理解が深まるし、
見解が集約される。
青果売場はイタリアの八百屋風で、
コンパクトだ。
白い什器使いで商品が映える。
EATALYは、EATとITALYを合わせた造語。
イタリア料理を食べさせ、
イタリア食材を売る店だ。
テーブルの上で生パスタをつくっている、
その作業を鏡に反射させて、顧客に見せる。
食べる、買う、学ぶ。
食堂であり、市場であり、学校である。
それがイータリーのコンセプトだ。
カプチーノと小さなケーキをいただいた。
1階のエスカレーターのところに、
美しいバナナとリンゴの陳列。
そしてバレンタインプロモーション。
都市型店舗として、
全体に白を基調にして、
洗練されたデザインを施す。
バナナ売場もユニークだ。
ウェグマンズが市場風ならば、
ホールフーズはアーティスティック。
そんなプレゼンテーションの違いがある。
シーフード売場は対面方式の平冷蔵ケース。
これもウェグマンズの魚屋とは対比的だ。
レジは完全セルフ。
アメリカのスーパーマーケットではもう、
当たり前になってきた。
ホールフーズには、
広いイートインコーナーがある。
これがウェグマンズ・アスタープレイス店と、
大きな違いとなっている。
団員たちはホールフーズで買ったスープやデリと、
持ち込んだウェグマンズの寿司やデリでランチ。
こうして最終日の視察は終了した。
ホテルに戻ると、
いよいよ自由研修時間。
トレーダー・ジョーや、
ホールフーズを巡るもよし。
メイシーズで買い物するもよし。
メトロポリタン美術館の鑑賞もよし、
五番街散策もよし。
大いにニューヨークを楽しんでほしい。
(つづきます)
〈結城義晴〉