帰国の朝。
9時にリムジンバスで出発。
ジョンFケネディ空港に向けて。
マンハッタンを出るまでは、
ガイドの富澤由紀子さんにマイクを渡して、
最後の観光案内。
摩天楼がうしろに見えるころ、
団長の井上裕一さんから、
最後のメッセージ。
それから第4団リーダーの宋昌錫さんも一言。
そのあとは最後の結城義晴の講義。
今日も40分ほど。
第四部「商品が変わる」
商品問題を簡潔に言えば、
コモディティ化の進捗である。
ロピアのチーフたちにも、
それへの対応が求められる。
しかし世界史上でコモディティ化を、
逆手に取って成功した例がある。
ウォルマートのサム・ウォルトンである。
サムは1980年に、
モーターオイル1品目から、
エブリデーロープライスを始めた。
それこそコモディティ化を認識した、
優れたマーケティング感覚だった。
最後の講義のもう一つのテーマは、
ロイヤルカスタマーとイノベーション。
小売業・サービス業の究極の仕事は、
ロイヤルカスタマーをつくることだ。
そのロイヤルカスタマーとは、
その店、その企業の商品やサービスに
心から満足し、繰り返し利用してくれるお客様。
顧客はきちんと対応すれば戻ってきてくれる。
商品はきちんと取り扱えば戻ってこない。
もう一つはイノベーション。
イノベーションの原理は、
焦点を絞り、単純なものにする。
そして小さくスタートする。
ウォルマートには、
「グリーター制度」があった。
すなわち店頭の挨拶係の制度だ。
ウォルマートには、
全店の入り口で挨拶する係がいた。
それがウォルマートのホスピタリティを、
象徴し、成果を上げていた。
これを考え出したのは、
一人のパートタイマーの女性だった。
イノベーションとは、
シンプルなものだ。
そして小さくスタートさせるものだ。
空港に近づくと、
マザー・テレサの言葉。
Be careful of your thoughts,
for your thoughts become your words;
思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。
Be careful of your words,
for your words become your deeds;
言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。
Be careful of your deeds,
for your deeds become your habits;
行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。
Be careful of your habits,
for your habits become your character;
習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。
Be careful of your character,
for your character becomes your destiny.
性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから。
私の海外研修は、
多くの店を見せる。
多くの情報を知らせる。
そして考えさせる。
思考を深めさせる。
思考が言葉になり、
言葉が行動になり、
行動が性格になり、
性格が運命を決める。
良く考えよ、
深く思考せよ。
それが結城義晴の最後のメッセージだ。
空港に到着。
空いていて、あっという間に、
チェックインの手続きが済んだ。
いかがでしょう。
みんな成長したでしょう。
それから手荷物検査。
アメリカは入国検査は厳しいが、
出国検査は簡素だ。
日本航空は約20 年ぶりに、
国際線新フラッグシップを導入した。
エアバスA350-1000型機。
今回は往復ともにこのA350-1000に当たった。
お陰様で快適だった。
飛び上がると光る海。
二つの摩天楼群。
ジェット機は回り込んで、
再びマンハッタンを見せてくれる。
碁盤の目のマンハッタン。
太平洋は雲に覆われていた。
そして千葉県が見えた。
東京羽田国際空港。
バッゲージクレイムで、
みんなと握手して別れた。
それからリムジンバスで横浜へ。
みなとみらいが見えてくると、
ホッとする。
お疲れ様。
帰国しました。
すべての人に、
ありがとう。
〈結城義晴〉