結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年03月04日(月曜日)

「1200食のマーケティング」と「良く噛んで食べる」

Everyone, Good Monday!
[2024vol⑩]

2024年第10週。
3月に入って第2週。

月刊商人舎3月号の追い込み入稿。

昼過ぎに黒田節子先生から、
突然の電話をいただいた。

驚いた。

89歳になられた。

それでもお元気な声は、
まったく変わらない。

マーケティングの世界では、
良く知られた先生だ。

その著書の三部作。
『食卓革命』(1984年、日本経済新聞社刊)
『1200食のマーケティング』(商業界刊)
『売り方革命』(1990年、有斐閣刊)

私は商業界刊の2冊目にかかわった。
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「あの頃、私、
働きすぎちゃったのよ」

そう、おっしゃった。
その後はヨーロッパに通い詰めた。
やり残したことを、
やりつくすように。

そして黒田先生は今、藤沢在住。

積もる話が溜まっている。

来週、さっそくお会いすることにした。
うれしい限り。

2010年10月の商人舎標語。
タイトルは、
「良く噛んで食べる」

――日本人は1年間に1200回食事する。
朝昼晩の食事以外に、
間食、夜食、つまみ食い、おやつなど、
すべて含めると365日で1200回になる。

それが黒田節子著、
『1200食のマーケティング』の根拠となった。

この1200食をすべて、
「良く噛んで食べる」

するとすべてが良い循環に変わる。

拙著『メッセージ』から。
「良く噛んで食べる」

人間ドックに入って出てきたら、
金属疲労のごとく、
いっせいにチェックが入れられた。
全身疲労の四十九歳。

要は、
体重を減らせ、
痩せろ、
節制せよ。

そこで、考えた。
「良く噛んで食べる」
これに徹しよう。
そうすればすべて上手くいく。

まず消化がよくなる。
胃腸の負担が軽くなる。
歯が丈夫になる。
顎も発達する。

食べ物の味が分かるようになる。
食べる時間は長くなるが、総体的に量が減る。
量が減れば、少しだけお金もかからなくなる。
その分、美味しいものを食べようと努力する。

うん、
すべてよくなる。
健康になるはずだ。
しかし困った。

「良く噛んで食べる」とは、
いったいどうすることなのか。
そこで再び、考えた。
「心の中で数えながら噛む」

最低40回、あるいは48回。
この習慣をつける。

「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………

このくらいで、たいていのものは、
心地よく口の中から消えていく。
きちんと噛むために、適当なかたまりを、
順序よく口の中に入れるようになる。

食物の堅さにも、
関心を払うようになる。
すべてよくなる。ときどき、
舌や唇を噛んでしまうこともあるが。

しかしみたび、考えた。
この私の「食べるマニュアル」は、
果たして、
食事時だけのものなのか。

実は、これが何にでも使える。
事実も、問題も、「良く噛んで食べる」
苦情も、報告も、「心の中で数えながら噛む」
目がさめている限り、何でも。

「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………
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49歳の販売革新編集長のときの巻頭言です。

私は今も、気がついたら、
心の中で数を数えている。

それが自制となる。
我慢となる。
それが熟考につながる。

黒田節子先生の電話から、
ここまで来てしまった。

ありがとうございました。

今週は、月刊商人舎の最終入稿。
そのあとは単行本の執筆。

さて日経新聞本誌の一面の右片隅に、
「格安店の出店加速」

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。
長いネーミングだなあ。
略してPPIH。

「格安が売りの“ドン・キホーテ”などの出店を
2024年6月期に前期比5割増やす」

「ディスカウント型の食品スーパー“ロピア”も
25年2月期に前期比3割増の20店出す」

「ハレの日などには高額品を買う一方、
生活必需品は節約する選別消費が
一段と強まっていることに対応する」

私の言う「享楽円と禁欲円」である。

PPIHは23年6月末に国内486店舗を抱える。
6月末までに25店舗以上を新規に出す計画。
出店ペースは前期の16店の1.5倍。

「3月中旬にはダイエー成増店跡地に、
都内最大級の店舗を開く。
24年末には高知市に新店を開業し
ドンキの全都道府県出店を達成する見通し」

一方、OIC(オイシー)グループ。
傘下には「ロピア」や「アキダイ」、
そして上場企業の「スーパーバリュー」。
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「25年2月期にロピアを
前期比3割増の20店出す計画」

イトーヨーカ堂の北海道・東北の店が含まれる。

「神奈川地盤ながら全国に約90店あり、
32年2月期までにはさらに
300店規模に増やしたい考えだ」

ドンキをダシにして、
ロピアとOICグループを、
新聞一面でお披露目する。

そんな印象の記事だ。

こんな記事も、
よく噛んで食べる。

そうすると、裏側が見えてくる。
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では、みなさん、今週も、
よく噛んで食べよう、何でも。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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