すでに発表されているのが、
「(仮称)ヒューリック東大和SC計画」である。
ヒューリック㈱は東証一部上場の不動産会社だ。
コロナ禍中の2021年9月、
イトーヨーカドー鶴見店を譲受して、
「リコパ鶴見」をオープンさせている。
そのリコパ東大和のオープンは2025年春。
イトーヨーカドーは、
食品スーパーマーケットになる。
ただし衣料品売場は、
先駆けて専門店実験を始めた。
緊急の記者発表があって、
山本恭広商人舎編集長が取材に行った。
商人舎流通SuperNews。
イトーヨーカ堂news|
3/15「FOUND GOOD」東大和に開設/250坪最大規模
㈱アダストリアとイトーヨーカ堂がコラボして、
平場のアパレルショップを開発した。
月刊商人舎3月号。
特集「アパレル改革」
お陰様で大好評。
各社の衣料品部隊が読んでくれて、
研究に余念がない。
小島健輔さんの分析。
「イトーヨーカ堂FOUND GOOD検分」
簡潔に言えば平場型SPA。
東大和はそのファウンドグッドの250坪タイプだ。
これで100坪型、150坪型、200坪型に加えて、
250坪型がそろった。
4タイプのフォーマットとなって、
これを専門店展開するプランだ。
今回はビジネスシャツ、子供服、
そして雑貨の品ぞろえを増やした。
執行役員の梅津尚宏専門店事業部長が、
丁寧に解説してくれた。
ファウンドグッドカフェも併設された。
セルフサービス型喫茶。
道路を挟んだ向かいには、
ヤオコーマーケットプレイス。
1998年の狭山店リニューアル、
2003年の川越南古谷店、
2012年の川越的場店、
そして2013年の東大和店。
ダブルコンコースのエントランス売場。
20台のチェックスタンドのうち、
14台が稼働して大盛況。
ヤオコーのショッピングセンターには、
ユニクロ、デコホーム、ABCマートがそろう。
イトーヨーカドー側には、
新たにGUが入る。
ファウンドグッドと連携を組むことになる。
さてその出来栄えは。
成果があがったらまた報告しよう。
イトーヨーカドー東大和が、
ヤオコー東大和店に、
ショッピングセンターとしても敗北した。
そう考えられるが、
それだけではないのかもしれない。
朝日新聞「折々のことば」
第3028回。
人間は意味のないことを
やりとりするときにこそ、
仲がよくなる。
(伊藤雄馬)
タイの少数民族・ムラブリの言語の研究者。
タイやラオスの山岳地帯に暮らす少数民族。
人口は推定500名前後。
ムラブリ語には文字がない。
話者数が減少し続ける。
だから消滅の危機の「危機言語」に指定されている。
伊藤さんはその危機言語を研究する。
1986年、島根県生まれ。
2010年、富山大学人文学部卒業。
横浜市立大学客員研究員。
「ムラ」は「人)、「ブリ」は「森」。
ムラブリは「森の人」。
森のなかで狩猟採集をしながら、
遊動生活をしていた。
現在は定住化が進んでいる。
ムラブリの人たち。
「『どこ行くの?』という挨拶一つとっても、
声をかけあうこと自体に意味があって、
正確な情報を求めているのではない」
「むしろ返答は『テキトー』なほうがいいのだ」
「ごはん食べた?」
これは朝の挨拶語。
編著者の鷲田誠一さん。
「そういえば私も若い頃、
近所の一世代上の人と
毎朝こんな挨拶をしていた」
「どちらへ?」
「ちょっとそこまで」
「早(はよ)うお帰りやす」
考えてみるとお店も、
こんなやり取りで成り立っているのがいい。
人間の交流の基礎にあるもの。
それがお店である。
イトーヨーカドーもヤオコーも、
この人間の交流の場である。
無理に競争を意識する必要はない。
人間の交流の場として、
人々に選ばれることが、
店として大切なのだ。
消滅の危機にあるムラブリ語。
教えられることばかりだ。
〈結城義晴〉