結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年03月21日(木曜日)

日経一面/イオン・ライフ・万代・ヤオコーの「非正規社員待遇改善」

春分が過ぎたのに、
酷く冷たい北風が吹く。

寒い。

春風や闘志いだきて丘に立つ
〈高浜虚子〉
OIP

日経新聞一面、
トップ記事。
「非正規社員も待遇改善」

イオングループの40社。
約40万人のパートタイマーを擁する。
国内最大。

2024年度以降、
正社員と同等の基本給や手当を、
パートタイマーに支給する。
その制度の導入を検討。

同一労働同一賃金。

まずはイオンリテールが先行して導入していた。

昇格試験に合格し、月120時間以上働くと、
この制度の条件をクリアして、
正社員と同じ待遇となる。

売場責任者を務める約150名が、
すでに登用されている。

一部地域では従来と比べて、
2割程度年収が上がった。

この制度を今後、
40社のグループ企業に広げる。

ライフコーポレーションも、
勤務する地域・店舗を絞った「限定社員」の種別を廃止。
正社員と同じ待遇とした。

限定社員から転換した正社員は、
年収が平均15%程度増加した。

万代ではすでに「ゼネラル社員」と称して、
同じように処遇している。

サブチーフアセスメントという試験をパスすると、
「ゼネラルさん」となる。
彼女たちが大きな戦力になっている。

さらにヤオコーも23年、
正社員のみ有給休暇扱いとしていた、
「配偶者出産休暇」を、
パートについても有給とした。

スーパーマーケットの従業員のうち、
非正規待遇の割合は2023年で71%。

2020年に同一労働同一賃金制度が導入された。
ごくごく当たり前の制度だが、
その後も正規雇用と非正規雇用の待遇格差はあった。

22年の1時間当たりの給与で比較すると、
非正規雇用は正社員の7割の水準。

まだまだ格差はある。

しかし同じ仕事をしていれば、
同じ報酬をもらうことは、
当たり前の公平の考え方だ。

いつも書くけれど、
イオンが先鞭をつけたことを、
斜に構えて見てはいけない。

創意を尊びつつ良いことは真似よ。

イオンやセブン&アイが始めたら、
それはやがて日本全国の水準になっていく。

人員確保の競争となる。

時給競争だけでは時代遅れなのだ。

同じ仕事をしてもらっていて、
賃金が低かったとしたら、
それは会社が搾取していたのだ。

そんな当たり前の時代になった。

経営者層、管理者層は、
そのことを強く自覚しなければならない。

再び虚子。
闘志尚存して春の風を見る

改革を成し遂げるには、
闘志が必須だ。

〈結城義晴〉

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