毎日、桜を楽しむ。
雨の中の桜も、なかなかいい。
1日がかりで、
最後の原稿を全部書き上げて、
責了した。
それから「結城義晴の定義集」、
表紙の特集タイトルとCover Message、
さらにMessage of April。
これらも書き終わった。
いい出来栄えの一冊です。
自分で言うのも恐縮だが、
チェーンストアやリテールを専門的に掘り下げて、
このクオリティと品格を保つ雑誌は、
歴史の中でも稀だと思う。
そのくらいの気概で取り組んでいる。
ご期待ください。
さて、静岡県の川勝平太知事。
失言だらけ。
あまりにひどい言説を自ら認めて、
昨年の冬の知事のボーナスを返上すると言った。
しかし実際はいつまでも返上しなかったので、
県議会が条例を可決して、
知事の冬季ボーナスと12月の月給をカットした。
そしてまたまた失言。
今度は6月いっぱいで辞任すると言い出した。
その辞任の時期は夏のボーナスのあとだ。
川勝平太、老害だ。
最後の失言は、
県庁の新入職員への訓示で出た。
「実は静岡県庁というのは、
別の言葉で言うとシンクタンクです。
毎日毎日野菜を売ったり、
あるいは牛の世話をしたり、
あるいは物を作ったりとか
ということと違ってですね、
基本的に皆さま方は頭脳、知性の
高い方たちです。
ですからそれを磨く必要がありますね。
磨き方はいろいろあります」
これは「士農工商」の序列を言っている。
野菜を売ったりの商と、
牛の世話をしたりの農と、
物を作ったりの工。
自分たちは「士」であるから、
頭脳と知性が高い。
失言ではない。
腹の底から、
こんな偏見が染みついている。
だから次々にこういったことが、
口をついて出てくる。
ピーター・ドラッカーは、
ナレッジ・ワーカーと言う概念を主張した。
それからヒントを得て、
私は「知識商人」と言っている。
商人は、知識と知恵の仕事の人なのだ。
農業も工業も、
知識と知恵の体系で成り立っている。
川勝平太、許さない。
川勝は早稲田大学政治経済学部教授、
静岡文化芸術大学学長などを経て、
静岡県知事となった。
75歳の団塊の世代。
2008年刊の『産業人の未来』
ドラッカー著。
この赤本では、
帯の言葉を書いている。
しかし川勝の言動は、
ドラッカー思想とは、
真逆にある。
断じて許さない。
夏のボーナスさえ、
支給してはならない。
さて、西友。
またまた大ニュースを発表した。
商人舎流通SuperNews。
北海道に続いて、
九州の店舗事業の譲渡決定を発表した。
九州事業とは店名「サニー」の67店と、
「西友」の長崎駅店、道の尾店の2店。
相手は㈱イズミ。
大久保恒夫社長のコメント。
「日本には地域ごとに非常に豊かな食文 化があり、
きめ細かな対応が必要です。
北海道および九州ともに
順調に利益を生み出してきましたが、
今後は本州をコア地域として、
200強の店舗において最高の価値を提供すべく
経営資源を集中させることとしました」
イズミnews|
西友の九州事業を取得/サニーなど69店舗年商970億円
西友の九州の店舗を事業継承するのは、
イズミとその連結子会社㈱ゆめマート熊本だ。
69店舖は2022年12月期で、
年商970億円、売上総利益267億円。
8月1日からイズミグループとなる。
㈱サニーは1963年に、
百貨店の岩田屋と伊藤忠商事の共同出資で設立。
福岡生まれの私は、
サニーの人たちと長らく、
親しくしていた。
私の従弟はサニーで精肉のバイヤーをしていた。
2004年に西友の完全子会社となった。
それからウォルマートの孫会社となり、
西友に併合されて今度は、
店舗と従業員がイズミの傘下に入る。
イズミにとっては実にいい「買物」だった。
イズミは「2030年長期ビジョン」を打ち出していて、
中四国・九州地域を軸とした300店舗体制、
営業収益1兆円の達成を掲げる。
それに大きく近づく案件だった。
サニーの人たちにも、
「商人の本籍地と現住所」のことを言おう。
商人には本籍地がある。
それは今もサニーだ。
そして現住所がイズミに変わった。
こちらでも全力を挙げて、
知識商人を貫いてほしい。
ちなみに私の現住所は、
いまでも福岡県福岡市早良区にある。
サニーの店と人は、
私の同志だと思っている。
頑張れ。
〈結城義晴〉