横浜の桜。
土日曜、月曜と動き回って、
かなり疲れたので午前中は休養をとって、
午後、出社。
1時半からオンライン会議。
5月の商人舎US研修会ベーシック編。
入念に打ち合わせした。
そのオフィスに「セルコレポート」が届いた。
私の連載「艱難は商人を鍛える」
第24回となる。
1年に12回だからもう2年となる。
「セルフサービスを発明した
クラレンス・サンダースや
ダイエー創業者の中内功さんの物語から紐解いて、
さまざまな商人の
艱難のストーリーを書いてきました。
そんな艱難の商人の物語を書いていて、
『お前にはそれはないのか』と問われそうです。
そこで連載の2回分だけ、
自分のことを書かせてもらいます」
タイトルは「結城義晴の右目の艱難」
ご愛読のほどを。
さて今日は午後6時半に、
イトーヨーカ堂のニュースが、
ネット上を飛び交った。
共同通信の配信。
産経新聞、新潟日報、
スポニチなどが、
電子版で報道した。
「セブンがヨーカ堂を上場へ
祖業のスーパー事業分離」
「関係者への取材で分かった」とある。
「イトーヨーカ堂の業績は
不振が続いていたが、
合理化で再建への方向性が見えたとして
上場を目指す」
「同社のスーパー事業の立て直しは
最終局面を迎えた」
「上場に数年はかかる見込みで、
上場後もセブン&アイは一定の株式を保有し、
協力関係を継続するとみられる」
イトーヨーカ堂を、
セブン&アイから分離して、
それから再上場するというストーリー。
ん~。
すると日経新聞電子版が、
23時半にこれらを訂正するような記事を載せた。
「セブン、イトーヨーカ堂株を一部売却へ
外部資本を活用」
「セブン&アイは
イトーヨーカ堂などのスーパー事業の株式を
2026年以降に一部売却する検討に入った」
「ヨーカ堂で構造改革を進めて
外部資本も入れて再成長を目指す」
「祖業であるヨーカ堂を非中核と位置付け、
コンビニエンスストア事業に集中して
一連の構造改革にめどをつける」
やはり。
売却に関しては、
「中間持ち株会社を設立」する。
その下にヨーカ堂やヨークベニマルなどを、
ぶら下げて中間持ち株会社に外部出資を募る。
その際、新規株式公開も検討。
中間持ち株会社に対しては、
セブン&アイの持ち分は過半も含めて、
今後、詰めていくが、
一定比率は維持してグループに残す方針。
日経の取材にセブンが答えて、
この記事が出来上がった。
明日の決算発表の席で、
井阪隆一社長が同じ趣旨の説明をするはずだ。
考え出されたのは、
「中間持ち株会社方式」
セブン&アイという持株会社の下に、
さらに中間の持ち株会社を設けて、
イトーヨーカ堂やヨークベニマルを統括させる。
二重に持ち株会社を設置する。
一番上の持ち株会社はちょっとだけ、
責任が軽くなった気になるかもしれない。
この中間持ち株会社も、
いずれ上場させるかもしれない。
共同通信の記事は、
イトーヨーカ堂が再上場すると報じた。
厳密に言えば誤報ということになる。
私はずっと言い続けているが、
イトーヨーカ堂の社員たちどう思っているか。
さらにヨークベニマルの幹部や社員は、
どう考えているのだろうか。
二重の持ち株会社。
小売業は現場の人々の力が、
営業に大きく影響する。
セブン-イレブンのような、
フランチャイズのコンビニでも、
加盟店のオーナーや店長たちが、
実際の商売を担っている。
倉本長治。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」
どんなに大きな会社であろうとも、
この大原則から外れたら、
おかしくなる。
どんなに素晴らしい業績を上げた組織でも、
この鉄則を守れなかったら、
衰退に向かう。
中間持ち株会社。
私は賛成する気にならない。
創業者の故伊藤雅俊さん。
何度もなんども書いてきたけれど、
伊藤雅俊から離れたら、
この会社は駄目になる。
〈結城義晴〉