結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年05月10日(金曜日)

商人舎5月号発刊とBasic in Las Vegas2日目の店舗観察・調査

月刊商人舎5月号、本日発刊!202405_coverpage-448x635

警告特集
最高益の「塞翁が馬」
絶好調決算の直後に待ち受けるもの

[CoverMessage(表紙の言葉)]
絶好調の本決算である。次々に過去最高益、増収増益が報告される。とくに食品を主体とするスーパーマーケット、そしてそれを主力とする総合スーパー。コンビニは伸び切った観があるものの、これも好調。しかし全体を見ると、そのベースにあるのは食品の値上げ効果である。1品単価がアップして、客数が減るという、危険な兆候が見えるチェーンもある。そしてこの「円安」。そろそろアベノミクスも正しく評価しなければならない時が来た。浮かれてはいられない。1ドル160円のラインまで浮上して、これには何の光明も見えない。深刻さは底なし沼のようだ。消費者の「節約意識」はますます強くなる。禁欲円購買がごくごく当たり前のものとなる。「円安不況」である。「人間万事塞翁が馬」。禍福は転々とする。良いことが起こると、それが原因となって、ひどく悪いことが起こる。今、まさにそのときだ。経営者は、店長は、リーダーは、何を、どう考え、どう行動するか。警告を発しつつ、提言しよう――。

[Contents(目次)]
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結城義晴、島田陽介、林廣美。
三人の期待を込めた警告。

受け止めてほしい。

それから、
[特別企画]
ベイシアのベールを剥ぐ!?
不思議なチェーンストアだ。ユニークな会社である。群れない企業。わが道を行く戦略。非上場企業である。その経営実態はベールに包まれている。にもかかわらず、存在感がある。通常ならば、埋没してしまう。しかし㈱ベイシアは業界から、競争相手から、ずっと意識されてきた。グループの㈱カインズは日本一のホームセンターとして躍進を続け、㈱ワークマンはユニクロを凌ぐほどの突出した成長を見せた。本誌はベイシアそのものにも、注目してきた。今回、二人の本部長がインタビューに応じてくれた。その発言をもとに少しだけベールの内側を覗いてみよう。
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真夏の営業企画
円安不況に全社・全店・全部門を結集しよう
円安によるインフレや生活コストアップが家計を圧迫している。今春の賃上げラッシュを超える生活費高騰——。消費者全般の生活不安心理は高まるばかりだ。最大の商機である夏季商戦にチェーンストアはいかに営業企画を組み立てるか。いかに実行するか。その基本的な考えを提案しよう。
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[新店の注目点]
「そよら横浜高田」の期待値
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ご愛読をお願いします。

さて、
商人舎Basic in Las Vegas。
2日目の朝。

砂漠の街に朝日が昇る。
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今日から毎日、
午前中は結城義晴の講義。
その第1回。

26階にある会議室。IMG_5359

このベーシック編の主旨からはじめて、
アメリカの経済と社会、小売業の基礎データ、
そして小売業界の趨勢など、
鳥の目と魚の目で講義する。IMG_5365

さらにウォルマートについては、
とくに丁寧にその思想から営業の考え方まで。
EDLPやロールバック、
さらにアプリ開発の10の機能など、
最新情報をわかりやすく説明する。IMG_5370

最後はすでに訪れた企業と、
今日訪問する企業。

会社の全体像を講義で話し、
そのうえで店を訪れる。IMG_5371
10時半まで2時間半の講義。
いつも脱線してしまうが、
それが面白い。

講義が終わると、
専用バスで2日目の視察に向かう。

スミス・マーケット・プレース。
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ウォルマート対策のための、
非食品強化型の店舗。

入口の花卉売場は本当に素晴らしい。
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素晴らしいプレゼンテーション。
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導入部は広い広い青果売場。
これならばウォルマートと戦える。
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デリカテッセンの核売場。IMG_5385

ここ「ボアーズヘッド」が導入されている。
訳せば「イノシシの頭亭」。

1905年創業のミートデリとチーズの専門ブランドで、
クローガーやパブリックス、さらにスプラウツなどの、
有力スーパーマーケットが導入している。
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シーフードとミートの対面売場。
スミスは対面売場を重視している。
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非食品は、家庭用品からアウトドアグッズ、
アパレルまでを強化。
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ベビー・子ども服ブランドの「カーターズ」も展開する。
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ここでランチ。

ピザにした。
この大きな1品が10ドル。
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それを対面売場の店員さんに渡す。
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そして焼いてもらう。IMG_4056 (002)

焼きたてのピザができ上がる。
それにモッツァレラチーズサラダ、
フライドチキン、コーンなどを加えた。
豪勢なランチだ。

現地在住のキューティー上松といただく。
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皆がこのフードコートで食事。
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班ごとの調査の結果を議論しながらのランチだ。
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次に向かったのは、
ボンズ。
セーフウェイ傘下から、
アルバートソン傘下へ。
ロサンゼルスとネバダのチェーン。
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ここも入口の花売場には力を入れる。
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しかし極端に客数が少ない。IMG_4081 (002)

ミート&シーフードの対面売場。
スミスに負けないように設けているが、
客数が少ないのでうまく機能していない。
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その客数が少ない理由の一つが、
このクラブメンバーへのディスカウント価格。
7.99ドルと表示されているが、
レギュラー価格は8.49ドル。
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つまりは二重価格になっている。
それが顧客の信頼を損ねている。

店舗奥主通路沿いに、
ファーマシーがある。
調剤薬局。
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冷凍食品のアイルには顧客が一人もいない。
床はピカピカだけれど。
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ピックアップサービスもしていて、
駐車場も設けられているが、
その発注は来ないのだろう、
店内でピッキング作業をしている従業員は、
一人もいなかった。IMG_4101 (002)

ウォルマート・スーパーセンター。
 今日もやってきました。IMG_4111 (002)

入口のスイカ売場。
1個4.68ドル。安い。
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楽しい演出の青果部門。IMG_4115 (002)

デリは対面売場だ。
エブリデ—ローコストだが、
必要な部署には人を割く。IMG_4118 (002)

そして驚くほど多くのピックアップ作業が行われている。IMG_4123 (002)

ミート売場の平ケースの間の島陳列。
両サイドがバンズ、
そして真ん中右がケチャップ、
左がマスタード。
平台にはソーセージが販売されていて、
ホットドックができ上がる。IMG_4140 (002)

主通路沿いには、
アメリカ国旗を模したプレゼンテーション。
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ウォルマートは安いだけではない。
楽しい売場づくりがその真骨頂なのだ。

スプラウツファーマーズマーケット。
ナチュラル&オーガニックのスーパーマーケット。
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団員たちはバスから降りると、
すぐにファサードを撮影する。
記録のためだが、結構目立つ。

そして50人ほどが、
400坪ほどの店内に入って、撮影する。
すかさずスプラウツの店長がやってきて、
「No Photo!」
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店の入口から奥までが見通せる。
奥壁面には農場の絵が描かれている。IMG_4160

その前面のチェックスタンドまでは、
バルクフードの売場。IMG_4162 (002)

隣接しているのが、
トータルワイン。
ワインとリカーの専門大店。
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27州に230店ほどを出店している。IMG_5431

ウィンコフーズ。
倉庫型のディスカウント・スーパーマーケット。
スーパーウェアハウスストアと呼ぶ。IMG_5484

導入部はウォール・オブ・バリュー。
「価値ある壁」。
巨大なラックに陳列された超特売商品の売場。IMG_5440

このウォールを抜けると、
広大な生鮮売場が現れる。

クレートや箱陳列でローコストの運営。
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ミート売場は対面とセルフ。
シーフードも充実している。IMG_5455

デアリー(乳製品)やフローズンは、
すべてリーチインケース。IMG_5458

団員たちは各社の価格戦略を分析するために、
真剣に商品を調査する。IMG_5461
従業員持ち株制度を導入する。
2万人のアソシエーツが、
自分の会社の株をもって、
モチベーション高いオペレーションを見せる。

ホールフーズ。
郊外の住宅地のショッピングセンターの核店舗。IMG_5486

毎年訪問している店だが、
内装を変えた。

そして残念なことだが、
青果のボリューム感がなくなった。 IMG_5489

それでも高いレベルで管理された、
美しい店であることは間違いない。

石鹸コーナーでお土産を検討する団員。
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私も匂いを嗅いでみる。
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団員たちの商品調査は、
ホールフーズでは真剣さが増す。
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ホールフーズは、
ロングテールの品揃えだからだ。IMG_5506
ホールフーズのこの店の退潮ぶりには、
ちょっと驚いた。

いったんホテルに向かって荷物を下ろし、
最後はイータリー。

2018年12月にオープン。IMG_5530

みんなの目が輝く。
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イータリーは、
イート(EAT)とイタリー(ITALY) を合わせた店名。
イタリアの産物産品・料理を、
「学び、食べ、買う」がコンセプト。

創業者のオスカー・ファリネッティは、
市場であって、食堂であって、
なおかつ学校のような店をつくろうと考えた。

ラスベガス店は、開業当初に比べると、
リニューアルされて食べる機能が強化された。
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の分、学ぶ機能が弱体化した。
これは問題だと思う。

それでも団員たちはそれぞれに、
イータリーを楽しんだ。

ラスベガス2日目は、
講義から始まって、
店舗の観察や調査に全力を挙げた。

充実した1日を過ごして、
私も団員もみんな満足した。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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