商人舎US研修Basicコース。
ラスベガスに来て3日目。
いつものように朝8時から結城義晴の講義。
ホースシューホテルの最上階、
26階にあるミーティングルームが会場。
今日もさわやかな快晴。
ラスベガスにしては気温は30度以下で、
快適な視察日和が続いている。
今日はこのセミナーの中心テーマの講義だ。
私の持論の業態からフォーマットへの考え方、
チェーンストア2.0とチェーンストア3.0、
そしてポジショニング戦略の内容を、
見てきたばかりのアメリカの事例を引き合いに出しつつ、
熱を入れて、丁寧に講義した。
ウォルマートスーパーセンターの、
コンバインの中身は、
図を書いて説明する。
スーパーセンターこそ、
歴史的なフォーマット開発だった。
かつてのチェーンストアは、
店数と売上高、適正規模と、
標準化された品揃えで、
わかりやすかった。
しかし、チェーンストア3.0では、
フォーマットやポジショニングという、
概念的な理解が必須となる。
アメリカの店を見て、そのうえで説明を聞くと、
格段に理解は進む。
一気呵成の講義が終わると、
疲れ切ってしまう。
それでもよく理解してもらった。
ご清聴を感謝したい。
ストリップの近くにある、
タウンスクエア・ラスベガスの核店舗だ。
このショッピングセンターは、
新しいライフスタイルセンター。
ホールフーズでは、
2班に分かれて、
店内ツアーをしてもらった。
各部門の担当者が説明してくれて、
キューティ上松が通訳。
今回は、小型マイクを使った。
青果部門では商品調達に関して、
重要な考え方を教えてくれた。
ミート&シーフード部門。
「Animal Welfare」や水産物の「MSC」の取り組みを、
きちんと説明してくれた。
デアリー部門ではプライベートブランドの
「365」の丁寧な紹介。
インストアベーカリー部門。
ホールフーズではケーキやクッキーを強化している。
ホールフーズでは、
チーズとチョコレートと、
ワイン・ビールを一つにくくって、
「スペシャルティ部門」と呼んでいる。
全員が用意したペーパーを見ながら、
一所懸命に説明してくれた。
ここでは「チーズの王様」と彼らが自慢する、
パルミジャーノ・レッジャーノを試食。
デリ・惣菜は「プレップ部門」と呼ばれる。
対面デリとスープ&ホットデリバーを担当する。
「ホールボディ」と言われるHBC部門。
バスボールの商品をもらって、
団員は大満足。
ランチはホールフーズのデリ。
デリ部門に併殺された、
美しいイートインコーナー。
ホールフーズは
オーガニックスーパーマーケットとして、
さまざまな基準を設けている。
店内ツアーを通じて、
ホールフーズの理念やマーチャンダイジングを学んだ。
次に向かったのは、
ウォルマートのスーパーマーケット。
ネイバーフッドマーケット。
ディスカウント型フード&ドラッグ店舗。
店内ではピッキングするスタッフが多い。
このスーパーマーケットは、
ネットスーパーのデポの機能を果たす。
団員たちは今日も商品調査。
ミート担当グループは、
ミンチを調べている。
今週末の日曜日は「マザーズデイ」。
ネイバーフッドマーケットでは、
青果導入部とレジ前で花を展開。
チェックスタンドは完全セルフに変えた。
その人員をピックアップに回した。
ターゲット。
ウォルマートと同じビジネスモデルを展開する。
この店はディスカウントストア業態。
それでも加工食品や冷凍食品は、
ウォルマートとは違ったテーストを出す。
マネキンとパネルを多用して、
訴求力のある売場づくりをする。
これはウォルマートとは全然違う。
ウォルマートが青を基調にした店づくりなら、
ターゲットは赤を全面的に強調する。
ウォルマートがスケルトンなら、
ターゲットは天井を貼る。
ウォルマートがコンクリートの床なら、
ターゲットはPタイルを敷く。
その違いがポジショニングの差異を演出する。
だから一度でも、
ウォルマートとターゲットの違いを体験したら、
間違える者はいない。
顧客とのコミュニケーションは、
トレーダー・ジョーの特徴であり、
強みであり、生命線を握るものだ。
おまけは、同じ商業施設内にあった、
シーフードシティ・マーケット。
フィリピン系のスーパーマーケット。
それでも一定の顧客がいる。
多民族国家アメリカ。
スーパーマーケットにもニッチな店がある。
しかし原則を外したら、
絶対に長続きしない。
今日も一日が充実して終わった。
さらに「ベラージオ」の噴水ショー。
新しい概念を理解し、納得するためには、
先行事例を学ぶのがいい。
チェーンストアの場合、
それはアメリカにある。
アメリカに感謝したくなる。
ありがとう。
(つづきます)
〈結城義晴〉