結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年05月18日(土曜日)

アラン「上機嫌療法」の「悪い天気の日にはいい顔をせよ」

朝はゆっくり起きて、
ゆったりと過ごす。
昼ごろには午睡、
3時過ぎにはまた夕寝した。

よく眠ることができる。

少しずつ自分の心身が治癒していくのがわかる。

作家の宇野千代。
若いころは個性的できれいだった。
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1996年に98歳で没した。
恋多き女流作家だった。

後輩の瀬戸内寂聴にたびたび、
アランの言葉が好きだと言っていた。

寂聴がそれを弔辞で披露した。

「世にも幸福な人間とは、
やりかけた仕事に基づいてのみ
考えを進めていく人であろう」

やりかけた仕事があること。
日々、それだけに集中して、
さまざまな考えを進めていくこと。

今の私も同じ状況にある。
だからアランと宇野千代に共感した。

『定義集』で著名なアラン。
エミール・オーギュスト・シャルティエ。
「20世紀のソクラテス」と称された。
フランスの哲学者。

アランはペンネーム。

そのアランの『幸福論』
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訳者が串田孫一と中村雄二郎という、
贅沢な本だ。

串田は詩人、随筆家。
中村はパスカルの研究者で哲学者。

「仕事というものが、
心を楽しませる唯一のものであり、
それだけで十分である」

本当にそう思う。

例証として使われるのは、
ドストエフスキー『死の家の記録』
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徒刑囚たちは労働している。
その仕事はおよそ無益なものである。

なんの期待もなく働いているかぎり、
彼らは怠け者で、もの悲しく、不器用である。

だが一日がかりの仕事、
つらく困難な仕事を与えると、
たちまち彼らは器用で、巧妙で、陽気になる。

ドストエフスキーがシベリア流刑された時の、
四年間にわたる獄中の体験と見聞の記録。

「役に立つ仕事はそれ自体楽しみである。
それ自体なのであって、
そこから引き出す利益によってではない」

「人間的な楽しみの最大のものは、
協働でやる困難で自由な仕事であることは
まちがいない」

だからウォルマートは、
テレワークを廃止し、対面での仕事に変える。

CEOダグ・マクミロンは言う。
「対面で集まることで
協力やイノベーション、
迅速な意思決定がしやすくなる」
Photo by Iron Lotus Creative / Stephen Ironside

「協働」や「協力」が、
仕事そのものをより楽しいものにする。

アラン。
「私のいう仕事とは、
力の結果であると同時に、
力の源泉でもある、
自由な仕事のことである」

「繰り返して言うが、
いやいやながらがまんするのではなく、
行動することである」

これにも同感。

アランのお薦め。
「ぐっすり眠って、
よく食べよ」

私は今、そうしている。

アランの「上機嫌療法」
「呪いの言葉でも言いたくなるような
すべての不運や、
取りわけてつまらぬ物事に対して、
上機嫌にふるまうこと」

だから教える。
「悪い天気の日には、
いい顔をすること」

「笑うのは幸福だからではない。
むしろ、笑うから幸福なのだ」

アランの上機嫌療法。
今日はこれだけで幸せだ。

〈結城義晴〉

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