結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年05月28日(火曜日)

将棋名人戦の「不思議な風」とセブン&アイに芽吹いた「二つの風」

第82期将棋名人戦。
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最も歴史の古いタイトル。
1612年から家元制として始まり、
1935年から実力制となった。

名人藤井聡太が、
挑戦者豊島将之を破って、
タイトルを防衛。

その第5局。

「ひふみん」こと加藤一二三九段。
「藤井名人がひとりで
将棋を指しているような感じ」
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ん~、これ以上ない的確な言い回し。

私もこの対局をずっと見ていて、
まったくその通りの将棋だと思った。

つまり藤井の静かな圧勝。

全八冠を手中にする21歳。

藤井がデビューしたころ、
一番の強敵だった豊島九段、
今、34歳。

豊島も16歳でプロになった天才だ。
タイトルは竜王2期をはじめ、
名人、王位、棋聖、叡王各1期。

居飛車党の豊島が、
珍しく飛車を振った。
奇手を狙った。

それを想定したかのように、
藤井は穴熊に組んだ。
その際、序盤の29手目に、
6五歩のタダ捨ての妙手を放った。

プロが全員驚いた、新手だった。

その後、豊島は、
一つもいいところなく、
静かに敗れた。

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これで藤井は名人位を2期、
保持することになる。

タイトル戦は負けなしの22連勝で、
将棋界の記録を更新している。

これだけ図抜けたトップ棋士同士の対局で、
まるで歯が立たない。

不思議な将棋だった。

将棋界の新しい風であることは、
それは、もう間違いない。

その風の吹き方に、
さらに不思議なものを感じたものだ。

さて連日、
株主総会が開催されている。

今日は、
セブン&アイ・ホールディングス。
明日はイオン。

セブン&アイの株主総会は、
いつも東京・四ツ谷の本社で開かれる。

昨年は物言う株主から、
取締役選任案が出され、
井阪隆一社長らに退任が求められた。
総会は3時間10分に及んだ。

月刊商人舎では、
4月号特集で、
「総合小売業態」の終焉!?
イトーヨーカ堂の在り方を斬る

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その4月号では、
「追悼 伊藤雅俊」
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僭越ながら私は、
伊藤さんに成り代わって、
叱咤激励した。

5月号特別企画で、
セブンとイオン「それぞれの道」
’23年2月期決算/日本小売産業両雄の戦略分岐点
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毎号のように取り上げた。

それから1年。

今年の株主総会は1時間50分だった。

日経新聞は「無風総会」と書いたが、
根本的な経営問題は、
まだ何も解決していないと思う。

ただしセブン&アイにも、
新しい人事の風が吹き始めている。

一つは2023年3月1日に就任した、
和瀬田純子㈱ピースデリ社長。
セブン&アイ商品戦略本部副本部長を兼務。
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商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
初の共通インフラ「Peace Deli千葉キッチン」稼働

セブン&アイの共通インフラを担う。
その視点は実に現場主義だ。

1993年、セブンーイレブン・ジャパン入社。
2000年には商品本部で、
おにぎり、サラダ、麺類など惣菜を担当した。

1年が経過して、実力を発揮し始めた。

もう一つは、
セブン-イレブン・ジャパンで、
6月3日に商品本部長に就任する、
羽石奈緒執行役員。

昨2023年に執行役員で、
商品本部地区MD統括部長に就任したから、
とんとん拍子で商品本部長となった。

仕事ができるだけでなく、
研究者としても注目されている。

日本プロモーショナル・マーケティング学会で、
2019年度研究助成論文「学会賞」を受賞。

受賞論文は、
「プライベート・ブランド階層の中の
サブブランドがストアロイヤリティに
与える影響について」

中央大学大学院戦略経営研究科に属して、
旧知の中村博教授が指導した。
ゴルフ仲間でもある。

論文を読んでみたが、
セブン&アイとイオンの、
両者のプライベートブランドを研究して、
実によくできている。

賞を獲得するだけの内容だ。

1点だけ注文をつけたいところがあったが、
それは論文の価値を貶めるものではない。

一度、議論してみたい。

和瀬田純子さんも2017年に、
中央大学大学院で論文を書いている。
こちらも中村教授の指導で、
研究助成をもらっている。

つまり論理的な考察ができる幹部が、
表舞台に出てきているということである。

ドラッカー曰く。
“As a rule, theory does not precede practice.”
「原則として、理論が実践に先行することはない」

しかし実践も理論も、
両方できるに越したことはない。

セブン&アイに、
新しい芽が出て、
新しい風が吹き始めた。

伊藤雅俊さんも、
きっと喜んでいらっしゃるだろう。

合掌。

〈結城義晴〉

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