千葉県千葉市の蘇我に前泊して、
朝、6時にやってきた。
もともとは川崎製鉄千葉東工場だった。
現在はJFEスチール東日本製鉄所。
鉄工所の敷地は広い。
その縮小計画に伴って、
川崎製鉄と千葉市が協議して、
蘇我特定地区整備計画が策定された。
その結果、2005年4月27日に、
3街区が開業。
アリオ蘇我とホームズ蘇我店、
そしてフェスティバルウォーク蘇我。
段階的に拡張して、
2017年10月にベイフロント蘇我がオープン。
アリオ蘇我の核店はイトーヨーカ堂蘇我店。
隣接するのは島忠ホームズ蘇我店。
2006年12月1日にダイエーが出店した。
グルメシティ蘇我ハーバーシティ店。
2008年4月27日に閉店。
その後、2019年7月に、
ロピアがホームズの店内にオープンした。
その店を今年1月15日に一時閉店して、
今日5月30日に移動、増床して開業した。
バックヤードに行ってみると、
全員が朝食を食べていた。
福島道夫さん手づくりの賄い。
福島さんはOICグループ取締役。
牛肉の塊入りカレー、
ウィンナーソーセージと卵がのっている。
そして新鮮な野菜サラダのボール。
スムージーとおーいお茶。
オープンの日は全員が忙しい。
気が付くと昼ご飯も食べられないことがある。
だから朝食は、
美味くてボリュームがあって、
しかも手作りのメニュー。
私はこの賄いが大好きで、
いつも食べにくる。
食べ終わってから、
店内を見て回る。
新しい試みはないか。
どんな考え方か。
福島さんが休憩室で、
丁寧に説明してくれた。
要点は「ポジショニング」の具体化。
福島さんは四六時中、
そのことを考え、メモを書く。
書いては考え、考えては書く。
それがロピアのイノベーションとなる。
その体系を語ってくれた。
この店では意欲的な実験が、
いくつも展開されている。
それは月刊商人舎6月号で紹介しよう。
簡潔に要点の説明があって、
接客七大用語の斉唱。
終わると部門ごとにミーティング。
それから開店に向けての作業が再開される。
実に淡々と進む。
「良い工場は静かだ」
そして売場は出来上がった。
店の外からヤマダデンキの売場の前、
そしてロピアの店の前まで、
長いながい行列が出来上がった。
1月の閉店から待ちに待ったオープンだ。
一番客からどんどん入店してくる。
青果部門の八百物屋あづまでは、
客の塊が解けない。
中島英則さんと話した。
㈱ロピア取締役関西営業本部長から、
東北営業本部長を経て、
関東営業本部に戻ってきた。
ロピアの問題点を厳しく指摘し、
その改革と刷新に邁進する。
私は午前6時からずっと店に張り付いていた。
午後になっても入店制限は続いた。
これはロピアの特徴だ。
入店制限をするから顧客は、
店の中でゆっくりと丁寧に、
売場や商品を見ることができる。
店の外の行列に並ぶ顧客は、
ワクワクしながら待っている。
イトーヨーカドーアリオ蘇我店。
予想通り1階の食品フロアはガラガラ。
1階にはアダストリアの「FOUND GOOD」。
200坪くらいはあるだろうか。
しかしもっともっと考えねばならない。
2階にはノジマとセリアとトーカイが入って、
イトーヨーカ堂の直営売場は激減した。
それでもハーバーシティの集客効果がある。
何かを求めて客が歩いている。
ロピアが1月から閉店していた間、
ベルクはずいぶん稼いでいた。
その顧客の信頼は厚い。
広域商圏型のロピアと、
狭小商圏型のベルク。
イトーヨーカ堂も広域型なのだろうが、
中商圏のマーチャンダイジングになっている。
アリオの中に出店しているから、
狭小型にはできないし、
イトーヨーカ堂の食品は、
その経験もノウハウもない。
結局、ロピア対イトーヨーカ堂となる。
そのロピアに戻ると、
福島さんとチーフたちが実験を続けていた。
私はそれを確認してから、
横浜に戻った。
店は生きている。
店は動いている。
朝6時から午後2時過ぎまで、
その生きているロピアを観察した。
動いているロピアを見続けた。
感じるものがあった。
ありがとう。
〈結城義晴〉