結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年06月05日(水曜日)

自動車メーカーの「不正」とミドルマネジメント研修の「損得と善悪」

東京新聞の巻頭コラム、
「筆洗」

「教室の花瓶が割れたとする。
学校でこの手の問題が起きた場合、
担任の先生がクラス全員に目をつむらせて
割った者に手を挙げさせる」

昔はよくあった。

「今ではコントのネタだろう」

自動車・二輪車メーカーの、
「型式指定」を巡る不正申請。

「不正を行っていたのは誰ですか」
この問いかけにあの子も、この子も、
次々と手を挙げる。

昨年発覚したのが、
ダイハツ工業と豊田自動織機の不正。

国土交通省の調査に対して、
新たに5社が「実はうちも」と不正を認めた。

「成績優秀」、「不正はない」と、
胸を張っていた「トヨタ君」も、
申し訳なさそうに手を挙げた。

コラム。
「これで国内すべての乗用車メーカーが
品質不正をしていたことになる」

損得より先に善悪を考えよう。
倉本長治は真っ先に教えた。

それを真っ先に学ぶのが、
商人舎Middle Management研修会。
その2日目。

千歳川の清流。
実にいい天気。
IMG_6635

私たちの研修会場は、
茶色の壁面の会議棟。
その2階の大観の間。
IMG_6636

青空の下、朝の散策でもしたいところだが、
受講生はそれどころではない。
第1回理解度判定テストが控えている。

8時15分からスタート。IMG_6628

研修初日に受講した講義内容から、
設問が設けられている。
結城義晴と鈴木哲男講師の講義は、
内容も分量も多い。
そこから出される5つの設問に、
30分で答える。
IMG_6630

すべてが記述式。
丸暗記するのではなく、
学んだことの本質を、
それぞれ自分の言葉で表現する。
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前夜は遅くまで、
復習している姿があった。
健闘したと思う。

2日目の講義は長い。
朝9時から夜8時までの長丁場。
結城義晴と山本恭広講師が講義する。
山本君は月刊商人舎編集長。

私は6時間担当する。

朝9時から12時半までのテーマは、
「顧客満足と従業員満足」、
そして「知識商人と商業の現代化」。
重要な「マネジメント理論の歴史」。

しかしその前に理解度判定テストの回答の解説。
IMG_6637

回答を解説しながら、
講義になってしまう。

鈴木先生の「作演調」に対しては、
安土敏の例を持ち出して解説してしまう。IMG_6642

脱線や予定外の講義が増えていく。

それでも「Management理論の転換」を語り、
フレデリック・テイラーから、
アンリ・ファヨール、
そしてそれへの批判的研究群と、
ドラッカーとミンツバーグまで。IMG_6653

最後は私の本から。
「店長のためのやさしいドラッカー講座」IMG_6656

昼食を済ませた後、
午後1時半から15時45分までは山本講師。
IMG_6671

「計数の基礎」を2講座担当。
基礎であるから商品問題と人件費問題。

商品回転率と交叉比率、
人時売上高と人時生産性。

実習を交えながら丁寧に講義していく。
IMG_6674

今回もフレッシュな講義だった。IMG_6683

コーヒータイムで一息つくと、
20時までは一気呵成に結城義晴の講義。
テーマはドラッカーの実践論とリーダシップ論。

最初に計数講義の補足。
簿記と会計と財務の違い。
損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)の原理。
そしてそのPLとBSの交叉。
それが総資本経常利益率(ROA)。
IMG_6665
商品回転率だけを指標にしていると、
例えばディスカウントの特売が増えてくる。
そして粗利益がどんどん減ってくる。
だから超品回転率と粗利益率を交叉させて、
交叉比率を使う。

ROAはこの考え方と同じだ。

商品問題の交叉比率と、
経営数値の交叉比率。

計数の補講のあとは、
「ドラッカーの使い方」

ドラッカー独特の「責任の組織化」、
目標管理と自己管理。
コミュニケーション。

様々な事例を交えて、
ドラッカーの考え方を、
いかに実践するかを講義する。IMG_6660

夕方になると、
デール・カーネギーや、
ジョンマックスウェル。

たとえば、
「リーダーの致命的な七つの罪」
尊敬を集めるよりも、好かれようとする
⑵チームのメンバーに助言や助力を求めない
⑶技量よりも規則を重視して、
個人の才能を殺してしまう
⑷常に建設的な批判を心がけようとしない
⑸チームのメンバーの間に、責任感を育てようとしない
誰に対しても同じような手法で付き合う
⑺常に情報を知らせるという姿勢がないIMG_6661

夕方になるとケン・ブランチャード。
「4つのリーダーシップスタイル」IMG_6680

大きく分けると、
リーダーシップには4つのスタイルがある。
IMG_6689

どのマネジメントスタイルかを聞いた。

援助型だと考えている人が圧倒的に多かった。
委任型はたった一人。

それはそれでいい。IMG_6688

大事なことはマネジメントされる人たちの、
スキルレベルやモチベーションレベルに合わせて、
対応していくことだ。

チームマネジメントについては、
スライドで講義。
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最後はゴドフリー・レブハー。
名著『チェーンストア』のエッセンスと、
結城義晴の「五つの利」。IMG_6693

長時間の清聴を感謝して終わった。

夕食後の研修会場。
夜9時を過ぎると、
少しずつ受講生が集まってくる。IMG_6697

明日は第2回目の理解度判定テスト。
再びの健闘を祈ろう。

正しいことを学ぶ。
これは幸せなことだ。
(明日へ続く)

〈結城義晴〉

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