結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年06月26日(水曜日)

イオンの「特定技能4000人」とイオンディライトの機能

大谷翔平。
ホームラン24号を放った。
ホワイトソックス戦。
1番・指名打者の先頭打者本塁打。
スクリーンショット 2024-06-26 193637

日本中が明るくなる。

このゲームは2安打2打点。
チームは4対3の逆転勝ちで3連勝。

ナショナルリーグのホームラン王争いは、
2位のマーセル・オズーナ(ブレーブス)に3本差。

打率は3割2分で、
リーグトップ。

9試合連続打点は球団記録タイ。
通算打点は60で、
リーグトップと4打点の差。

打者に専念した今シーズン、
3冠王も見えてきた。

本人は今の、この試合に勝つことに集中する。
それが何よりもいい。

For the team。

さて日経新聞一面トップ。
「イオン、特定技能4000人に」 

イオン㈱は「特定技能」外国人を、
2030年度までに4000人受け入れる。
グループ企業を挙げて取り組む。

政府の拡大方針によって、
スーパーマーケットの惣菜加工などでも
受け入れが可能になった。

現在はグループ全体で約1500人を雇用している。
主に加工食品の製造工場で働いている。

施設管理を手がけるイオンディライト㈱が、
23年11月にインドネシア政府の支援を受けて、
16人を初めて採用した。

ビルクリーニング分野も23年に、
特定技能に追加された。
そこでイオンモールの商業施設のほか、
ホテル、病院などで清掃業務を担っている。

特定技能は在留資格の一つだ。
今年3月には受け入れの拡大が閣議決定された。

飲食料品製造業分野は工場だけでなく
店舗での惣菜製造が可能になった。

イオンは全国に約2700店を展開する。
一段と特定技能の受け入れ余地が広がった。

イオンディライトは便利な会社で、
傘下に人材紹介企業をもつ。

そこでイオンデライトを窓口として、
特定技能の外国人を受け入れる。

商業施設の清掃や加工工場、
店舗での惣菜製造など。
業務に応じて各グループ企業に紹介する。

他社にも紹介する。
そして30年度に4000人を雇用する計画だ。

一方、多くの外国人を受け入れる体制も整える。

2~3人で生活できるシェアハウス、
休日に観光地などをめぐるレクリエーション、
慣れない異国でのさまざまな生活を支援する。

小売りや外食の人手不足は深刻だ。
特定技能への期待は大きい。

セブン&アイ・ホールディングスは、
2月に開業したグループ共通の惣菜工場で、
約240人の特定技能外国人を雇用した。

日本経済研究センターの試算。
ベトナム、タイ、インドネシアの現地給与は、
2032年までに日本の給与水準の5割を超える。

自国の給与が高くなれば、
来日して日本で働く動機は薄まる。

特定技能外国人雇用に向けて、
多様な施策が必要になる。

技術習得に向けた支援に加えて、
社員寮などの住居、
在留中の生活支援。

企業側の投資が不可欠となる。

それにしても、
イオンデライトは、
グループにとって重要な機能を果たしている。

創業は1972年11月と古い。
前身は㈱ニチイメンテナンスだ。
㈱ニチイの子会社。

1972年5月に大阪・千日デパート火災が起こった。
日本ビル火災史上最悪の事故。

そこでニチイは施設管理部門を独立させて、
設備管理会社を創立した。
西端行雄社長の時代である。

警備や清掃といった仕事をする、
総合ビルメンテナンスの会社だった。

この会社が大証二部を経て、
東証・大証一部に上場。
親会社は㈱マイカルに変わった。

そして2006年、
イオンテクノサービス㈱と合併。
こちらはイオングループの同業だった。

マイカルが倒産して、
イオンの傘下に入った。

子会社のビルメンテナンス企業も、
経営統合した。

そしてイオンディライトと名称を変え、
国内最大のビルメンテナンス企業となった。

その後、多角化を志向する。

2010年、チェルト㈱と合併。
自動販売機事業、資材関連事業の企業だった。

この合併を機に、
ファシリティマネジメント企業として、
サービスを拡充していく。

積極的なM&Aを通じて、
国内外で子会社を増やした。
現在、50周年を経て、
約30社によって、
イオンディライトグループを形成する。
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私も少しだけ、
このグループと一緒に仕事をしている。
インコンパス㈱と、
イオンリテール㈱の海外研修をする。

コングロマーチャントを支える企業群。
ダイエーにも西友にも、
イトーヨーカ堂にも、
そういう機能や会社があった。

いわばチェーンストアの裏方企業。
しかし外国人労働者を受け入れる時代になると、
裏方が表舞台に出てくる。

旧知の堤唯見さんが、
このイオンディライトの社長を担った。
合併の成果を上げるための苦労もあっただろうが、
一方で確実な収益性や成長性も担保されていて、
穏やかな顔つきだったことを思い出す。

〈結城義晴〉

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