結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年06月30日(日曜日)

バイデン&トランプの「ダブルヘイター」と寅さんの「ちゃんと勉強」

「西向く侍」

6月は30日で終わる。
その最後の日。

2024年の半分が過ぎた。

後半の6カ月は世界中で、
政治の季節、選挙の季節がやってくる。

イギリスの総選挙。
日本の自民党と立憲民主党の、
総裁選挙と党首選挙。

そしてアメリカ大統領選挙。

毎日新聞巻頭コラム「余録」

「民主主義の健全度を測る指標のひとつに、
討論の実施がある」

「大正時代の1918年、
政治学者の吉野作造が
言論の自由と暴力を巡り
右翼系団体と行った立会演説・討論会が
その例に挙げられる」
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「内容の評価は諸説あるが、
満場の聴衆を前に夜遅くまで、
ひるまず弁論を続けた吉野の姿は、
大正デモクラシーの熱気を体現したと
位置づけられている」

「ディベート(debate)」は、
ある公的な主題について、
異なる立場に分かれて議論すること。

欧米では学校の授業で、
ディベートを学ぶ。

その代表的なものが、
大統領ディベートである。

コラム。
「81歳と78歳の対決にどう影響していくだろう。
米大統領選で再選を目指すバイデン大統領と、
返り咲きを狙うトランプ前大統領の
テレビ討論会である」
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「4年前、同じ二人による討論は
『史上最低』との不名誉な評価が下された」

思い出す。

「相手が話す時にトランプ氏が割り込むなど、
混乱に陥った」

そこで今回は、
「割り込み防止にマイクの消音措置をほどこし、
聴衆を入れず、やっと舞台が整った」

しかし。
「発言の多くはお互いを
『史上最悪の大統領』とこき下ろす
非難合戦だった」

私は不愉快になるので、
見なかった。

「両氏ともに支持しない
『ダブルヘイター』の動向が注目される
大統領選である」

そう「ダブルヘイター」
“double hater”。

英語の「hate」は、
「憎む、憎悪する、嫌悪する」の意味。

「hater」は「嫌悪する人」

ダブルヘイターは、
「どちらも嫌悪する人」
つまりバイデンもトランプも、
どちらも支持したくない人たちのことだ。

わかる。

「トランプ節は相変わらずだった。
高齢不安説を抱えるバイデン氏が
時に言いよどみ、感情的になる場面もあった」

「ふと足元を顧みれば、
久々に国会で行われた党首討論も、
議論がほとんどかみあわない
お寒い内容だった」

同感だ。

「建設的な討論の実現は、
政治の質の証明でもあろう」

ジョーバイデンもドナルドトランプも、
アメリカの大学教育を受けている。

バイデンはデラウェア大学を卒業し、
シラキュース大学大学院で法務博士号を取得した。
ロースクールを経て1969年に弁護士となった。
その後、1970年にデラウェア州のニューキャッスル郡で、
議員に選出された。

トランプは13歳まで、
フォレスト・ヒルズ地区の学校に通った。
ドナルドの度重なる不良行為によって、
ニューヨーク・ミリタリー・アカデミーに転入。
1964年からフォーダム大学に2年通って、
その後、ペンシルベニア大学へ転入。
ウォートン・スクール(経営学)で、
経済学士号を取得して卒業した。

どちらもディベートの基本は熟知しているはずだ。

ディベートとディスカッションは、
「意見対立」があるかないかという点で異なる。

ディスカッションは、
ある公的な主題について議論すること。

ディベートは当事者間の意見の対立が前提とされる。

民主党と共和党とは意見が対立している。
だから基本的に大統領の討論は、
ディベートである。

けれど両者は詭弁とののしり合いに終始した。
だからダブルヘイターが続出した。

アメリカ合衆国が、
そんな国になってしまった。

残念なことだ。

日本の党首討論も、
かみ合わないこと甚だしい。

アメリカを嘆いている時ではない。

映画の寅さんシリーズ、
第40作「寅次郎サラダ記念日」
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この映画の中で、
寅次郎の甥っ子の満男が大学受験に悩む。
そして荒川の土手の上で、寅さんに質問する。

「おじさん、なんのために大学へ行くのかなぁ?」

「そりゃあ、勉強するためです」

「じゃあ、なんのために勉強するのかなぁ?」

寅さんの答え。

「長い間生きていると、
いろんなことにぶつかる。
そんな時にちゃんと勉強していない人は、
サイコロの目とか気分で決めるしかない。
でも、ちゃんと勉強した人は、
自分の頭で筋道を考えて、
決めることができるのだ」

「久しぶりにちゃんと考えたら、
頭痛くなってきた」

バイデンもトランプも、
ちゃんと勉強し直さねばならない。

いくら年をとっても。
高齢であることは言い訳にはならない。

もって自戒とすべし。

〈結城義晴〉

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