月刊商人舎7月号、
発刊しました。
巻頭にパネルディスカッション。
[日本スーパーマーケット協会設立25周年]
正副会長の誌上討論会。
スーパーマーケットの「思いは一つ」
読みごたえがある。
さらに現時点の問題点が網羅され、
先進チェーンのトップの考え方が整理されている。
私は述懐を書いた。
「One for All, All for One」の組織へ
そして特集は、
惣菜センター革新
「マス・カスタマイゼーション」が実現されねばならない!!
[Cover Message]
惣菜は間違いなく伸びていく。スーパーマーケットも総合スーパーの食品フロアも、やがて圧倒的な惣菜・デリの店となる。コンビニは即食のイノベーションを継続するし、デパ地下は人気を博し続ける。伸びれば伸びるほどに、増えれば増えるほどに、個店では対応できなくなる。セントラリゼーションの実務化が必要となる。惣菜センターの改革が必須となる。イオンは「クラフトデリカ」をスタートさせ、イトーヨーカ堂は「ピースデリ」によって「ヨーク・デリ」をリリースした。質を伴って量が増大すれば、集中と分散の論理の再整理が不可欠となる。それ抜きにばく進すれば、成長と混沌が交錯して、マーケットからの支持は激減するのである。
巻末に[新店の注目点]
BLANDE MISATO
カスミ最大級921坪の実験フォーマットの可能性
塚田英明㈱カスミ社長が語る
「ブランデの将来性」
塚田さんが率直に話してくれた。
実にいい独白だ。
ありがとうございました。
ご愛読をお願いしておきます。
さて私は大阪3日目。
ホテルクライトン。
そして今日の講師は結城義晴一人。
朝9時から夕方の4時まで。
午前中は3時間のバイヤーズマニュアルの講義。
バイイングやマーチャンダイジングは、
マーケティング活動そのものだ。
その前にSWOT分析とPPM分析の復習。
ディスカッションのときに役に立つからだ。
商品の条件、取引先の要件、
取引条件、商談と情報収集。
さらにバイイング行動。
ベンダーの周期的・計画的な変更を行うこと。
これができていない。
バイヤーの時間の使い方は、
今、最も重要な問題だ。
「調査9割、商談1割」が大原則だが、
「資料作り」に時間が割かれている。
これは全チェーンの共通問題だ。
その解決の手立てなども、
私の率直な考え方を話し、
ヘンリー・ミンツバーグの提案を紹介した。
休憩をとってから理論的なテーマを話す。
ブルーオーシャン戦略のアクション・マトリックス。
バリューエンジニアリング。
そしてプライベートブランド論。
欧米の分類と開発の方向性、
セブンプレミアムとトップバリュの比較などなど。
バーチカル・マーチャンダイジングと、
仕様書発注の方法なども紹介する。
最後にアパレル改革について、
ちょっと時間をとって話した。
ニチリウには衣料品を販売するチェーンも、
多いからだ。
商人舎3月号特集。
詳細はこの3月号に書いてある。
大きな潮流としては、
ファッションの「序列の崩壊」現象がある。
これも説明して、午前中の講義を終えた。
12時10分からランチ。
沖縄からやってきた㈱サンエーの精鋭たち。
男性陣はかりゆしを着て涼しそうだ。
午後は8つのグループに分かれて、
共通のテーマをディスカッションする。
ディスカッションの際の注意点をレクチャー。
青果、鮮魚、精肉、日配・冷凍食品、
グロサリー、惣菜、住居関連、衣料。
それぞれに成功事例や問題点を挙げながら、
解決法を見つけ出していく。
違う会社のバイヤーとの意見交換は、
大きな刺激になるし、有益である。
討論が終わると3点に絞って、
パワーポイントをつくる。
私は前の席に座って聞いている。
5分間の説明が終わると、
質疑応答。
鋭い意見や質問が出る。
最後に私の総括と評価。
グロサリーチームには、
ちょっと手厳しかった。
実践的でなおかつ大胆な提案もあった。
それに対しても質問が飛ぶ。
平和堂の松本正樹さんが、
積極的に意見を述べた。
プレゼンテーターだけでなく、
チームメンバーも語る。
これがいい。
私の評価や総括は全体に、
優しすぎるかといつも自省する。
もっと怖い先生であってもいいのか。
しかしそれは私のキャラクターではない。
バイヤーの仕事の意義と締めくくり。
バイヤーはサプライチェーンマネジメントの、
コントローラーであり、ディレクターである。
最後の最後は、
バイヤーのコミュニケーション力。
ドラッカーの理論を締めくくりにする。
すべてが終わると解散。
なんだか名残惜しい。
フィリップ・コトラーの有名な言葉。
「マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる」
まったく同感だ。
一生をかけて使いこなしてほしい。
バイヤーは夢のある仕事なのだから。
〈結城義晴〉