朝、起きたら、
地上17階の自室の眼下には、
名城・和歌山城。
3階のレストランに降りて朝食。
城は目線の上のほうに見える。
江戸時代の藩民はいつも、
こうして見上げていたのだろう。
その威圧感はいまでもある。
レストランには、
大きな窓が設えられていて、
その窓いっぱいに緑が広がる。
アメリカ大統領選挙。
民主党側はとうとう、
バラク・オバマ元大統領まで出てきて、
ジョー・バイデン大統領の出馬を、
辞退させる方向で動き始めた。
当然のことだろう。
撤退するか否かではなく、
いつ撤退するか。
どのように撤退するか。
後継候補はだれか。
関心はそちらに移った。
そのバイデン大統領は、
新型コロナに感染したらしい。
さて、私はタクシーで、
㈱オークワ本部へ。
本部に隣接する研修センター。
大会議室は満杯。
2階の中会議室2部屋にも、
モニターが設けられて、
総勢400名が聴講する。
もう三度目となる。
そのテーマは「ポジショニング戦略」
私の持論。
オークワの理念は、
「商業を通じて地域社会に貢献しよう」
素晴らしい。
講演のはじめに拙著『チェーンストア』と、
月刊商人舎6月号を紹介した。
ポジショニング戦略が具体的に書かれてるからだ。
つまり副読本となる。
6月号の[特別企画]は、
ポジショニング店舗づくり
ロピアとヤオコーにフォーマット進化が現れた!
ケーススタディが二つ。
ロピア蘇我島忠ホームズ店
原点回帰と模倣困難性の大仕掛けで
ポジショニングを強化する
OIC(オイシー)グループの㈱ロピアの出店攻勢が止まらない。23年度は15店舗を出店して、営業収益21.3%増。本拠地の関東から関西、中部、そして九州、東北と飛び火出店を展開した。沖縄にはフランチャイズ方式で出店した。こうした飛び火出店やフランチャイズが可能となるのは「ロピア」のフォーマットが地域性を超えた魅力を有するからだ。そのポジショニングが強力だからである。ロピアのポジショニングを再確認するチャレンジングな店舗が登場した。「ロピア蘇我島忠ホームズ店」である。
ヤオコー武蔵浦和店
10年越しで開発した斬新デザインの 「シン・ヤオコー」店舗
㈱ヤオコーが5月15日(水)、なんとも斬新な新店をつくった。埼玉県浦和市にオープンした「ヤオコー武蔵浦和店」である。今期1号店となる新設店舗である。埼玉県内では100店舗目、さいたま市では15店舗目の店舗だ。ヤオコーブランドが知れ渡ったドミナントエリア内への出店だが、オープンはもちろん、週末も多くのヤングファミリーで賑わっていた。顧客の期待値の高さがわかる。
それから[結城義晴の述懐]
ポジショニングとは「とんがり★こだわり」だ!
業種・業態、そしてフォーマット。
三段階で戦略は進化する。
途中から上着を脱いで、
講演に力が入る。
こういった場合は、
パワーポイントを使わない。
90分間をぴったり語り切った。
まだ90分くらい話したいところだ。
最後に盛大な拍手をもらった。
ご清聴を感謝したい。
アウトスタンディングなポジショニング。
オークワの皆さんもそれを生み出してほしい。
最後の最後は、
事務局の窓口の小澤一雄さんが送ってくれた。
オークワ人事部教育課課長。
販売会議はまだ続いていた。
全身全霊を込めて講義した。
疲れ切ったが満足感がみなぎっていた。
今日の講演のEpilogue。
2024年6月の[Message of June]
とんがれ★こだわれ
何によって憶えられたいか?
ピーター・ドラッカーの問い。
13歳の宗教の授業で牧師の先生から聞かれた。
そして彼は一生、自らに問い続けた。
何によって憶えられたいか?
これこそポジショニングである。
競争市場のなかの自社、自店、自分が、
どんな立ち位置をとるか。
それをはっきりと決め、
それを主張し、印象づける。
自分のポジションをくっきりと表明する。
何によって憶えられたいか?
店がフォーマットを構築するとき、
基本業態の原理と鉄則を堅持したうえで、
自分らしいポジショニングを創造する。
それが現代の競争力そのものとなる。
そのために、
自分らしくあれ。
とんがれ★こだわれ。
自分の顧客に知らしめよ。
この店しかないと思われる店。
コストコのように、
イケアのように。
トレーダー・ジョーのように。
そのために、
自分らしくあれ。
とんがれ★こだわれ。
志を定めよ。
〈結城義晴〉