2024年、土用、一の丑。
大いに工夫して、
売り込んだことと思う。
そして売れたに違いない。
私は午後、新横浜から新幹線のぞみ。
関西方面への出張が多い。
頂のあたりに雲がかかっている。
あたまを雲の上に出し
四方の山を見おろして
かみなりさまを下に聞く
富士は日本一の山♪
文部省唱歌「ふじの山」。
作詞は巖谷小波、作曲者は不詳。
富士川を渡る。
この一瞬にもこの山に、
多くの人が登っているのだ。
そう思うともう一度、
挑戦してみようかとも考える。
あっという間に新大阪に到着。
すぐに定宿のシェラトン都ホテル大阪へ。
夕方6時から、
「うえまち」で懇親。
明日は万代知識商人大学。
第9期のフィナンシャル・マネジメント講義。
もう9年が経過する。
涼月の献立。
酒は獺祭をちょっとだけいただいた。
多いに満足して、
私は饒舌になった。
お相手は㈱万代のお二人。
頓宮博さん(右)と石川慎也さん。
頓宮さんは取締役IR/広報管掌。
石川さんは人事部マネジャー。
広報の機能や役割に対して、
日頃思っていることを語った。
日本のチェーンストアの広報体制についても、
ずいぶん踏み込んで語ってしまった。
最後に亀谷しづえ商人舎GMも加わって写真。
明日は全力で講義する。
ありがとうございました。
社会人になってから47年。
その間ずっと、チェーンストアの広報と、
付き合ってきた。
広報。
広く報じる。
英語では、
パブリック・リレーションズ。
Public Relations。
主体と公衆の望ましい関係を構築する営み。
日本広報学会の定義。
「組織や個人が、
目的達成や課題解決のために、
多様なステークホルダーとの
双方向コミュニケーションによって、
社会的に望ましい関係を
構築・維持する経営機能である」
最初のころはダイエーと西友ストアー(当時)。
西のダイエー、東の西友。
広報にもずらりと、
優秀で個性的な人材が揃っていた。
ダイエーの矢島さん、
イトーヨーカ堂の内藤さん。
イオンでは堤さん。
お世話になりました。
スーパーマーケットでは、
サミットの荒井伸也常務が、
トップでありながら、
自ら広報を担っていた。
ローカルチェーンは、
トップが広報そのものだ。
それでいいし、
それがいい。
ただし広報には、
社外向けと社内向けの、
二方向の活動がある。
どうしても社内向けがおろそかになりやすい。
今、それを明確に機能分担しているのが、
イオンである。
社外向けでも、
大きく顧客や市場向けと、
マスメディアや株主・アナリスト向けがある。
それぞれに違いを明確にしておかねばならない。
頓宮さんにそんな話をした。
しかしチェーンストアの場合、
すべての店舗、店長、部門長が、
広報の役割を担っている。
トップマネジメントが広報をする。
それが一番いいし、
それが基本である。
朝日新聞「折々のことば」
第3154回。
近代社会が
たった一個の原理で
管理運営できるという
信念もまた……
滅び去るべきでした。
〈チャールズ・テイラー〉
「市場を廃することはできないが、
市場だけで社会をまとめることもできない」
カナダの哲学者、92歳。
「市場での配分、国家による立案、
コミュニティという受け皿、
個人の権利、民主的な手続きといった、
互いに背反しがちな方策の間で
均衡を創りだしてゆくのが現代の統治の課題だ」
これはトレードオンの本質だ。
そして広報も現代の統治と同じだ。
トレードオフではいけない。
〈結城義晴〉