キク科コスモス属の多年草、
品種改良も進んで一年草もある。
コスモスは秋の花だが、
キバナコスモスは夏に咲く。
2024年パリオリンピック。
開会式が終わると、
すぐに競技が始まる。
ついつい見てしまう。
1964年の東京オリンピック。
評論家の亀井勝一郎が書いている。
開会式こそが「最も美しい瞬間であろう」
日経新聞の春秋が紹介した。
その通りだ。
「まだ勝者も敗者も決まっておらず、
希望だけを抱いて集っているからだ」
「その瞬間があるからこそ、
後に続く歓喜や涙が
私たちの胸をうつのかもしれない」
日本から生まれた柔道。
女子48キロ級、
角田(つのだ)夏実。
31歳にして五輪初出場。
大器晩成。
それでも21年から世界選手権三連覇。
それもオール一本勝ち。
この五輪でも堂々たる戦いぶりで優勝。
日本最初の金メダルを獲った。
試合場の畳から降りてくると、
今井優子コーチと抱き合って、泣いた。
これにつられて、私も泣いた。
かと思えば、
阿部詩(うた)。
3年前の東京五輪女子52キロ級で金メダル。
兄の阿部一二三とともに、
兄弟二連覇を期待されていた。
しかし2回戦で予想外の一本負け。
相手は第1シード。
ウズベキスタンのケルディヨロワ。
負けて茫然自失。
体の力が抜けて立ち上がれない。
畳から降りてきても、
その場に崩れ落ちる。
頭を抱えて絶叫。
平野幸秀コーチに付き添われて、
立ち上がるが号泣は止まらない。
それだけ思いを込めていたのだろう。
詩が敗れたのは2019年11月。
グランドスラム大阪大会決勝。
フランスのブシャールに負けた。
それ以来、5年ぶり。
五輪での慟哭は、
いつまでも会場に響き渡った。
しかし観客からは、
「UTA! UTA!」の大コール。
負けたことを忘れるくらい、
よく泣いた。
それは凄い。
亀井勝一郎が言う通り。
開会式の希望があるからこそ、
勝者の歓喜と敗者の涙が、
私たちの胸を打つ。
そして私は思う。
ウクライナでも、
パレスチナでも、
それ以外の地でも、
戦闘はやめたい。
角田夏実の巴投げは美しかった。
阿部詩の慟哭も美しかった。
何も言うことはない。
戦いというものは、
スポーツでやるのがいい。
殺し合いの戦争はやめよう。
ほんとうにそう思う。
商業も商売も、
平和の中で花開く産業だ。
だから私たち商人は平和主義者だ。
声高らかに言おう。
殺し合いはやめよう。
何歳になっても、
スポーツをやろう。
仕事もしよう。
美しく生きよう。
喜ぼう。
泣こう。
全力で。
〈結城義晴〉