昨夕から38℃の熱。
今日の日本各地の最高気温と同じ。
気温と体温が同期した。
医者に行った。
「コロナの検査、しますか?」
看護師に聞かれた。
「もちろん。」
マスク越しに答えた
そしてまず抗原検査をした。
しばらくして、
「陰性ですが、PCR検査もしますか?
「Of course!」
そして、診察。
金髪の医者は「どちらも陰性です」
「それでも70歳を超えて、
38度の熱が出るのは、
何か病気があるかもしれない」
脅かす。
「ヘモグロビンA1cは?」
即座に答えた。
「6.2です」
「ご立派です!」
褒められた。
「熱が下がらなかったら、
かかりつけの先生か総合病院で、
調べてもらってください」
診察代は4600円だった。
薬を処方してもらって、
薬局に寄ってから、
家に帰って食事をし、
薬を飲んだ。
そしてぐっすりと眠った。
熱は36.6℃まで下がった。
歌を思い出して、
口ずさんだ。
「風邪は友達」
だれも相手に
してくれなくなったら
僕のところに
来ればいいさ
いつだって君の
相手をしてあげるよ
風邪は友達
風邪は友達
君にだって
命はあるんだものね
誰かが犠牲に
ならなきゃね
君は命をなくすことに
なるんだものね
風邪は友達
風邪は友達
僕の体の中で
静かにしてな
いつまでも君に
いさせてあげるからね
でもあんまり暴れると僕だって
君を殺してしまうかもしれないよ
風邪は友達
風邪は友達
〈作詞・作曲 山﨑眞幹〉
学生時代の、
敬愛する先輩・山﨑眞幹さんの曲。
東京・福生のハウスに居住し、
法学部の学生だったのに、
プロのミュージシャンになった。
風邪までも友達にする。
学生の頃は誰にでも、
そんな孤独と優しさがあった。
さて、
円の為替レート。
7月31日に瞬間的に、
1ドル149円台となったが、
1日の終値で149円というところまで来た。
まだまだ続きそうだ。
日経新聞一面トップ記事。
2日の東京市場、
日経平均株価が、
前日比2216円63銭安。
3万5909円70銭。
この下げ幅は歴代2番目。
1番は1987年10月20日。
米国の「ブラックマンデー」の翌日の日本株価。
3836円安の急落だった。
ブラックマンデーの際の下落率は14.9%、
2日の下落率は5.8%だった。
日経平均株価の史上最高値がついたのは、
今年7月11日。
4万2224円02銭。
この水準と比べると6314円の下落。
日経のコメント。
「年始からの上昇分の7割強を
8月2日までに消した計算になる」
「それは一時1ドル=161円台に進んだ、
円安から修正する動きとも呼応している」
本来の円高とは言えないが、
ちょっとだけ円が高くなると、
ブラックマンデー以来の株安となる。
株価が1万円を割ったのは、
2011年7月12日。
その後、11月には、
史上最安値の8160円01銭。
この年には東日本大震災が起こった。
3月17日には史上最高の円高だった。
1ドル76.25円。
それ以前の大きな波は、
バブル崩壊後に発生している。
バブル絶頂期の1989年12月29日、
株価は3万8915円87銭。
それまでの最高値だった。
そして1989年にベルリンの壁が崩れ、
1991年にソビエト連邦が崩壊し、
1992年3月に日本の株価は、
2万円の大台を割った。
89年の最高値のほぼ半値になった。
さらに8月には1万4000円台まで下がる。
1995年には1ドル80円。
97年には山一証券の自主廃業など、
金融機関が相次いで破綻した。
それでも平均株価は1万4000円台だった。
1998年10月、
株価はバブル崩壊後の最安値を更新して、
1万2879円。
私は商業界の食品商業編集長だった。
雑誌のトップ記事で、
故渥美俊一先生に株価予想をしてもらった。
すると先生曰く。
「1万円を割る!」
雑誌が出るとすぐに、
読者の一人から激烈な反論の手紙が届いた。
当時の食品商業は、
業界の圧倒的一番誌で、
読者層が広かった。
「1万円を割るなんで、ド素人か?」
株価が下がり続けると、
よほど痛手を被る人だったのだろう。
しかし速水優日本銀行総裁の判断で、
大手銀行に対して大量の公的資金が投入された。
それで株価は底割れを免れた。
けれどその後、21世紀に入っても、
日本経済の低迷は続いた。
失われた30年。
しかし2022年、
世界経済は「歴史的インフレ」に直面した。
2月にロシアがウクライナに侵攻。
世界の分断がさまざまな供給を遮断して、
食品やエネルギーなどが高騰した。
このインフレが円安を誘発した。
2022年3月には1ドル115円だった。
それが10月20日には150円となった。
平均株価は3万円を超えた。
2023年5月22日には、
3万1000円となった。
今年7月11日には、
史上最高の4万2224円。
そして史上2番目の株価下落。
しかし金融経済と実体経済の格差は、
広がるばかり。
こちらのほうが大きな問題だと、
私は思う。
実体経済は株価に比べると、
低迷している。
それは消費に表れてくるし、
小売業の現場でも、
現象化してくる。
日本経済と小売業は、
相関しないわけではないが、
同期はしない。
気温と体温の上昇に気を取られつつ、
ドル円レートと株価の高下に、
私の意識は移っていった。
風邪は友達。
風邪には悪いけれど、
今回は一刻も早く関係を解消して、
現場復帰をしなければならない。
〈結城義晴〉