暑さは続く。
それでも花は咲く。
道の辺(べ)の木槿(むくげ)は馬に喰はれけり
〈松尾芭蕉〉
芭蕉は馬子にひかれた馬に乗っていた。
その馬が道端のムクゲを食べた。
見たまんま。
しかし馬とムクゲ。
昔の旅はのどかだ。
霧雨の空を芙蓉の天気哉
〈松尾芭蕉〉
フヨウの花は強い日ざしの日には、
葉の陰に咲いたり、
花びらがだらんとしている。
けれど朝晩は花がピンとしている。
霧雨が降る日は朝晩と同じだ。
「芙蓉の天気」なのだ。
さて商人舎流通スーパーニュース。
7月家計調査|
2人以上世帯消費支出は29万円0.1%増/3カ月ぶりに増加
総務省統計局「家計調査報告」。
その7月版。
集計サンプル数は全国の二人以上の7213世帯。
これはとても重要なことだ。
サンプル数が7213。
全国平均の数字を時系列で見ていくと、
当たらずとも遠からずか。
しかしこれを地域別に品種レベルで集計すると、
一応、数字は出てくるものの、
信頼できるデータではなくなる。
たとえば札幌市の人口は約196万人、
全国の人口は1億2119万人。
札幌市は日本全体の1.6%である。
家計調査のサンプル数の7213人に、
1.6%を掛けると115人となる。
つまり家計調査の札幌市の数字は、
100世帯ほどの調査ということになる。
出店調査などで、
家計調査データを使うことがあるが、
まるで当たらない。
サンプルの母数が少な過ぎるからだ。
それでも毎月のトレンドを知るにはいいだろう。
だから商人舎流通スーパーニュースでは、
短くお知らせしている。
その7月の消費支出は29万0931円。
費目別の消費支出(2人以上世帯・実質)。
前年同月比プラスは、
「住居」17.3%増、「保健医療」1.6%増、
「教育」8.9%増、「教養娯楽」5.6%増の4費目。
一方、マイナスは「食料」1.7%減、
「被覆および履物」5.7%減、
「家具・家事用品」2.0%減、
「光熱・水道」4.6%減、
「交通・通信」4.3%減の5費目。
全体傾向を見るならば、
家計調査でもいい。
しかしさらに細かな費目を、
マーチャンダイジングなどに使おうとしたら、
これでは役に立たない。
もっと精度のあるデータがある。
たとえば㈱True Dataの、
KURASHI360。
「クラシサンロクマル」と読む。
True Dataは、
6000万人規模の購買データをもつ。
スーパーマーケットとドラッグストア。
母数は家計調査が7213、
KURASHI360は6000万。
このKURASHI360データは、
郵便番号単位のエリアの消費傾向を数値化している。
個人情報を使わず、
郵便番号単位のエリアごとに、
食品データと生活購買データ、
さらに自動車データまで提供する。
食品はスーパーマーケットとドラッグストアの、
ポイントデータをベースに、
品目別の動向を明らかにする。
日用品、化粧品、OTC医薬品もしかり。
個店のマーチャンダイジング、
プロモーションなどに使うには、
KURASHI360がいい。
市町村単位でも県単位でも、
リージョナル単位でも、
精度が高い。
さてもうひとつのニュース。
ベルクnews|
遺族を支援する新制度「従業員遺族サポート制度」9月導入
従業員が不幸にも亡くなった際に、
その遺族を支援する「従業員遺族サポート制度」を、
9月から導入する。
「遺児育英支援金」は最大642万円。
18歳、大学生は22歳以下の子を、
扶養していた従業員が亡くなった場合、
学業を奨励し、遺族家庭の経済的な負担を軽減する。
実にいい制度だ。
さらに「遺族就業サポート」は、
亡くなった従業員の配偶者や子が、
ベルクグループでの就業を希望する場合、
可能な限り支援を行う。
ベルクはこういった従業員へのサポートを、
地道に充実させている。
高く評価したい。
〈結城義晴〉